15 ほろらばとリモート
お休み明けの投稿です。
最近気がついたのですが、留依の名前が「琉衣」になってしまっている箇所があります。
直してはいますが、見落としてしまって言う箇所があるかもしれないです。すいません。
見つけたら誤字報告をお願いします。
「……えぇ……どうするの?」
俺はこういうのわかんないし、わかんないことは兄ちゃんたちに丸投げするのが吉だよね。
「いや、どうしようかね。」
「正直、俺たちは事務所に所属しようが所属しなかろうが、どうでもいいんだよな。」
くろ兄ちゃんのその言葉に、「え?」と思わず声が出る。
「いやいやいや、何いってんの?
ほろらばだよ、ほろらば。」
「「それが?」」
えええ……。
ほろらばって大人気事務所なんだよ?
というか、兄ちゃんたちこっちに来る前、ほろらばに所属してなかったっけ?
未練とかないんかな。
「俺たちについてたの男性マネだったし、もういないだろ。」
「あるいはTSしてそう。」
あ、そうだったんだ。そりゃ未練なんかないわな。
兄ちゃんたちマネさんとしかほぼ会ってなさそうだし。
「んで、この世界で男性Vが事務所に所属するってありえないわけ。」
「ね。でも、留依が入りたいっていうんだったら入ろうかなぁ、って感じ。」
てことは、全部俺の選択次第ってこと?
「責任重大すぎるでしょ……。」
この世界唯一の男性Vが俺の選択で事務所に所属するかしないか決まるってことでしょ??
うわぁ………。
「……とりあえず、リモートであってみよう?」
数分の長考ののち、俺は結論を出したのであった。
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その数日後。
『聞こえているでしょうか?』
くろしろのはなこと、黒葉兄ちゃん、白夜兄ちゃん、俺はリビングに集まり、一つのタブレットを囲んでいた。
「はい。大丈夫です。」
タブレットから聞こえてきたキャリアウーマンみたいな人の問に、櫻岐留依としてではなく、【咲久和 華】として答える。
『では、改めまして。
……私、「hologram live」、通称ほろらばの新谷 要と申します。』
「丁寧にどうも。
はじめまして。【白泉 葵】こと櫻岐 白夜と申します。」
「はじめまして。【黒霧 塔矢】こと櫻岐 黒葉と申します。」
「はじめまして、【咲久和 華】こと、櫻岐 留依と申します。」
新谷さんに、しろ兄ちゃん、くろ兄ちゃん、俺の順番で答える。
「それでは、さっそく本題に入りましょう。
この度、リモートでこのような場を設けていただいたのは、ほろらばに入るか入らないか、という最終的な決定のための情報収集のようなものです。」
しろ兄ちゃんがいきなり本題に入っていく。
「俺たちとしては、ほろらばに入っても入らなくても、特に問題はありませんが、おt……妹はそうは行かないとは思うので。」
くろ兄ちゃん……いま、弟って言いかけただろう…気をつけてよ。
『それでは―――』
リモートでの話し合いが始まった。