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或る騎士の物語  作者: アリス
3/20

魔術師アルト

見張り台に向かうラーノット達。

ラーノットの後に続く魔術師達。

夜が来た。

見張り台の道のりは遠いので、野宿する事にした。

夕食は、シチュー。灯りをともし、四人でバディを組んで夕飯を作る。皆慣れた手つきで夕食を作る。出来上がると、パンと一緒にかきこむように食べた。

「さあ、皆ここで眠るよ」

寝袋を持って来たので、おもいおもい平な場所に準備する。寝袋に横になると、ラーノット騎士団は眠りに入った。

次の日は早い。六時に起きて、マフィンを昨日の残りとともに食べる。

朝食後、ラーノット一行は、再び見張り台に向かった。


見張り台に着いたのは、お昼過ぎた頃だった。

「こんにちは」

ラーノットは、扉を叩いて挨拶する。

「はあい」

と言って出て来たのは、赤髪で、淡褐色の目のローズだった。

「お久しぶり」とラーノット。「アルトに会いたいんだけど」

「アルトね。ちょっと待って」とローズは、中に戻る。

しばらくして、ローズが顔を覗かせた。

「起こしてきたわ。魔術構築で、昨日遅かったみたいなの。皆全部は、入れないから、ラーノットだけ入って」とローズが言った。確かに騎士団は、八十人いる。

「ルミナリー、後はよろしく」

「分かった」

ラーノットは、騎士団をルミナリーに託した。

階段を上り、二階に行くと、アルトはそこにいた。

アルトは、小柄でかわいい顔をしていた。年齢は、十五才くらい。金髪で青い目の美少年だった。

「ラーノットさんですね」

ローズが、紹介してくれていたらしい。

ラーノットとアルトが握手をする。

部屋は、本がいっぱいあるが、整頓されていた。

「あなたの力が必要なんです」とラーノットが頼んだ。「悪魔討伐のため、一緒についてきてくれませんか」

アルトが、渋い顔をした。

「僕は、魔術に関しては、誰にも負けないという自負がありますが、外に出たことはほとんどありません。それに、ローズさん1人じゃ心配ですし」

「あなたは、魔法の構築の法則性について調べていると聞きました。新たな魔術定理と魔術理学を生み出すことも。代わりに、新しい魔術を教えてくださいませんか?」

とラーノットが、頼んだ。

「いいですよ」

そう言うと、アルトは、呪文を唱えた。

ラーノットには、何を言っているのか分からない。

しばらく呪文を唱えていたアルトが、

「終わりました」と言ったと同時に、アルトは顔をしかめ、

「悪魔の王だ。千の魔術で、護らなければ」

そう言ってまた新たな魔術を構築した。スペクタクルが現れる。今度の魔術は、短かった。

「魔術よ、護れ」

そう言うと、アルトが、ラーノットに向き直った。

「これで、こことラーノットさんに護りの魔法がかかりました。悪魔の王と直接対談しても大丈夫でしょう」

「ありがとう」

ラーノットは、お礼を言った。

「はい」

アルトは、はにかんだ。

階段を降りると、一階には、ローズがいて、

「もう終わった?アルトが護りの魔法をかけてくれて、助かったわ。悪魔の王が、来てるわ。がんばって」と言った。

「うん。行ってきます」

ラーノットは、見張り台を出た。

騎士団の前にいたのは、羽がある魔獣の王だった。

「これは、これは、王女自らやってくるとは」

と魔獣の王が言った。

「私は騎士団長です」とラーノットが訂正した。「討論したいことがあるのですが」

「いいですよ、喜んで」

悪魔の王は、にやりと笑った。

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