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男女比率1対100の世界で男の俺がVはじめました。(ただしVのときの性別は女である。)  作者: おまめあずき×梅崎さくら
第一章 VTuberデビュー
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08 いざ、じいちゃんばあちゃん家へ


「よしっ!」

玄関で、俺は持ち物を確認する。

ばあちゃんに頼まれた調味料に、じいちゃんから頼まれた海産類。ちゃんとお菓子もあるね。


「留依、どうしたんだ?」

「自主的に家から出るなんて珍しい。」

後ろから声をかけてきたのは黒葉兄ちゃんに白夜兄ちゃん。


「珍しいって……。」

ひどくないか?

たしかにこの二ヶ月ほど外に出てはいなかったけど!


「……っと、ああ。じいちゃんたちか。」

白夜兄ちゃんが俺の用事に気がついたようだった。


「うん。

こっちに来てからじいちゃん、外に出られなくなったからね。」

ばあちゃんは足が悪くて車椅子生活だし、一人で買い物は難しい。

一時期、うちん家に住むかっていう案もあったけど、俺のひいひいじいちゃんが建ててくれた家だから、手放したくないそうだ。


こっちに来た時、じいちゃんたちはこれからどうするかってことを話し合うためにうちん家に泊まりに来ていて助かった。

すぐに家族会議ができたしね。


「……俺たちも行く!」

「えぇ!?」

そんな時、くろ兄ちゃんが突然そんな事を言いだした。


「……くろ、おま……。

わがまま言うんじゃありません。」

しろ兄ちゃんナイスです。

なんかしろ兄ちゃんってお母さんっぽいっていうか―――


「……留依? なんか変なこと考えてない?」

「イエ、カンガエテナイデス。」

うん、変なことなんてなんにも考えてないヨ?


「あと、くろ。わがまま言うな。」

はぁ、とため息を付きながらしろ兄ちゃんはそう言う。


「いーや。しろが止めても俺は行く!」

「はぁ? じいちゃんとばあちゃんに迷惑でしょ。」

何故か珍しくくろ兄ちゃんはしろ兄ちゃんに言われても考えを曲げなかった。


「くろ兄ちゃん、なんで?」

「んー、なんとなく!」

いや、なんとなくって……。


「いや、なんとなくで迷惑かけるなよ…。

でもなぁ、こういうときのくろは何があっても考えを曲げないし。」

つまり、色々面倒な状態、と。


「俺も行くんだー!!」

いや、幼稚園児かよ。

そうツッコミたいが、実際にツッコんだら確実に暴れるしなぁ…。


「……一応、じいちゃんに聞いてみる。」

俺はカバンからスマホを取り出しながらしろ兄ちゃんに声をかける。


「留依、頼んだ。」

「その時はストッパーとして、しろ兄ちゃん、よろしくね。」


「俺も行く前提なのかよ……。」

「そうじゃないとくろ兄ちゃん止まんないよ?」

はぁ、と二人してため息を吐いたのだった。



 ###


「よっしゃー!」

「こうしてみると、じいちゃんたちに会うのも久しぶりだな。」

まぁ、じいちゃんたちはこっちに来てから一週間くらいで家に帰ってったもんなぁ。


「兄ちゃんたちも忙しくていけてなかったしね。」


うちん家とじいちゃん家は庭で繋がっている。

が、行くのに結構な時間がかかるため、仕事が忙しい兄ちゃんたちは行けなかったのだ。

……ニートだった俺を除き。


「にしても、(あきら)のことについては驚いたなぁ。」

「ああ、晶、孤児になってたんだっけ。」

くろ兄ちゃんたちが道すがらそう話している。


そう。くろ兄ちゃんの友達だった晶さんは、孤児になっていたらしい。

もともと毒親だったので情は一切なかったらしいが、あの無表情な晶さんがあそこまで表情を動かしたのは初めてみた。


マンションで一人暮らしをしていたみたいだったが、マンションよりこっちのほうがセキュリティ良いから、引っ越してきた。

うちん家、無駄に部屋あるしね。



「あ、ついた。」

そんな事を話していると、じいちゃんばあちゃん家についた。


「晶、こっちに泊まり込みで作業してるんだよな?」

くろ兄ちゃんがここで衝撃の発言。

「え、晶さん最近見かけないと思ったら、こっちに来てたの?」

「おう。こっちのほうが好都合だとかなんとかいってな。」


「何度みてもここはすごいな。」

しろ兄ちゃんが思わず、といった様子でそうこぼす。

そうかな? 何度も来ているせいで感覚がバグってるのかもしれない。


というか、インターホンおそうかな。

でも、家族だしいらないかな?

いつもじいちゃんかばあちゃんが家の外にいて出迎えてくれたからどうすれば良いのかわからない。


「じいちゃんたち久しぶりー♪」

「「ちょ、くろ(にいちゃん)!?」」

インターホンを押そうか悩んでいた時、勝手にくろ兄ちゃんが扉を開けて入っていってしまった。


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