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或る騎士の物語  作者: アリス
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作戦会議

「お腹すいたでしょ」とローズが言った。「お昼ご飯を用意したわ」

テーブルの上にあったのは、たくさんの蒸しパンだった。ラーノットとアルヴァは、中に入った八人に蒸しパンを渡した。外にいるサーチェルを合わせた七十一人にもいきわたるように渡していく。蒸しパンはニ個余った。

「一個、アルトに持っていってくれない」とローズは、アルヴァに蒸しパンを渡した。

アルヴァの後から、階段を上がるラーノット。 

扉を開けると、アルトは、呪文を唱えていた。邪魔にならないように、呪文が終わるまで待つラーノットとアルヴァ。

しばらくして、

「終わりました」とアルトが言った。「どうしたんですか?」

アルヴァは、

「蒸しパン持って来た」と言った。「お昼ご飯にしよう」

蒸しパンを食べ始めるラーノット達三人。しばらく無言でむさぼるように食べる。

「相変わらずローズは、料理上手ね」

食べ終わると、ラーノットが感想を言った。

「姉さんが聞いたら喜ぶよ」とアルヴァ。そして、アルトの方に向き直った。

「ところで、アルト、相談があるんだけど。悪魔の王との談判が失敗した。このままだと、三十万の悪魔がやってくる。どうしたらいい?」

アルトは、顔を上げた。

「そうですね。ここに護りと悪魔の王の行方が分かるように魔法をかけておきました。水晶を見てください」

水晶を見に行くアルヴァとラーノット。

悪魔の王が映っている。

「これで、魔獣の王の寝床が分かります」アルトは、水晶をラーノットに渡す。

「壊さないでくださいね」 


「すごいな、アルト」

「助かったわ」

感嘆するアルヴァとラーノット。

「サーチェルにも連絡しなきゃ。私も行ってくるわ」

とラーノットが階段を降りようとする。

「待って」

アルヴァの声に振り返るラーノット。

「紅玉を持って行って。ヴェルディスの海戦を勝利に導いたんだ。これがあれば、安心だ」

ラーノットは、アルヴァから紅玉を貰う。

「気をつけて、ラーノット長官」

アルトはそう言うと、

「魔術の街の方にも悪魔が拾万くらい向かっているみたいなので、師匠に行って欲しいんですが」とアルヴァに頼んだ。

「さすがだな。行ってくる。アルトも少し休んで。昨日遅かっただろ」

「朝寝てたから、三時間経ってたら寝ます」

魔術の本を取り出すアルト。

そして、魔術構築を始める。

「見張り台は任せてください。誰一人通しません」

「頼もしいわね。よろしくね」

そう言って階段を降りるラーノット。その後をアルヴァが追う。

見張り台を出てサーチェルに水晶を渡すラーノット。サーチェルは、フードのポケットに入れる。

「では、出かけよう。お互い健闘を祈って」

アルヴァは、そう言って魔術の街へと向かった。

「私達も出かけましょう。東二十キロね」

ラーノット騎士団は、悪魔の王の追跡を始めた。





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