明日と反応、第四部
驚かせるね。そう、この小説はまだ終わってない。誰一人が読まなくても不思議じゃないとしても、趣味として書き続ける。
なぜ進歩がそんなに遅いかと考えてる人へ、理由が簡単。大学に関してはますます忙しくなった。卒業して仕事を始めたら多分もっと忙しくなって、書くのを止めるかも。
この小説に存在している人は名前について現実の人間とは関係がない。現実にそのような名前を持つ人がいるなら知らなかった。
高知県高知市
『ビビビビ!ビビビビ!ビビビビ!ビビビビ!ビッ』
消した!
...まずいな、やってしまった。
私、木原勇四郎、昨日久しぶりにゲームをしたが、やはり8時間はやりすぎですね。
おかげで今はすごく眠い。マジで後悔している。
しかしそれは良く睡眠を取れなかった理由の一つだけです。実は二つがあった。そしてその二つ目の理由の方が大きかった。
寝る前にあの手紙を読もうと思って、読んだ後ショックを受けた。
『第一回全日本少年スポーツ競争大会』というスポーツ大会へのまさかの招待をくれた。
『信じられない!』と反応したが、フェイクの案内じゃなかったと分かって、結局信じるようになった。
衝撃のような驚き、それと心臓の動きのせいであまり寝れなかった。
まあ、喜ばしいんだが、超眠いので今喜びたいほど喜べない。ちくしょう
さあ、いつも通りに浴室にシャワーを浴びに行って、きちんとシャワーを浴びて、青い制服を着た。
他にやれることはなかったね。
朝食を食べに行きながらも招待について考えていた。
競走、ハードル競走、20km競歩...招待されたための分野は全部陸上系。私は学校のスポーツ大会で陸上のイベントに参加したことがあるが、これが招待の理由か?
まあ、あの際はいい結果を出したが、それだけであんな重大な大会に?
招待されて嬉しいのは事実ですが、なんか奇妙な側面もあると気がする。大丈夫かな。
「おはよう、勇四郎」
「おはよう」
親が既に食堂にいてテーブルに座っていたので先に声をかけた。私は遅かったようだった。
「おはよう、父さん、母さん」
「その声、眠いよな」
聞くだけで分かった。自分が元気だと聞こえらせようとしたのに。
さすが父さん、簡単に騙されない。
「そうです。悪かったね、昨日のこと」
「教訓として同じことを繰り返さない限り、OKです」
「二度とそれほどしすぎない」
しかし、きっかけは父さんの言うことじゃなく、自分の経験による決断だ。
だが理解に基づいている緩やかな観点がありがたい。
「なら、OKです。それで朝食を始めようか」
既に朝食がテーブルに置かれておいていた。いつもの頭に良い食べ物と飲み物。
これでスポーツの話を始めようと思った。
「朝食の他に別のことも始めようか?」
「ん?何のこと?」
「昨日知ったことがあるんだ」
「そうか?教えてくださいね」
今すぐ教えて上げるよ、母さん。
「奇妙ですが、『第一回全日本少年スポーツ競争大会』という名のスポーツ大会に招待された」
待った、それは早くない?大会自体のことを知っているのか?
「ところで、その大会、聞いたことあるの?」
両親がかなり驚きながら首を横に振った。
「いいえ、聞いたことがない」
「私も同じです。しかし、関係あるの?」
関係?
「母さん、どういう意味ですか?」
それから父さんも母さんも共に立ち上がって、私に近づいた。
「何しに?」と思っていたが、すぐ触覚で分かった。
私を抱きしめていた。
「聞いたことがなくても、重大なものだと分かるよ」
「そうよ。分かっているので嬉しい気持ちを伝えたいよ」
「勇四郎が大したイベントに招待されて本当に嬉しい。おめでとう」
「おめでとう、勇四郎。帰ると祝いましょう」
次に暖かい感じを感じた。なんか急なんだが、とても気持ちいい。
しかし一つ気になることもあった。
「そのイベントを今まで知らなかったのに、どうして?」
「どうして?答えは簡単よ。素晴らしいことが出来たので」
「その通り。偉いこと出来てくれたら勇四郎のために無条件に喜ぶ」
「知っていたかどうかは全く関係ない」
「それだけです」
そうか...
父さんも母さんも少しでも躊躇なく答えた。
いつも理由と背景の情報を調べて理解しようとする私と違うなぁ。
愛は、調べと研究から遠いな。
「とりあえず、ありがとう」
「いいえ、私たちこそ感謝している」
「いつでも君という誇りを持たせているので」
だが、変だな。言うまでもなく、家族が大好きだし、時間をよく一緒に過ごそうとしているし、永久に親しい関係を保つつもりだが、なぜかここまで体で近くなると親ほど感情を現せない。
他人から感情を感じ取れても、自分で強い感情を現せない。
それは私だけの問題なのか?そこまで他の人とは違うか?すごく気になるので。
後の方、絶対に宗さんと相談しなければならない。宗さんなら答えれるはずだ。
「さて、聞かせてくれ。あそこで何をする?」
「競走、ハードル競走、20km競歩という分野で競争するつもりで招待された」
「ああ、すごい!すごくカッコいい!」
あ、久しぶりに母さんが結構熱くなった。
「ええ、同意見だ。オリンピックを見ると、いつもその辺の分野に注目している」
でしょう?父さんはセンスが良いね。
「勇四郎、頑張るんでしょう」
「はい、頑張る」
自分のためにも、両親のためにも。
良く考えると、スポーツイベントは誰かのために頑張る機会として最適だ。それに、大会が大きければ大きいほどいい。
はい、頑張る
「よし、これが私の勇四郎だ」
「そうね」
「ハハッ、褒めてくれてありがとう」
「褒めて当然。本当に値するので」
「ですよね」
みんな一緒に笑っていた。一番輝いている笑顔を見せていた。この今の幸せを胸に記す。
今のような短い間の嬉しい瞬間をたくさん胸に記したら、いつでもいいことを思い出せる。
「あのね、勇四郎、いつ帰ってくる?」
「フーン、5時半くらいかな。どうして?」
「今度、特に美味しいものを作って上げたいので」
そうか?良いニュースだね、絶対楽しみにしている。
「いいね、私も交通渋滞じゃない限り、その時点で帰る」
父さんも同じことを考ていえるね、また素晴らしい日になるようだ。
「待っているよ、二人とも」
「私もな」
マジで素敵な日だ。
「さてと、これで朝食を始めようか?」
同意している。みんなで話すのがすごく楽しいが、朝食を長く置いておくのも良くない。
「はい、食べましょう」
さて、朝食を食べた後に歯を磨いて、靴を履いて、家から出た。
「行って来ます」
「またなー、勇四郎!」
それで学校へ立ち去った。今回は家から出るまで時間が普段よりたくさんかかったのでバスに乗るしかなかった。天気が今日も良くて歩きたかったのに。まあ、教訓として二度と今日みたいに遅れないようにする。
20分後、校門に着いた。
『高知県立一方高』
校庭に入って、いつも通り誰にも挨拶されなかった。
今日特別な情報を持っているのに、他の学生が興味を持っていないのでここにいる誰かに伝わるわけがない。
まあ、別に自分を宣伝するつもりはないので、秘密でいい。どうせ大会の開催に東京に着いた時、気づきの迫力が余程大きくなるでしょう。
ベルが鳴るのを待ってて、その後教室に行った。
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後ほど、授業が終わる前に、採点された昨日の試験をもらった。
実はもらったのは私だけだった。満点なので採点が迅速だと先生に言われ、同級生より早くもらった。
それ故に同級生が羨望に満ちた目で私をじろじろ見た。好意を少しでも感じていなかった。
満点を取って喜ぶはずだったが、結局こんな過激な成功が損になって私を他の人と違うものにする。それで部外者になる。
私を大抵無視して、全く付き合う気がない人と友達になりたいという考えを止めた方がいいと知っているが、毎日数時間の完全孤独は疲れる。
将来普通の人とどう交友関係を築く?宗さんを含めて今まで友達だった5人はみんな頭がとても良かったギフテッドだった。その5人の友達がいたことに感謝しているが、普通の人に関しては寂しいである限り、教わらない。
今日は別の質問もあるので時間が多分足りないが、これについてもいつか宗さんに聞かなければならない。
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授業が終わった後、いつも通り宗さんのところに行った。
その大学へ向かっていたところ、大学に至る道にあったベンチに座っていた宗さんと会った。
「あ、宗さん?こんにちは、ここで待っていましたのか?」
「こんにちは、木原くん。そうです、一緒に歩きながら話すために、ここで待っていた」
次に、宗さんが立ち上がって、薄い笑顔を浮かべて私の方を見た。
「とりあえず、行こうか?いつものカフェテリアに」
丁寧に頷いた。
「はい、付いてきます」
それからあそこまで喋って歩いていた。
「ねえ木原くん、今度はチェスの代わりに将棋をしましょうか?面白くなるだろう」
あれ?予想していなかった提案だな。それに、私はチェスの方がかなり上手なので、将棋でチェスより早く宗さんに負けるでしょう。
「面白くなるでしょうね、確かに。今回はそうしましょう、宗さん」
でも別に断る理由はない。慣れていないものに触れることが結局研究者の意志。
「いいね。ちなみに、気分はどう?」
「いいです。宗さんは?」
「私も結構気分が良い」
宗さんも私のように特別な理由があるかな。
ま、キャンパスのドアに着いたので、カフェテリアに座ってから詳しくお互いに聞かせてもらう。
「中に入りましょう」
「はい」
次にカフェテリアに行って人がいないテーブルに座った。
「どうぞ」
宗さんが将棋セットを出した。
わくわくしている。
テーブルの上に将棋盤を置いた。それと駒。チェスと違って、両方が一色。
チェスって、明らかに二つの陣営の対決。将棋は、一色なので相手がもっと平等に見える。個人的にどちらもすごく興味深い対決の方法です。
宗さんと私は今知識や学力に関しては平等じゃないんですが、時間が経てば経つほど平等になると確信している。勿論宗さんを尊敬しているが、いつか彼の知能を超える意欲がある。
将棋盤には81つのフィールドと四つの辺がある四角です。その四つの辺の中では二つが平行。だから二つの側が『一』から『九』の文字で名称をつけられて、他の二つの側が『1』から『9』の数字で名称をつけられている。それで全ての縦横が名称がつけられている。
それと駒には文字の側に割り当てられている。開始の位置で『四』から『六』までの列に駒が並べられていない。『三』と『七』の列には歩兵のみが並べられて、『二』と『八』の列に『2』と『8』のフィールドだけに斜めに飛車と角行が並べられている。
全ての駒を並べて、宗さんが先手をした。これで話が始まった。
>宗さんの番、歩兵『七9』から『六9』へ
「さあ木原くん、話をどう始めようか。まず最新の科学ニュースで?それとも別の話題で?君が選べ」
両親以外、私のことを聞く気があるのは宗さんしかいない。あれを伝える機会があるだけに感謝している。
>私の番、金将『一4』から『二3』へ
>宗さんの番、銀将『九7』から『八7』へ
>私の番、歩兵『三3』から『四3』へ
「まずは科学ニュースでお願いいたします」
>宗さんの番、金将『九6』から『八6』へ
「いいね、木原くん。で、面白い情報があるの?」
>私の番、金将『二3』から『二4』へ
「ごめん、昨日は怠けていたのでありません」
時間がなかったと言っていたら噓なので。
>宗さんの番、歩兵『七5』から『六5』へ
「たく、なんだよ、私はたった君の先生みたい。いつも木原くんに新しい情報を教えてくれる」
>私の番、金将『二4』から『一4』へ
「フフッ、悪いね。でも、宗さんがいい先生です。話を良く伝えているし、いつでもすごい面白い話をしている」
>宗さんの番、王将『九5』から『八5』へ
「ハーーー、そうか?そんなに私の声を聞きたいか?」
>私の番、王将『一5』から『二4』へ
>宗さんの番、王将『八5』から『七5』へ
宗さんも笑いを浮かべた。
>私の番、歩兵『三1』から『四1』へ
「フフッ、そうよ。いい響きですな」
>宗さんの番、歩兵『七4』から『六4』へ
「嬉しいね、木原くん」
>私の番、王将『二4』から『二3』へ
>宗さんの番、金将『九4』から『八4』へ
>私の番、歩兵『三2』から『四2』へ
一緒に笑える人がいるのが最高じゃないか。
>宗さんの番、金将『八4』から『七4』へ
「いいだろう。話題が動物です、種族の名は『ガラスカエル』」
>私の番、王将『二3』から『三2』へ
「ガラスカエル?」
>宗さんの番、歩兵『七3』から『六3』へ
>私の番、歩兵『四1』から『五1』へ
聞いたことがない。
>宗さんの番、桂馬『九2』から『七3』へ
「中南米に生息する夜行性のカエル。ヤドクガエル科に属していない」
>私の番、金将『一6』から『二5』へ
>宗さんの番、銀将『九3』から『八3』へ
>私の番、銀将『一7』から『二6』へ
そうだったか。
>宗さんの番、歩兵『七6』から『六6』へ
「そのカエルについて最近とても興味深い事実が発見された」
>私の番、銀将『二6』から『一5』へ
「興味深いなら聞き耳を立てます」
>宗さんの番、金将『八6』から『七6』へ
>私の番、銀将『一5』から『二4』へ
「元々体が半透明になれる動物ですが、ついにどう半透明になるかが分かりました」
>宗さんの番、歩兵『七7』から『六7』へ
>私の番、銀将『一3』から『二3』へ
「フーン、確かに興味深い。で、何が分かりました?」
>宗さんの番、歩兵『七8』から『六8』へ
>私の番、歩兵『三4』から『四4』へ
>宗さんの番、銀将『八7』から『七7』へ
「睡眠の間中、赤血球を肝臓の中に溜めている。それで完全に透明になっていないが、ジャングルでいっぱいある一葉の中では見つけるのが非常に難しい」
>私の番、金将『二5』から『三4』へ
>宗さんの番、角行『八8』から『七9』へ
>私の番、歩兵『三9』から『四9』へ
「素晴らしいニュースですよね、宗さん。赤血球を肝臓の中に溜めるって、すごいね。全部ですか?」
>宗さんの番、角行『七9』から『八8』へ
>私の番、歩兵『三7』から『四7』へ
「いいえ、最大89%しか出来ない。でも89%だって大変印象的だね」
>宗さんの番、銀将『七7』から『八6』へ
>私の番、銀将『二3』から『三3』へ
「確かに。宗さん、本当に興味深かった。情報を語ってくれてありがとう」
>宗さんの番、角行『八8』から『九7』へ
>私の番、金将『一4』から『二3』へ
>宗さんの番、歩兵『七2』から『六2』へ
「その次も結構面白くて貴重だよ」
>私の番、歩兵『三8』から『四8』へ
「その次?」
>宗さんの番、銀将『八3』から『七2』へ
「先を考えて。これを研究し続け血栓や梗塞を防ぐ新たな治療を発見するかもしれない」
>私の番、歩兵『四8』から『五8』へ
>宗さんの番、歩兵『六8』から『五8』へ、私の歩兵が取られた
>私の番、飛車『二8』から『五8』へ、宗さんの歩兵を取った
それを言いながら顔つきがすごく熱心だった。
科学のためにも人間のためにも良い進歩になるので。
>宗さんの番、持ち駒、私の取られた歩兵を『八8』へ
>私の番、桂馬『一8』から『三7』へ
>宗さんの番、銀将『八6』から『七7』へ
>私の番、持ち駒、宗さんの取られた歩兵を『六8』へ
「発見されるといいね」
>宗さんの番、銀将『七7』から『八6』へ
>私の番、歩兵『六8』から『七8』へ、そして成駒、歩兵がと金に
>宗さんの番、歩兵『八8』から『七8』へ、私のと金が取られ歩兵に戻る
「いつか発見されると確信しているが、私も早いうちに発見されることを願っている」
>私の番、飛車『五8』から『七8』へ、宗さんの歩兵を取り、成駒で飛車が竜王に
>宗さんの番、持ち駒、私の取られた歩兵を『八8』へ
>私の番、竜王『七8』から『八7』へ
>宗さんの番、飛車『八2』から『八5』へ
優しい心を持っているよね、宗さん。
>私の番、竜王『八7』から『九8』へ、宗さんの桂馬を取った
>宗さんの番、飛車『八5』から『九5』へ
「それより、発見された時大手製薬会社の既得権益のために世界の人々に手に入れないようにされないように願っている」
>私の番、竜王『九8』から『九9』へ、宗さんの香車を取った
>宗さんの番、歩兵『八8』から『七8』へ
今しばらく熱心だったが、その顔つきがもう変わってしまった。
>私の番、持ち駒、宗さんの取られた香車を『八7』へ
>宗さんの番、歩兵『七1』から『六1』へ
「だが、そうにはならないだろう」
>私の番、香車『八7』から『九7』へ、宗さんの角行を取り、成駒で香車が成香に
>宗さんの番、歩兵『六1』から『五1』へ、私の歩兵が取られた
>私の番、成香『九7』から『九8』へ
>宗さんの番、歩兵『五1』から『四1』へ
悲しい現実を思い出したらこうなるね。
>私の番、桂馬『三7』から『五8』へ
>宗さんの番、歩兵『四1』から『三1』へ、そして成駒、歩兵がと金に、それと王手
>私の番、香車『一1』から『三1』へ、宗さんのと金を取り、と金が歩兵に戻る
>宗さんの番、持ち駒、私の取られた歩兵を『四1』へ
「癌治療も既に存在している」
>私の番、香車『三1』から『四1』へ、宗さんの歩兵を取った
>宗さんの番、香車『九1』から『四1』へ、私の香車が取られた
ファクトであるように真剣に発言した。
>私の番、王将『三2』から『四1』へ、宗さんの香車を取った
「ほ...本当ですか?」
>宗さんの番、持ち駒、私の取られた香車を『六1』へ、それと王手
>私の番、持ち駒、宗さんの取られた歩兵を『五1』へ
じっと私の目を見つめた。
「ああ、本当だ。ある医学者から聞いた。既に何年も前から発見されており、大手製薬会社に代替医療と呼ばわりされている。勿論全世界の貴族とか大物政治家とか大物俳優とか大物実業家の権力者と大富豪がその治療を受けている、大手製薬会社によって庶民には隠されている同時に」
また科学の酷い側面の話を精力的に語った。私も聞かずにはいられなかった。
「長年大金を払って特別な治療を受けた同時、庶民が二流の治療しか受けれなかった。まあ、その大富豪たちが払う医療費の大金は、庶民がどうせ払えない。将来一般社会に公開されたら別の話になるが、それは何年も先か。癌だけに限らず、今の治療で大手製薬会社がまだぼろ儲けている」
宗さんは科学の闇については良く知識があるようだが、そんなのを暴露したことは初めてだ。証拠を見せなかったが噓を決してつかなかった。
「すごく衝撃的ですが、信じています」
「噓だったら良かったが、事実だ...長い間暗い話をしてすまないな、木原くん」
>宗さんの番、香車『六1』から『五1』へ、私の歩兵が取られ、それと王手
「いいよ、宗さん。君はいつも科学に関して重要なことを言っている。同じく科学には強い関心を持っている私にとって大事な話です」
>私の番、王将『四1』から『五1』へ、宗さんの香車を取った
それを聞いて宗さんが苦笑いを見せた。
>宗さんの番、飛車『九5』から『九1』へ、それと王手
「そうだね、木原くん...今まで会った人間には、君の研究者の精神が自分の研究者の精神に一番似ている。今まで会った人間の中で私の不満と意思、そして私の科学と研究への熱情を君ほど理解している人間はいない」
>私の番、持ち駒、宗さんの取られた歩兵を『八1』へ
宗さんはまさか私たちは霊的に近いと思っているの?それは本当なら、私に言ってくれた一番優しいことだ。
>宗さんの番、飛車『九1』から『八1』へ、私の歩兵が取られ、それと王手
「科学を綺麗にするのは私の夢だけではなく、私の宿命もだと思う。木原くんもそうだろう」
数回宗さんの目を見ながら頷いた。
>私の番、持ち駒、宗さんの取られた歩兵を『七1』へ
「私もその道を歩むつもりです、宗さん」
>宗さんの番、飛車『八1』から『七1』へ、私の歩兵が取られ、それと王手
「ふ、自分の一方的な不満語りの後、話の雰囲気が快活さに変わってきたとはな」
>私の番、持ち駒、宗さんの取られた香車を『六1』へ
それでまた真の笑いを見せた。
>宗さんの番、飛車『七1』から『六1』へ、私の香車が取られ、それと王手、その上詰み
...負けてしまった。
「詰み」
「うわーさすが宗さんですね、チェスだろうが将棋だろうが、私に結局勝ち目はありませんね」
「まあまあ、普通君は将棋をしていないのでこれほど多くの手を使ったのもお見事ではないか」
「褒めてくれてありがとうが、詰みの20手前くらい負けるのが分かって、必死に詰みを後の方へ遅らせようとしました。あの時自ら諦めたとしても同じ結末になっていたのでしょう」
「それは私がご存知だ。チェスもいつも同じだろう」
「そうか」
簡単に宗さんに読まれるよね。完全に見抜かれている。はっきりと言われるのも、恥ずかしくないんじゃない。
「だが、それはいいことだと思う。その負けず嫌い気質が研究者に似合っている」
「何?」
「君は状況がまずいとしても諦めずにもっと良い状況の先を作り出そうとしている。ある意味では、君がそれからの見込みを研究している。それが上達への道ですよ、木原くん」
「そういう意味でしたか。勉強になりまして、ありがとうございました、宗さん」
上手いこと言うよな。宗さんがモチベーショナルスピーカーになろうとしていたら絶対成功するはずだ。
「まだまだですが、木原くんの上達を最前列から見れるとは、最高のエンターテインメントだ」
細い笑顔を浮かべながら言って、続いて私も笑顔を浮かべた。
「感謝しています」
普なら今は私が行く時間だが、まだ宗さんに言わなければならないことがあった。あれを持ち出す時間になったと思った。
「ちなみに、宗さん」
「なんです?」
「科学とは関係ありませんが、私からもすごい面白い情報があります」
「ほう、なんだろうね。聞かせてくれないか」
興味を持っていた。よし、今だ。
「昨日はね、『第一回全日本少年スポーツ競争大会』という名のスポーツ大会への招待の案内をくれました」
「なんだと?」
なかなか驚いたように見えた。
「私も結構驚きました。今までスポーツより知的なことが得意だと思いましたが、今まで後者のために前者のためほど大きい規模の大会に招待されませんでした」
「一般的に知的なことのための大会よりスポーツ大会の規模の方が大きいので気にするな」
あ、理由がこれかもしれない。
「ま、それより木原くんは本当に偉いことが出来たな。パルクールやっているよね?で、どの分野のために招待された?」
「競走、ハードル競走、20km競歩」
「三つか、なるほど。それ自体がかなり誇らしいが、初回の大会に招待されるなんて、良い光栄だね。君の喜びが半端ないはずだ」
「実にそうです。嬉しいのは事実ですが、なんか気になるところもあります」
宗さんに聞いたら多分答えられる。
「ほう...何かが?」
「あの、招待されたための分野は全部陸上系。私は学校のスポーツ大会で陸上のイベントに参加したことがあり、あの際はいい結果を出しました。ただ、これだけであんな重大な大会に招待されるのが異常ではないかと、色々気になりました」
言ったことを基づいて宗さんが事情を分析しているような表情を浮かべて、数回頷いた。
「分かった。君が妙だと思えるところを理解している。しかし、その妙なところを説明できる論議がある。聞いてみたいか、木原くん」
「聞き耳を立てます」
「まず、パルクールしているのに、なぜ分野が陸上系か、ね?」
「これが気になることの一つです」
「その答えは、パルクールが曖昧で多様性のあるスポーツです。簡単に部門に分けられないので、オリンピック種目になれない。この大会で行われる競争のスポーツがオリンピックのスポーツと一致しているらしいので、パルクールの代わりに陸上系がある」
「そうか」
「また、非常に単純な言い方だが、パルクールは元々陸上系の野生版」
フフッ、なんか言った通りにすごく単純な類比だが、それは確かにそういうことだ。
「宗さんの理屈を理解しました。しかしまだなぜ学校のスポーツ大会の結果を理由で招待されたか分かりません」
「それにも可能な説明がある、主催者側の人間ではないので正解か分からないとしても」
「あれはどうでもいいのです、宗さん。可能な説明でも十分です」
「望み通り。私が言っている可能な説明が、全国規模の大会なので、選手候補をきちんと探していたはずだ。高精度で選手候補を詳しく探していたはずだ。つまり、絶対に精鋭のアスリートを選ぶために少年全員を徹底的に調べていただろう」
待った、宗さんの説が正しいなら、私は精鋭のアスリートですか?本当に?
「ああ、分かりました。筋が通ります」
「これで気になることを明らかにすることが出来たか?」
「はい、出来ました」
「いいね。ところで、気になることがあったこと自体が良かった。研究者には物事を疑う姿勢が必要なので」
「ですよね」
ちょっとぎこちなく笑って後頭部をさすった。
「他にも聞きたいことがあるか?」
あ、危うく忘れてしまった。もう一つの大事な質問があった。
「実は、あります」
「なら聞かせてください」
「今朝、親に招待のことを伝えた後、私を抱きしめていました。二人から強い感情を感じ取りましたが、自分が親ほど強く感情を現せませんでした。体で近くなると私は親ほど感情を現せません。それは私だけの問題なのかと、宗さんに聞きたかった」
重い質問だね、さっきの質問と比べて。
宗さんにとっても答えるのが難しそうに見えた。彼は眉間に皺を寄せた。
「心理か...あれは私の得意ではないよね。今すぐ答えが欲しいなら、仮説でしか返事出来ない」
「それでも十分です」
「では、とりあえず聞いておこう。子供の頃はどうだった?」
「あの時私はその問題がありませんでしたが、年を追うごとに問題になってきた」
あの頃を考えると、いい思いも嫌な思いもどちらも思い出す。
「なるほど。君のお友達の事情とは相関しているようだ」
お友達の事情ね...私の場合、間違いなく他の人のと違う。
小学1年、男子友達がいた。二人が組の最も頭がいい学生だった。毎日遊んでいて、お互いにチャレンジを仕掛けた。彼との時間は本当に楽しかった。でも学年の途中に校、それで転居してしまった。その後、寂しくなった。
そして2年と3年、全く同じことが繰り返していた。4年から6年まで完全に孤独だった。
中学1年にはある女の子と出会った。彼女が前の三人とは違っていた。彼らと違って彼女と頭がとても良いという共通点以上に、彼女がすごく賢明もだった。宗さんと同じく私よりずっと頭が良くて、彼女に多くのことを教えられた。やっていたことも作っていた物も成績も私のに優っていた。彼女とも毎日遊んでいたが、彼女との時間がはるかに最も楽しかった。
でも、ある日突然いなくなってしまった。高校1年に宗さんと知り合ったまで再び完全に孤独だった。
「確かに...関連性があります。だが、今宗さんが変わりなく私の大事なお友達です。なぜ元に戻れませんでした?」
「それは私が女ではないので、と考えている」
「えっ?!」
何言っている、宗さん?
「言ったよね、木原くん。体で近くなると君が感情を現すには問題があると」
「ええ、私がそう言いましたがっ」
その後宗さんが右手の平手を前へ伸ばして私が静かにするように合図した。
「彼女が好きだったよね」
...はい。今更とっくに気づいた。彼女を愛していた。
はっきり頷いた。
「やはりね。知っていた」
私も宗さんが知っていたことを知っていた。彼に彼女のことを語っていた度、彼が分かっていたはずだ。
しかしそれはどういう意味だ?
「あのさ、勝手で個人的な仮説ですが、彼女がいなくなってから、君には彼女への渇望が残っていた。その渇望の一部は彼女の体へ向かっていて、未だに満たされていないので自分の体に特定の不満が起きた。つまり、君が無意識に肉体関係を望んでいる。今の肉体関係不足で体は感情に関しての機能が効いていない」
「はーーーーっ?!」
何て言っているんだ?!
「逆に言うと肉体関係さえ出来れば問題は解決できる可能性がある」
よりによって宗さんにそんなことを言われて、衝撃的すぎて口を大きく開かずにはいられなかった。
それに澄ました顔で言った!
「ちょっと!何かの関係の不足が問題の原因だとしても、それが肉体関係ではないでしょう!そうです、彼女への渇望が残っている。しかしその渇望が大体、心と気が釣り合ったのでだ。満たされる必要があるのは、彼女のように心と気が釣り合っている女の子が私の友達であること。宗さんの仮説が勝手だということも、控えめ言っている」
「まあ確かに心と気が釣り合っている女の子が君の好み、それは明白だ。しかし彼女のような女、特に君の歳に近い女が非常にレアだろう?既に会ったこんな素敵な女と性行が、もう似たような女をこれから見つけらないかと心配したら後悔と欲のものになるだろう」
「性行だと?!」
頬を赤く染めらせてしまいやがって。
「大切な人を失ったのである程度空しくなったと思う、違うか?それに、心理の話を木原くんがかけたので、正直に話してくれないか」
「...」
数十秒後
「違いません。それは正直に本当です」
反論したかったが、結局宗さんが正しかった。私は確かに大切な人を失って、それから空しくなった。彼女のような女の子も、これから見つけらないと心配している。あの時は気づいていなかったが、今はもうご存知だ。私が彼女の体を望んでいる。
ああ、君を再び私の人生に取り戻すためなら、何でもやる。
本当に私の人生の光だった。
戻ってください。お願いします、石塚麻梨紗よ
「なあ木原くん、良くやった。胸の奥のことを打ち明けるには相当な勇気が必要だ」
ありがとうと言いたかったが、私にとって重い瞬間だったので言葉は出れなかった。
「それと、これは前に進むチャンスだ」
「...」
「前に君を幸せが待っているかもしれない。壁をもう越えた。後は進むだけ」
「あ...ありがとう」
やはり私は幸せになろうとしなければならない。
その次宗さんが立ち上がって、私のそばに来て手を私の肩に置いた。
「応援するよ、木原くん」
手を離した後私も立ち上がって、お辞儀をした。
「宗さん、今度のお遊びと相談は特に有用でして、大変勉強になりました。私を精神的に支えてありがとうございます。非常に助かりました」
「いいんだよ」
「私も、これから前に進もうと努力します」
「そうしてくれね」
そして私にとって帰る時間が来た。
カフェテリアから出て宗さんとキャンパスの出口まで歩いた。
「またね、木原くん」
「またね、宗さん」
さて、これで家に帰った。
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「来ましたね~」
「来たね~」
挨拶されて挨拶した。両親がまた元気なんだな。
「チョコケーキとお茶を作りました」
「一緒に味わってみようか」
元気すぎるな。
「カバンを部屋に置いてから味わってみよう」
「じゃあ置いて来てよ」
「はい、すぐに来る」
カバンを置きに部屋に行った。今度は手紙をくれなかった。
その後階下へ降りてケーキを食べに行った。今日だけの甘い飯。それから開催まで本気で陸上の訓練をしなければならないので。
大会で良い結果を出して、万が一有名になったら、石塚さんが私のことを再び知るようになり、それで再会の機会が生まれるかもしれない。