私、橘楓。 vol.004. 新しい浴衣。
「ふ~!良い汗掻いた~!」
部活が終わり、廊下の水道で顔を洗っている楓に、同じ部員の朱実が、
「ねね楓、花火大会の待ち合わせ、何時にする???」
「ふ~ん、そうだな~朱実は何時が良いの~???」
「私…なら5時かな…。早く行って場所も取って置かなきゃ。」
「だよね~!良いんじゃない、その時間で…、私ならOKよ~!」
「ほんと、それでいい…???んじゃ、それでOKね、陽子にも言わなきゃ。じゃ、後でね。」
「うん、OK。」
「うわっ、すんごい、さっすが~楓、綺麗だわ~!もしかして…、それって…新しいヤツ…???」
と、吉祥寺駅に楓より先に来ていた浴衣姿の陽子。
「へっへっへ~あったり~!どお~???」
と、楓。
「はっは~私にそれ…言わせるってか~ん~???」
と、その声に混じって、
「おっまったせ~!ふたりとも早いね~!」
と、朱実。
「うえっ、何朱実あんた…!!!奮発したね~!」
と、楓。
「そんなんじゃ…完璧にモデルじゃんよ。へぇ~馬子にも衣裳だわ。」
「…って、一言多いぞ楓~!」
「ふふふふふ~!」
「そういうあんた…何、それ~正に…新しい浴衣~!へぇ~!さては、期末試験…、学年2位で、ご褒美におばちゃんに買ってもらったな~???」
「それを言っちゃあ、おしめえよ~!…はは…なぁ~んてね。まっ…図星…へへ。」
「…と、言う事で、3人集まったし。では行きますか。」
と、陽子。
「あ~~~っと、ちょっと待ってね~!」
と、朱実。
「どしたの…朱実???」
と、楓。
「…へへ…、実は、もう…お二方…ほど…。呼んで…るんだよね…へへ。」
「はぁ~???」
楓と陽子。