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真の姿に愛を込めて

作者: ゆーく

※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。※






セシリアはナフィムマ王国唯一の公爵令嬢であり、カルロス王子の婚約者である。

眉目秀麗、文武両道、清廉潔白、人当たりも良いが臣下を纏める狡猾さと才も併せ持つ、正に完全無欠といえる王太子カルロスに見合うべく、日夜研鑚を重ねてきた。


令嬢としてのマナーは勿論のこと、将来国母になるために他貴族の令嬢達との交流、掌握、情報操作、そして王妃教育。

それらを熟すためにも、感情をコントロールすることはセシリアにとって当然のことであり、また必要不可欠なことであった。


国母たる者、常に冷静で己の感情に振り回されること勿れ。


そう、例え目の前に突然人形が現れたとしても。

そこに居たのが、今まで共にお茶を楽しんでいたカルロス王子、かの人であったとしても。



セシリアは無様に動揺などしてはいけないのだ。






「………」

「………」



動揺してはいけない。

しかし、これは一体どういうことか。



セシリアは目の前の人形のつぶらな瞳を見つめながら脳を忙しなく働かせた。


本日、セシリアは普段通りに王妃教育を済ませた後、普段通りにカルロス王子と交流を深めるために普段通りに茶会を楽しんでいたはずである。

カルロス王子も普段通りに笑みを浮かべ、普段通りにセシリアを尊重してくれて、普段通りにお茶を口に運んでいた。


普段通りでなかったのは、そのお茶を口にした瞬間、カルロス王子の姿が消え、目の前にカルロス王子そっくりの人形が現れたことである。


全く以て意味がわからない。


現状把握に努めていたはずが更なる思考の渦に落ちそうになったセシリアの視線の先で人形が小刻みに震え出した。



「え?」



まさか人形が動くとは思わず令嬢らしからぬ声をあげてしまった途端、件の人形の両手がハッキリと動いたためセシリアは遂に驚愕の表情を浮かべてしまった。



「なん、…で」



しかも喋った。

人形は自分の両手を見つめると布でできているはずの肌を徐々に青褪めさせて、震える声を上げたのだ。

とても芸達者な人形である。


セシリアが半ば現実逃避なことを考え始める側で人形は尚も震え続け、己の両手を見下ろした後、勢いよく顔部分を上げてセシリアにつぶらな瞳を向けてきた。



「セシリア…、そなた……」



なにやら緊迫な声で話しかけられてしまったが、人形の全長は目測で40㎝程度。

顔を上げたところでその姿はほとんどテーブルに隠されていて覗き込まなければ視界にも入らない。

そんなミニマムな存在に緊張を含んだ声で話しかけられても、些か真剣みに欠けるというもの。


セシリアはカルロスが消えた瞬間に立ち上がっていた姿勢を正すとワナワナと震える人形を見下ろした。



「おまえ、話すことができるのですか」

「……なに?」

「なぜ人形が動き、話すことができるの。気安く私の名を呼ぶおまえは何者です。殿下をどこへやったのですか。殿下の姿を模した姿などとってなんと悪趣味な。相応の罰を理解できる程度の頭は持ち合わせているの」

「待て、セシリア。その物言い、コレについておまえは関与していないということか?」

「何をおかしなことを。問いに答え……?」



おまえのような人形に質問する権利も自由に話す権利も与えていないと告げようとしたセシリアは、とある違和感に口を噤んだ。

髪を模した金色の毛糸の隙間から覗く鮮やかなサファイアの瞳。

カルロスの特徴を現しているこの人形は、どういう訳か声も話し方すらもカルロス王子に酷似していた。



「……その声、その物言い。おまえを作った者は余程殿下に執着していたようね」

「………セシリア。余の問いに答えてくれ。おまえは、カルロス・リンゼイ・ナフィムマに無断で薬を飲ませることに関与していたか」

「たかが人形の分際で私を侮辱するとは。余程その身を燃やされたいとみえる」



あらぬ嫌疑をかけられた不快感に表情が崩れそうになり、セシリアは扇を開いて口元を隠した。

そして、この不快な人形を始末させ、すぐにでもカルロス王子を捜索させるために部屋の外にいる兵へ声をかけようと扉に視線を向けると、それを察したのか人形が勢いよく椅子の上に立ち上がった。



「待てセシリア!余はカルロス・リンゼイ・ナヒィムマ本人だ!おまえが関与していないと言うのならば、このことを他の者に知られる訳にはいかぬ!!」

「……何を」



世迷言を。

そう言えればどんなに良かったか。


しかし、セシリアはその言葉を紡げなかった。



布でできた頭部、手足、毛糸でできた髪の毛に宝石が埋め込まれた瞳を持つ姿は紛うことなき人形。

しかし、先程までカルロスが着ていた衣装と全く同じ衣服に低音ながらも暖かみを感じる声音や威厳を保った話し方は、セシリアの知るカルロスそのもの。


否と断じるには、人形はカルロスに酷似し過ぎていた。


だから、セシリアはある一つの問いを口にした。



「……そなたが私の敬愛するカルロス殿下であると言うのならば、私の好きな生き物を知っているはずです」



セシリアが扇をパチンと閉じながら人形を見下ろすと、カルロスの姿を模した人形はふっと力が抜けたように姿勢を崩した。

そして、



「蛇だろう?」



糸で紡がれている動かないはずの口元が柔らかく口角を上げたように見えた。


その答えに、その姿に、セシリアはすぐに視線を伏せると、その場で跪いた。



「動揺していたとはいえ、私の浅はかな思い込みで殿下に数々の無礼を申し上げてしまい、誠に申し訳ございません」

「良い。おまえの動揺した姿など稀に見れるものでもない」



鷹揚に頷いた人形の瞳が光を弾いて柔らかく輝いた。

表情を変えることのない人形のはずなのに、その柔らかさはセシリアが幼少の頃に令嬢らしからぬ嗜好を晒してしまった姿を優しく受け入れてくれたカルロス王子の優しい瞳と同じだった。


目の前の人形がカルロス其の者であると言うのならば、今この現状はどういうことか。

セシリアは先程のカルロスの言葉を引用して問いかけた。



「なぜ殿下がそのようなお姿に?先程、薬と仰られましたが、まさか人形になる薬でも盛られたというのですか」

「……、セシリア。余も詳しいことは分からぬ。だが、思うところもある。急ぎシェシーフをこの場に呼んでくれないか」

「畏まりました」



再び椅子の上に座り直したカルロスは人形の姿をしているにも拘らずどこか疲れているように見えた。




セシリアがカルロスの姿を隠しながら急ぎ外の者にシェシーフを呼ぶよう告げると件の者は数分と待たずに部屋に訪れた。

そして開口一番「げ」と声を上げた。

この者は国一番の魔術の使い手で、王家から絶大な信頼を寄せられており、腕も確かなのだが些か口が悪い。

王族に対しても変わらない口調で接するため反感を抱く者も多いが本人はどこ吹く風といった調子である。

セシリアも最初はその態度に眉を顰めだが、王族の方々が許しているのならばと今ではシェシーフの口調や態度も受け入れていた。



「何があったんだよ、王子」



シェシーフは人形がカルロスであるとすぐに言い当て、何事もないように話しかけた。

その状況把握能力にセシリアが舌を巻いているとシェシーフの視線がチラリとセシリアに向けられた。



「シェシーフ、違う。セシリアは無関係だ」

「あ?そうなのか?じゃあ、なんでこうなってんだよ」

「余もわからぬ。その茶に何か入れられていたとは思うのだが」



なんと、シェシーフはカルロスが人形の姿になったのはセシリアが原因だと思っていたようだった。

しかし、茶を楽しんでいた部屋に居たのはセシリアとカルロスのみ。

侍女や護衛はいつも部屋の外に立たせているため、カルロスと違って何の変化も起きていないセシリアが犯人である疑いをかけられるのは当然である。

セシリアもそれはわかっているからこそ、声を上げたりはしなかったが内心は酷く憤っていた。


セシリアはカルロスを敬愛している。

そこに男女の情があるかと問われれば、間を置いてしまうが、それでも幼い頃から忠誠を誓い尊敬している殿下に対して、害や不利になるようなことなど決して行いはしない。

この状況を作り上げたことにも、カルロスに怪しい薬を盛ったことも、セシリアは許すつもりはない。

犯人には首を切るだけでは足りぬ業を背負わせてみせると決めた。


そんな不穏なセシリアを他所にシェシーフはカルロスが飲んでいた茶に手を当てて目を閉じていた。

どうやら魔術を使って薬の内容を調べているようだ。


魔術を使える者は限られているため、その知識もあまり広くは知られていない。

専門的なことを深く学んだわけでもないセシリアにはシェシーフがどのように魔術を使用しているのか全く分からなかったが、シェシーフの掌から微かに歪んで見える景色が魔術を使用していることを知らせていた。


そして、幾許かの時が過ぎた頃シェシーフは徐に掲げていた手を下げると首を振った。



「こいつはただの切っ掛けに過ぎないな。この茶を飲んだことで魔術薬が発動するように仕向けられてただけだ。大元の薬はもっと前に飲まされていた可能性が高い」

「なんだと?」

「用意周到なこった。まぁこの切っ掛けに込められた魔力を辿って今そいつの口を封じたからすぐにでも犯人はわかるだろ」

「殺したというの?」



シェシーフがアッサリと告げた言葉にセシリアが反応するとシェシーフは面倒臭そうに片手を振るった。



「ちげぇよ。ンなことしたら大元の術薬について詳しいことはわからずじまいじゃねぇか。辿った魔力に俺の魔力を混ぜて喋れなくさせて全身麻痺させただけだ。王子のこの姿をバラされる訳にはいかねぇからな」

「そう。ならその不届き者は今どこにいるのです」

「さぁな」



またもや軽い口調で告げたシェシーフにセシリアの表情が崩れかける。

どういうことだと視線で問えばシェシーフはセシリアの方ではなく、身動ぎ一つしなくなってしまったカルロスに視線を向けた。



「安心しろよ、王子。俺の魔力を辿ればどんな遠方に居ようと今日中にそいつを捕まえてやっから」

「……そうだな」

「茶と同じ残滓魔力を纏ってる奴が居たら、そいつらもこの件に関与してるってことでとっ捕まえちまえばいい」

「あぁ」



今日中に犯人や関与した人物を捕まえる目処ができたというのに、カルロスの声音は浮かないままだった。

姿を変えられたとはいえ、常に毅然とした態度であらゆる物事に対峙してきたカルロスらしからぬ姿にセシリアは疑問を抱く。

床に膝を付けて目線をカルロスに合わせるシェシーフと頭部を下げて項垂れているように見えるカルロスの姿を黙って見つめた。



「シェシーフ…」

「なんだ?」

「…、あの術は一度きりだと言ったな」

「……あぁ」

「もし、この姿のまま術が解けなければ…」

「王子」



悄然としたカルロスの言葉にシェシーフの声が重なった。

その真剣みを帯びた声と瞳にセシリアは思わず背筋を正す。


2人は何を話しているのか。

術とは、今殿下が人形になってしまっていることではないのか。

けれど、2人の会話からではそれ以外の術の有無を感じる。


疑問を抱えながらも、セシリアが2人の雰囲気に声を出すタイミングを掴めずにいるとシェシーフはカルロスの布でできた手を力強く掴んだ。



「俺を誰だと思ってんだよ。稀代の天才魔術師シェシーフ様だぜ?王子は大船に乗ったつもりでいろよ」



傲慢にもそう言ってのけたシェシーフはニカっと大口を開けてカルロスに笑いかけた。

その姿にカルロスの肩の辺りがフッと力が抜けたかのように動く。



「……そうだな」

「そうなんだよ。ってことで、俺は今から篭って魔力を追う。王子は姫さんに事情を話してやれよ」

「ならぬ!!」



カルロスの人形から出たとは思えない腹の底に響くような声にセシリアは思わず身を竦ませた。

しかし、シェシーフはその声に怯むことなく真剣な表情でカルロスに告げる。



「良いか、王子。俺の予想じゃ、この薬は【真の姿をさらけ出す薬】だ」

「……っ!」

「王子も大方、予想はついてんだろ。確証はねぇがな。だが、可能性は高い。俺は言ったことは必ず守る。俺が何とかしてやる。だが、薬っつうのはどうしても作った奴の癖がある。だから、犯人とっ捕まえてこの薬の性能や効き目、時間、詳しいことを全部吐かせてくる。そのうえで解除薬が必要なら俺が必ず作ってやる」

「ならば、セシリアを巻き込む必要はない」



必死に言い募るカルロスの肩にシェシーフは両手を置くと、サファイアの瞳を覗き込むようにしてカルロスに告げた。



「俺が何とかしてやるつっても、どれだけ時間がかかるかわからねぇ。今日中にとっ捕まえたとしても、だ。それに、こうなっちまった以上、味方は必要だ。姫さんはその信頼に足りないっつうなら今この瞬間の記憶を消してやることもできるが…」

「シェシーフ!!!」



なんでもないことのように告げられたシェシーフの突然の暴論にセシリアが反応するよりも早くカルロスの声が響いた。

もうセシリアは何に反応すれば良いのか分からない。


国母たる者、常に冷静で己の感情に振り回されること勿れ。


この戒めを胸に掲げてきて本当に良かった。

でなければ、セシリアはあまりの不可解さに眩暈を起こしていたかもしれない。


そんなセシリアの姿に構うことなくシェシーフはカルロスを宥めるように両手を掲げると肩を竦めた。



「わかってるよ。ンな必要もないってことは。なら、姫さんに話して味方になってもらったほうが良い」

「しかし、」

「分かってんだろ、王子。このまま俺と王子と王だけの話にしておくには、姫さんは色々見聞きしちまった」

「……その大半は、おまえのせいだろう」

「まぁな」



悪びれる様子もなく頭を掻くシェシーフの姿にカルロスは溜息を吐く。

人形の姿でも呼吸はしているようだが、呼吸器官はどうなっているのだろうか。


セシリアは再び現実逃避に走りだしそうな思考をしっかり繋ぎ止めると、カルロスに視線を向けた。

カルロスは頭部を下げ項垂れていたが何か思案しているようにも見える。

話の内容は分からないが、筋はセシリアにも分かった。


要は、国家機密よりも秘されている事柄にセシリアを巻き込んでしまうことをカルロスは懸念しているのだ。


ならば、セシリアのとる行動は一つのみ。


セシリアは歩みを進めてカルロスの傍らに立つと、シェシーフがいる場所とは反対の位置に膝をつきカルロスに視線を合わせた。



「殿下、どうかお応えください」

「……なんだ」



カルロスは下げていた頭部を上げるとサファイアの瞳をセシリアに向けた。

その瞳の輝きを、宝石ではない殿下自身が持つ瞳の奥の輝きを見つめながらセシリアは問いかけた。



「私を、妻にと望んでくださいますか」



セシリアの言葉にカルロスは微かに身動ぐと、「当然だ」と強く肯首した。



「ならば、お話ください。私は殿下の妻となる身。畏れ多くも、殿下を支え、隣りに立つ栄誉を与えてくださるというのならば、その身に抱えるものも、私に与えていただきたいのです。そして、共に持ち続けていきたいのです。殿下と同じ物を持つなど、傲慢な願いだと存じております。ですが、どうか、どうか。私も殿下の御力になりたいのです」



セシリアが胸の内を告げた時には既にシェシーフの姿は無かった。

カルロスはセシリアの碧い瞳を見つめると、フゥと息を吐き姿勢を崩した。

背凭れに頭部を預け上を向く姿は何かを諦めるようにも見えた。



「おまえが、傲慢などと。面白いことを言う」

「殿下の秘するものを暴きたいと願っているのです。これを傲慢と呼ばずなんと言いましょう」



セシリアが扇を広げて僅かに首を傾げるとカルロスはクックッと笑った。

その笑みは人形になる前のカルロスも上げたことのない笑みだった。



「知れば、おまえは後悔する」

「殿下に頂いたものを悔いることなど決してありません」

「…全く、この頑固者が」



人形の表情は変わらないというのに、何故かカルロスが苦笑したように見えた。

そんな姿もセシリアは初めて見た。


幼少の頃からの婚約者同士。

互いに相手を尊重し、研鑚し合い、交流を重ねてきたが、所詮は政略で結ばれた関係。

親しみはあっても互いに深い情を匂わすような雰囲気を持ったことなどなかった。


しかし、今、目の前にいる人形の姿のカルロスはいつもより近しく感じた。

そのことがセシリアには何故だかとても擽ったくて思わず小さな笑みを浮かべてしまう。



「……おまえが、そのように笑うのは初めて見るな」

「まぁ。それを仰るならば、殿下がそのように喉を鳴らす姿を私初めて拝見しました」

「ふっ、そうか」



息が漏れるような笑い方をしたカルロスにセシリアの表情も柔らかくなる。

このような事件が起こってしまったことは大変遺憾ではあるものの、敬愛するカルロスと互いに初めての笑みを交わしあえることはとても嬉しかった。


そして、カルロスに示されて横に移動させた椅子に腰掛けると、セシリアは背筋を伸ばしてカルロスの話に耳を傾けた。




今この姿が、カルロス王子の本当の姿だという話を。





「王妃を愛した王が側妃を持つことをしていないのはおまえも知っているだろう」

「…はい」

「幾ら時が過ぎても子を成さぬ王妃に周囲は他の妃をと望んだが、王は決して頷かなかった。しかし、王家の血筋を絶やすこともできぬ。遡れば王家の血を継いでいる者も居るが、それでは示しがつかぬ。だから、王は秘密裏に他の女と子を作ろうとした」

「しかし、側妃や寵愛された者が居たとは聞いたことがございません」

「そうだ」



曰く、王は愛する王妃のために権力だけでも分散させたくはなかった。

だから側妃になれぬような身分の者を寵愛していると分からぬように囲い隠していたのだと。


けれど、そこまでしても王に子は出来なかった。

そして、王は理解してしまった。


自分には子を成す種がないのだと。



「え…?」

「しかし、それでは王家の血が絶えてしまう。辛うじて血を引く者も居るには居たが、とてもではないが王の器ではなかった。だから、王はシェシーフに頼った」

「シェシーフに…?」



セシリアが衝撃的な事実の数々に言葉を繰り返すことしかできないでいるとカルロスの動かないはずの口元が自嘲したように歪んで見えた。



「王の血を使って人形に命を吹き込むようにと」

「!!」

「それが余だ」



カルロスは片手を僅かに上げて見つめると訥々と言葉を続ける。



「シェシーフは王の願いに応えた。王の血を吸い命が吹き込まれた余は人間として生まれ変わったが、既に心を壊し始めていた王妃には耐えられない事だった」



心身を壊し、遂には鬼籍に入った王妃。

王はその事に嘆き悲しみながらも、一国を統べる者として歩みを止めることはしなかった。



「その後のことはおまえも知っているだろう」

「……療養のために王城を離れていた王妃様が、実は身籠もっており、子を成し、万全を期したにも拘らずその末に命を落としたと…」

「そうだ。王は余を王と王妃の子として公表した。……ただの人形をな」



ポツリと呟いたカルロスの声は耳をすませていなければ聞き落としてしまいそうなほど、小さな声だった。



セシリアは言葉を紡げなかった。


何を言えというのだろう。


唯の公爵令嬢が、国を揺るがすほどの事実を知らされて。



けれど、


それでも、



セシリアは国母となる者。

国を統べる方の妻となり支えゆく者。



そう、セシリアはカルロスを支えゆく者なのだ。



だから、セシリアはその場を立つと静かにカルロスに近付いた。

そして、膝をつきカルロスの視線に合わせると静かな声で問いかけた。



「御手に触れてもよろしいですか?」

「……、何を考えている?」



カルロスが下げていた頭部を上げてセシリアを見つめると、セシリアは柔らかく瞳を細めた。



「殿下の御手に触れさせてほしいのです」

「……余は唯の人形だ。許可など必要ないであろう」

「殿下の御身に事情があったとして、それが何だと言うのです」

「何?」



不可解げに声を出すカルロスにセシリアは内心苦笑した。

どうやら、敬愛する殿下にも負い目を感じ不審を抱くこともあるのだと。


完全無欠だと思っていたカルロスの人形になってからの人間らしい態度の数々にセシリアは知らず知らずのうちに身の内に抱いていた硬さが解れていくような気分だった。



「例え殿下の生まれに負い目があろうとも、これまで培ってきた功績は全て殿下自信の手によるもの。そこに偽りなど存在しません」

「……」

「そんな殿下に敬意を表すのは当然のことではございませんか」

「セシリア…」



カルロスから呟かれた言葉は微かに震えていた。

セシリアはそれに気付かぬフリをして、ニコリと微笑んだ。



「王の血を継いでいるのならば、殿下は正真正銘この国の王太子。それを誰が咎められるというのです」



その笑みは令嬢らしからぬ笑みではあったが、カルロスの頑なさを解すには充分であった。


整えられた薔薇のような笑みではなく、陽の光を浴びて咲き誇る大輪の花のような笑み。


眩しいものでも見たかのようにその笑みから視線を逸らしたカルロスは尚も震える声で言葉を続けた。



「…おまえは、人形の妻となるのだぞ」

「私はカルロス殿下の妻となるのです」

「同じこと」

「いいえ、違います」



セシリアは初めてカルロスに対してキッパリと否を告げた。

その言葉にカルロスが視線をセシリアに戻すとセシリアは今度は瞳を柔らかく細めた笑みを浮かべた。



「私が嫁ぐのは、人形などではありません。貴族の娘として相応しくない嗜好を優しく受け入れてくださり、互いに長い間励まし合ってきたカルロス殿下、貴方です」

「…詭弁だ」



吐き捨てるように応えたカルロスにセシリアはクスクスと笑い出した。

国母になる者として、戒めを抱いて以来、とんと浮かべなくなった笑みばかり浮かぶことにセシリアはなんだか楽しくなってきていた。


その姿をカルロスが不満げに見つめてきた。

表情が変わらないはずなのに、カルロスの気持ちが伝わってくることもセシリアは楽しくて仕方がない。



「何を笑っている」

「失礼しました。まさか、殿下がこんなに卑屈になられるとは思ってもいませんでしたので」

「なんだと?」



カルロスが僅かに声を荒げたがセシリアは気にしなかった。

今までにないほどの近しい距離に居るカルロスとの時間が楽しくて、そして、その気持ちのまま先程から思っていた胸の内を告げた。



「殿下は人形であることに負い目を感じているようですが、今の殿下のほうが余程人間らしく見えます」

「何を…」

「私、殿下が喉を鳴らして笑う声も、私に対して不審感や不満を表す姿も、声を荒げる姿も初めて拝見しました」

「それは…、」

「嬉しいのです」

「は、」



言葉を紡げずにいるカルロスを気にすることなくセシリアは胸の内を告げると両手を己の胸に当て、身の内から湧き上がる感情を静かに見つめた。



「殿下が、私に真の姿を見せてくださることが。とても、とても嬉しいのです」

「……」



そして、セシリアは下町に暮らす娘のように片目をパチンと瞑るとカルロスに笑いかける。



「私達、もっと仲良くなれる気がしませんか?殿下」

「はっ、」



身動ぎ一つしなかったカルロスはセシリアの言葉に息が漏れるような声を上げると、すぐに片手を顔に当てて身体を大きく震わせた。

その姿に、些か調子に乗り過ぎたかとセシリアが焦りを覚え始めた頃、部屋中にカルロスの笑い声が響いた。



「はははっ!セシリア、全く、おまえという者は。なんという娘だ」



カルロスがこんな風に声を出して笑う姿も初めて見たセシリアは新鮮さに胸が高鳴ったが、我を忘れてはしゃぎ過ぎた己に遅れて羞恥が襲ってきたのも事実。

罰が悪そうに扇で顔を隠しだしたセシリアのその姿に更に笑い声を上げたカルロスは震える身体のままもう一つの手をセシリアに向けた。



「許す。余の手に触れるが良い。我が婚約者よ」



笑いを含んだその言葉にセシリアが扇から顔を出すと、変わらないはずの人形の表情が確かに笑っていた。

その姿に驚きを覚えるも、喜びの方が上回ったセシリアはカルロスの布でできた手を両手で柔らかく包んだ。



「殿下、私にお話してくださってありがとうございます」

「…おまえは余の妻になると言ったが、今の余はこの姿。人形に命を吹き込めるのは一度だけ。シェシーフの手に負えなければ、余の姿はこのままだ。それでもおまえは、余の妻になるというのか」

「勿論です」

何故(なにゆえ)



セシリアは近い将来、国母となるために研鑚を重ねてきた。

その為に己の感情をコントロールし、時間を費やして王妃教育も熟してきた。

貴族の令嬢として相応しくない嗜好も隠し、手を伸ばさずにしてきた。

それもこれも、国母となる為。

王太子のカルロスの妻となる為。



そう、思っていた。



けれど、違ったのだ。


セシリアが国母になりたかったのも、その為に努力を重ねてきたのも、全部、全部、







『セシリア嬢は蛇が好きなのか。では、今度珍しい蛇を飼育している施設へ共に行くか』

『……何も仰られないのですか?』

『何をだ?』

『貴族の娘が、まして、殿下の婚約者という身でありながら、蛇を好きなどと…』

『何か問題があるか?』

『……蛇は執念深く狡猾だと言われております。そのようなものを好んでいる者が殿下の御近くに居れば、良く思わない者も出てきましょう』

『くだらぬ。好きなものを好きと言って何が悪い。そのようなことを申す者など、どうせ程度が知れておる。セシリア嬢は気にせず好きなものを愛でれば良い。余が許すのだ。誰にも文句は言わせぬ』







公爵令嬢ではない、セシリアという自分を受け入れてくれたカルロスの隣りに自信を持って並びたかったからだ。




セシリアは気付いた身の内にある感情を大切に包み込むように一度だけ視線を伏せると、カルロスのサファイアの瞳を見つめて丁寧に想いを込めて言葉を紡いだ。




「カルロス殿下を、心からお慕いしているからです」

「!?」



セシリアが包んでいた片手ごと、カルロスの小さな身体が大きく跳ねると、それらを見計らったかのように扉を叩く音がした。



「セシリア様、そろそろ」

「今行くわ」

「ま、待て。セシリア、おまえ…」



セシリアが立ち上がり扉に向けて応えるとカルロスの慌てたような声がセシリアを止めた。

その姿は布であるはずの肌を赤く染め始め、どこかソワソワと忙しなげに震えている。

やはりとても芸達者だ。


セシリアはそんなカルロスにニコリと微笑むと両手をカルロスに向けて伸ばした。



「殿下。失礼いたします」

「な、何を!」



セシリアは両手をカルロスの小さな脇の下に入れるとそのまま胸に抱えるようにして、カルロスを抱き上げた。



「!?」

「ご安心ください、殿下。私が殿下を放ったままでいるはずがないに決まっているではありませんか」

「そうではない!この体勢はっ、いや、そうではなくっ、!この姿を他の者に見られる訳にはっ!」



珍しく言葉に焦りを見せるカルロスは真っ赤な顔をして小さな手足をバタバタと動かしている。

こんな姿も初めて見るなとセシリアは内心クスリと笑うと人差し指をカルロスの糸でできた口元に当てて小さな声で「しー…」と告げた。



「お静かに、殿下。私に貴方を守る栄誉をお与えください」



目線を合わせる為にカルロスを顔の前に持ち上げるとセシリアは小さな声で囁くように懇願した。

すると、赤く染まっていたはずの布がますます濃度を増し遂には全身を真っ赤に染めてしまうと、カルロスは項垂れたように頭部を下げ、小さな布の手で顔を覆った。



「……好きにしろ」

「はい」



蚊の鳴くような殿下の声に些か弾んだ声で返したセシリアは機嫌良く扉に向かうと何事もないように扉を外の兵に開かせた。


廊下に待たせていた護衛や侍女がセシリアの姿に頭を下げた後、セシリアの胸に抱えられている人形に首を傾げる。

しかし、自分から仕える主人に声をかけることもできずに只々脳内で疑問符を浮かべていると、部屋を守っていた城の衛兵がセシリアに問いかけた。



「失礼ですがセシリア様。カルロス殿下とシェシーフ殿はどちらに」

「殿下ならシェシーフに連れて行かれたわ。暫く殿下と共に向かいたい場所があると。その間、婚約者の私にはこの人形で我慢しろと言うのよ。全く、あの者にも困ったものね」



セシリアが示した視線の先には何故か肌を赤い布で作られた金の髪の人形がセシリアの細い腕に抱かれていた。


神出鬼没なシェシーフが扉を使わずに移動することが可能なのは誰もが知っている事実であり、また、王も許可しているため、部屋から忽然と姿を消しても誰も違和感を覚えなかった。

しかし、殿下の突然の不在となると話は変わってくる。

今後の予定や変更すべき事柄、確認すべき公務、それら全てが停滞してしまうため、衛兵は急ぎ判断を仰ぎに城内を走った。


その姿を見届けることもなくセシリアが共を連れて歩き出すと、セシリアのいつもとは違う柔らかい雰囲気に押されて侍女が思わず声をかけた。



「セシリア様、嬉しそうですね」

「あら、おまえから話しかけてくるなんて珍しいわね」

「し、失礼いたしました」

「いいわ。今の私はとても気分が良いから」



淑女の鑑とも呼ばれているセシリアがこんなにも態度に感情を表しているのは珍しい。

益々何があったのだろうかと首を傾げる面々に面白そうに視線を向けると、セシリアは腕の中に抱えた人形に僅かに頬擦りした。



「愛する方にそっくりの人形をこのまま部屋に持ち帰れるのよ。嬉しくないわけがないでしょう?」



セシリアらしからぬ行動とその姿に衝撃を受けた面々は気付かなかった。

セシリアの腕の中で抱えられていた人形の肌の色が更に赤さを増して僅かに頭部を動かしたことに。











次の日。


セシリアとカルロスは、セシリアの部屋でシェシーフと対面していた。

シェシーフは不貞腐れたような表情で機嫌の良さそうなセシリアとグッタリとしたカルロスを見比べると、行儀悪く舌を打って肘掛けに頬杖をついた。



「で?俺様が悪戦苦闘しながら必死こいて働いてる間、あんたらはイチャコラしあってたって?」

「下品な物言いはやめなさい、シェシーフ。婚約者同士、交流を深めていただけです」

「物は言いようだなぁ、姫さん。密室に男を連れ込んで、湯浴みを済ませた姿で一緒に寝台に入ることが乳繰り合いじゃなくてなんだってんだ」

「シェシーフ!!!」



歯に衣着せずに告げたシェシーフの言葉に強く反応を示したのはカルロスだった。

肌を真っ赤に染め、サファイアのように鮮やかに輝く瞳を微かに潤わせる姿はまるで手籠にされた小娘のようだ。

そんな乙女な王子の姿をシェシーフは横目で睨むと未だ何でもないことのように茶を飲むセシリアをジロリと睨みつけた。



「犯人をとっ捕まえて、薬の効力を調べあげて、急いで王子の元に飛んだら、すっかり王子は人間の姿に戻ってるし、スヤスヤと仲良く寝台で寝こけてるし。あの時ほど国に仕えるのを辞めようと思ったことはないね、俺は」



そう。

セシリアがカルロスとの時間を楽しみ、無理矢理カルロスを寝台に連れ込んだ結果、朝目が覚めたらカルロスはすっかり見目麗しい人間の姿に戻っていたのだ。


どうやら薬の効き目は半日程度。

完全無欠と謳われるカルロス殿下の弱みを握りたい者の逆恨みによる犯行だった。


その程度のことだと知らずにいたセシリアとカルロスは、朝一番に互いの姿に硬直した。

流石にセシリアも婚姻前の身でありながら、人間の姿の殿下と褥を共にしたことに羞恥で焼け焦がれそうだったが、持ち前の感情コントロールでシェシーフの前ではどうにか体裁を保てていた。


殿下の前では駄目だったが。

2人して真っ赤になり、無様に狼狽え、喚いて、終いには互いに苦笑をこぼしあったが、それは2人だけの秘密である。


そして、一度様子を見に来たらしいシェシーフが呆れて戻ったことなど知らない2人が、急ぎシェシーフを呼び出し、今の現状となったわけである。



シェシーフの物言いにカルロスは咳払いをすると仕切り直すように表情を改めた。



「それはならぬ。此度のことも、おまえがいたからこそ早期解決に繋がったのだ。おまえが犯行に及んだ者の口を閉ざしてくれたからこそ、余の姿が周知されることはなかった。感謝している。王からも相応の褒賞が贈られるはずだ」

「へーへー。まぁ、何事もなけりゃいいよ、俺は。王子と姫さんが更に仲良くなってイチャコラしまくれば王家も安泰だろ」

「シェシーフ!だからおまえはっ、もう少し言葉を選べぬのか!」

「へっ」



投げやりに吐き出したシェシーフは用は済んだとばかりに徐に立ち上がると、両手を上げて伸びをした。

そして、「ンじゃっ、」と言葉を続けるとカルロスに向かって片手を伸ばす。



「そろそろ城に戻るか、王子。姿が戻った以上、このままここにいる訳にもいかねぇだろ」

「あぁ、そうだな」

「お待ちください」



カルロスがシェシーフの手を取る為、立ち上がると、それを制するようにセシリアが声を上げた。

そして真っ直ぐにシェシーフを見つめると真剣味を帯びた声音で問いかけた。



「シェシーフ、おまえに聞きたいことがあります」

「なんだ?」



セシリアの緊迫とした表情にシェシーフが訝しげに答えると、セシリアは表情を変えぬまま告げた。



「私と殿下は、子を持つことは可能ですか?」

「!」



セシリアの問いにカルロスが驚愕を顕にすると、シェシーフは気の抜けたような表情で片手を振った。



「問題ねぇよ。元が元とはいえ、もう王子はしっかり人間として生まれ直してる。臓器も機能も何もかも問題ねぇ。それは王子本人が痛感してんじゃねぇか?」

「シェシーフ!!!!」

「しかし、前王のこともあります」

「それは例え俺様でもわかりかねるな。分野が違う。今の医学じゃ種の有無を調べる方法もねぇしな。心配なら取り敢えず数打ちゃいいんじゃねぇの?どれかは当たんだろ」

「シェシーフ!!いい加減にせぬか!!」



シェシーフの歯に衣着せぬ物言いに肌を真っ赤に染めて目を吊り上げるカルロスの姿もまた、セシリアにとっては新鮮だった。

そんな姿を堪能しながらセシリアは扇で顔を隠すとカルロスに向き合う。



「殿下、大事なことです」

「セシリア!それは分かるが、おまえもどうしたと言うのだ!このようなシェシーフの物言いを許すおまえではないだろう!?」



必死になって言い募るカルロスの姿に微かに瞳を細めるとセシリアは僅かに頬を染めて視線を伏せた。



「そのようなことが気にならぬほど、貴方と子を成すことができるという事実が嬉しいのです」

「っ!?」

「殿下は、そうではないのですか?…私との子を、望んではくださらないのですか?」



セシリアが羞恥に耐えて、胸の内の不安を告げると「グッ、」と変わった音を立てたカルロスはワナワナと震えだした。

そして、何かを払うように強く頭を振ると、口元を手で覆いながら揺れる瞳でセシリアを見返した。



「……そ、んな訳ないだろう。…余、とて、おまえとの子を…望んで、おる」



些か震えが混じるカルロスの声音にセシリアも嬉しそうに微笑む。

そんな2人の姿を呆れたようにヤレヤレと見遣っていたシェシーフだったが、その瞳はどこか嬉しそうに細められていた。






そして、数年後。


眉目秀麗、文武両道、清廉潔白。

正に完全無欠といえるカルロス王子が即位してすぐに、セシリア王妃が身籠ったことが公表された。


賢王であるカルロスを常に支え続けたセシリア王妃との間に産まれた御子は、カルロス王に瓜二つの姿をしており、彼もまた、国を守る素晴らしき王として歴史に刻まれたのだった。







おしまい。











真の姿と聞いて真っ先に思い浮かんだものの、話にするのは難しいとボツにしたネタが何故か最終日に思いついてしまったため、駆け足で滑り込んでみました。

すなぎもりこ先生、素敵な企画をありがとうございます・:*+.

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[良い点] あー好きです! やっぱり好きですね。ゆーくさんのお話… 巡り会えて良かった(´;ω;`) 王子が人形とは!出だしから引き込まれ、セシリアの口調に胸を鷲掴みにされました。 なんと、哀しくや…
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