表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お兄ちゃんの側には私がいるからそれでいいよね? 正ヒロインになりたい妹の努力と執念の日々!  作者: にとろ
一年生二学期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

171/179

OSのアップデート

「あー使いにくい」


 そうぼやくのは睡ではなく俺だ。そう、何を隠そうiOSのアップデートだ。


 大型アップデートにつきもののUI変更に少々戸惑っている。睡はAndroidメインなのでそれほど困ることがないだろう、しかし……iPhoneユーザにとっては切実な問題なのだ。


 俺はその晩、夜遅くまで新型UIの操作を調べつくしていた。


 そして翌日、当然のことだが寝不足だった。


「ふぁ……」


「お兄ちゃん? 寝不足ですか?」


「ん……あぁ……スマホのアップデートを適用してたんだよ」


「ああ……そういえば今朝スマホを見た時に賛否両論のニュースがありましたね」


 そう、決していい評判ばかりが聞こえてきたわけでもない。一通りのゲームの動作確認はしたし、これといって起動しないほどの致命的なバグを含んだアプリは無かった。


「お兄ちゃんもなかなか面倒なOSを使ってますねえ……素直にAndroidに移行したらどうです?」


「って言ってもなあ……AndroidアプリはWindowsで動くようになるし、わざわざスマホを変える気にもならないんだよなあ」


「お兄ちゃんは拘りがないですねえ……」


「拘りって良い意味じゃないってものの本に書いてあったぞ?」


「そう言うところが細かいって言ってるんですよ」


 他愛ないやりとりをしながら今日の朝食とコーヒーを用意する。ゴリゴリと音を立てながら豆が挽かれていく。俺はスマートスピーカーからコーヒーメーカーを操作できれば便利だろうななどと思う。


 ドリップが進む中、最近のコーヒー豆は決まりきったものを使ってるなと思った。たまには違うものも試してみようかな、などと考えているうちに水のタンクが空になったようだ。


 マグに注いで睡と二人で飲むことにする。砂糖を二つ、いつもの通りに睡の方に差し出す。


「で、使い心地はどうでしたか? 早速使ったんですよね?」


「ああ、それほど変化はなかったな、アドレスバーの位置が変わったのが一番大きい変更かな」


 今までのものの方が良かったというのは簡単だ。しかし現状維持は進歩がないことを意味する。どうしたってある程度の変化は必要なのだ。……まあ……ときどきWindows8のような誰も望んでいないような変更もあることはあるのだが……


「ちなみに不具合は出ましたか? 私としてはバージョンが上がる度に動かなくなるゲームが出るOSは使わないのですが」


「問題無いな。まあ大概不具合も出ることは多いが今回はそれほど大規模な変更はなかったみたいだ」


「そうですか、それは何より。お兄ちゃんとのマルチプレイに支障が出てはいけませんからね」


 マジでOSをアップデートしたら動かなくなるのは勘弁して欲しい。そのせいでログボを逃したことさえあるぞ。


「ところで睡、お前のスマホはアプデで不具合が出たりしないのか?」


「んー……ありますよ? 大抵サブ用の機種でアプデを当てて無事っぽかったらメインにも入れるって感じですかね」


「用心深いことで」


「お兄ちゃん、一つ聞きたいんですけど……?」


「なんだ?」


「iPhone余ってたりしませんかね……? 図々しいとは思うのですが興味はあるんですよね」


 睡は申し訳なさそうに聞いてくる。まあ安いもんじゃないから当然か。


「SEの初代でよければ一台あるぞ」


「マジですか!?」


「ああ、その代わりと言ってはなんだが……今晩は肉が大量に食べたい気分なんだが……」


 睡はニヤリとして俺の手を取った。


「よろしい、交渉成立ですね!」


 そうして俺は机の肥やしになっていたSEの処分に成功したのだった。なお、当然だがバッテリーは実用的とは言いがたいほどに消耗していたのだがそれについては黙っておいた。


 ――妹の部屋


「ん~……お兄ちゃんのお下がり……良いですねえ」


 これ自体は型落ちと言っていい機種ですが、お兄ちゃんが私にくれたというだけで何よりも大事な物になってしまいます。


 こんな事だから私の部屋はお兄ちゃんのグッズで一杯になるんですよねえ……


 私はお兄ちゃんとの思い出の全てを眺めながら眠りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑面白かったと思った方は上の☆から評価を入れていただけると大変励みになります
 強制ではありませんしつまらないと思ったら☆1を入れていただいても構いません
 この小説で思うところがあった方は評価していただけると作者が喜びます
 現在のところ更新頻度も高いのでそれを維持するモチベとしてブックマークには日々感謝しております!
 更新を追いたい方はブックマークしていただけるととても嬉しいです!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ