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極(きわみ)  作者: 豊楽
第二章
13/19

明日と反応、第二部

この小説に存在している人は名前について現実の人間とは関係がない。現実にそのような名前を持つ人がいるなら知らなかった。


今度いつものコピペをちょっと直した。


私のちょっとも完璧じゃない関西弁を許してください。

大阪府大阪市


遅え、遅えやで、目覚まし!


俺、小島大二郎、また目覚まし時計が鳴る前に起きて、鳴りを消すボタンを押した。

いつもやってることやから行動が同じやけど、今日の元気さはほんまに特別や。


この俺、ほとんどいつも元気やけど、今日は元気さの上限に至ったぜ。

それはなぜ?昨日確実に大物になったと分かったから!


昨日くれた手紙は、あのものすごい全国のスポーツ大会への招待やった。

国内オリンピックみたいなもんやから、ついに未来の大物ボクサーやと認められた。


まあ、世界のボクシングチャンピオンになる前に夢が叶わんけど、その大会のチャンピオンになったら少なくとも日本のほんまもんの大物ボクサーになる。


あの手紙を読んだ時、驚きすぎて目が真っ白になった。

『噓やろ!』って思って、心臓がドンドンドキドキしてた。

マジで気が忘れられん瞬間になった。


子供の頃からしてたトレーニングの結果がこれや。

今まで俺の一番多くの人たちに見られた勝負が1万人に見られたけど、大会の勝負が容易に100万以上の人に見られるんやる。そしてそれって日本だけ。海外の多くのボクシングファンもたくさん見ていくはずや。


ほんま、楽しみにしすぎてたまらんのや~~!


上機嫌やって浴室にシャワーを浴びに行って、シャワーを浴びて、白い学ランを着た。


いつもより大きい笑顔を浮かべて階段を疾走して下って、廊下を疾走して通って、親が来た前に食堂に着いた。

後ほど来た親に声をかけた。


「おはよう、父さん、母ちゃん!」


親も声をかけた。


「おはよう、大二郎」


「おはよう、大二郎。なんや、いつもより精力的な声やないか」


第二の文はお母さんが言った。良く気づいたな。


「せや!理由はあるで、教えたろうか?」


「ほぉー」


父さんもお母さんも興味を持つようになった。

ええで、すぐに伝えたる。


「『初回全日本少年スポーツ競争大会』って、聞いたことある?」


「昨日同僚をそれについて喋って聞いた。詳しく分からんけど、大したもんに聞こえる」


と父さんが答えた。今すぐもっと分からせたる。


「あそこには、ボクシングもあるで」


それ以上言わんかったけど、親がこれだけで分かると知ってた。


昨日の俺ほど驚いてた。

父さんの場合は目が大きく開いてて、お母さんの場合は口が大きく開いてた。


「せや、ついに大舞台に立って行くんや。今までしてた努力は、カッコええやろ?」


ちょっとだけ見栄っ張りの真似をしようとしてたけど、親の次の反応を全く予想出来んかった。

突然しっかり抱きしめて来た。


「うぉっ」


抱きしめの迫力がマジで半端なかった。

強えぇなー。


「さすがや!やっと名をなせたなー!」


「その通りや、うちのチャンピオンくん!圧勝しに行けー!」


ほんまに招待されたかって証拠を見せんかったのに、すぐ信じてた。

改めて親の俺の才能への信頼の強さが分かった。


「あ...安心して、がっかりさせるわけがねぇ」


「何言ってんねん?今まで俺たちをがっかりさせたことあるか!」


「ない、ない!」


スゲーなぁー、俺の親。

しかしこの抱きしめの迫力はもう...死ぬぞ!


「あ...ありがとうけど...このまま『勝者』になる前に『患者』になるぞ!」


「は?」


「どういうこと?」


まだ分かってへんのか!?


「放して...くれや~...」


「あっ」


「すまん、分かった」


くそ~~~、これからまたろくに息をすることが出来るぞ。


「おい...強かったはずなのは...俺やろ」


大作か親か...どっちがもっと強えかなーって感じや。


「ごめんな、悪かった」


「大丈夫?」


今やりすぎたからの心配...なんて優しさや。ありがとうで。


「もうええで。ほな、食べ始めようか?」


「ああ、今すぐ作って上げる。待ってな」


それ言ってお母さんが台所へうめぇ朝食を作りに行った。

待ちながら父さんと喋ってた。


「おめでとう、大二郎。お見事やないか」


「はい、ありがとう。今まで果たしたことと比べられへん」


「まあ、それはおかしくない。盛りが近くなるほどええこと出来るんや」


盛りか...今人生の盛りの当初なのか。


「せやな」


そしてこれから話題がちょっと変わった。


「ところで、お前の親友、大作は?」


「大作とまだ話したことがねぇけど、俺が招待されたならあいつが絶対招待されたはずや」


重要なスポーツ大会なら、最初に招待される男は畑田大作。

小学、中学、高校関係なく学校のスポーツ大会があった際はうちの学校が大作を頼りにしてた。

スポーツ大好きな人やなかったのにうちの最強の武器やった。おかげで大阪の全ての学校に勝ってた。

アスレチックさだけが必要な個人競技なら大作に任せとけってことや。

体力、スピード、スタミナ関係なく大作は別格や。


「なら素晴らしいやないか!一緒に行けるんや」


「これを絶対楽しみにしてるぜ」


ああ、待てへんぞ。早速大作と話したいで!


「二人で頑張れ」


「勿論やぜ」


多分俺らは招待されたための分野が全然ちゃうけど、それでも俺らはチームとして一緒や。それと俺らは一緒なら、誰にも止められん。


時間が経って、お母さんが朝食を持って来た。


「昨日と同じやが、うちのチャンピオンは好きな食べ物どんだけ食ってもええわ」


またお好み焼き!

確かに昨日と同じやけど、全然構わん。むしろ賛成!


「ありがとう、母ちゃん!いただきまっすーーーーーーーー!」


早く食おうとしてた。


「おい、そんなに急ぐな」


悪かったけど、それは出来ん。


「ああ、もう全て食べてもうた」


「ハハハ、なんやこれ。爆食動画見たのか」


くそ、また俺の衝動的に行動する習慣が!恥ずかしいやぞ~~~。


「あの...今の...これがなかったと...思ってくれへんか?」


自己管理が恐らく俺の苦手や。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」


両方の親に爆笑されたんや。

二人が最高の親なのに同時に最悪の親なんだ。笑い者にされるのが珍しくねぇし、どっかに消えたいほど恥ずかしい。


マジで止めてくれー!


「ほとんど大人になった癖に、よく子供っぽい真似してるなぁ」


「マナーが全くないのに、なんか幼い可愛さを感じてるわ」


そこまで深刻なのか、幼いって...

笑い者にされてから言われて...説得力がある。


「わ...分かった、これからもっと自分を管理しようとする」


空気の行方はなー。


「せぇした方がええ。他人の反応は...より厳しいやで」


間違いねぇ。


「はい、分かる。やから必ずもっと真剣になろうとする」


これは誓いや。

注意を払わんとあかん、自分の無謀な行動で親の評判に悪化させたくへんぞ。


「それはええけど、まずは勝負を考えてくれ。どうせ勝負の時間には自己管理が出来そうや」


「マナーの磨きをボクシングの磨きの後にしよう~」


結局こんな親で良かった。やっぱり父さんとお母さんの反応は他人のとちゃう。

真剣にマナー改正を誓ったのに、俺の好きなことを優先してくれるんや。

ほんまに心からありがたいな。


「今一番重要なのはあんたの勝利。まずそのために頑張れ」


「賛成」


「父さん、母ちゃん...」


「ほら、あんたが成功するためにどうしても支持するつもりや」


「気にすんな、チャンピオン。いつでもうちを頼んでもええわ」


応援には限界がねぇみたいや。ほんまに感謝しかねぇ。


「何の欠点があっても、直そうとしたらこっちに支援があるで」


「あんたがどれだけ頑張れるかをうちが知ってる。マナーでしょうか何でしょうか、あんたが乗り越えるんや、必ず」


これが真のモチベーションやぜ、感動!体が暖かくなったでー!

確かに俺のマナー、行儀、自己管理などは最下やけど...いつの日か絶対普通になるぞ。

ボクシングやろうかマナーやろうか、鍵は『頑張る』ってことやと感謝してる親に教えられた。

まずはボクシングやけど、その次はマナー改正。

誓いやから。


結局のつもりは自分にだけやなく、俺をいつも支援してくれる大切な親にも栄光を与えることさ。それは俺の決意なんだ。


「励ましてありがとう、父さん、母ちゃん。あんたたちのためにも勝ったる」


恩返しや。


「ありがとうって言ってるべきなのは俺たちやぜ、大二郎、俺たちの誇り」


「うちの自慢を励ますのは当然やわ」


父が両肩に手を置いてたのは緩かったけど、俺らの絆がものすごく強かった。


「何回言っても足りんのや、ありがとう。あんたたちが大好き」


「うちも大好き」


家族にそれを言うべきやと強く信じてる。

お互いの目を見ながらそれを言ったら強え絆を保つんや。みんなに心の強さを与えるように。


相互の感情を見せつけた後、歯を磨いて、靴を履いて、家から出た。

もっと少し親と時間を過ごしたかったけど、学校へ行かんとあかん。


「行って来ます」


「またなー、チャンピオン!」


ほんで学校へ立ち去った。ああ、なんてええ調子や!

この明るくて青い空、周りの緑、素晴らしすぎるで!


『大阪市立西木高』

15分後、校門に着いた。勿論ド派手に。


校門に向かって走って、校門を飛び越えた。

今回のジャンプ、2メートルを確実に超えた。


そして派手に降り立った。

笑顔を浮かべて、降り立ってて膝が曲がって、腕が伸ばした。


「派手にーーーーーー 来たーーーーーーーーー!」


今度も静かに眺められた。

まあ、いつも同じ派手なことを繰り返したら派手やなくなるかも。それでも、俺の流儀やから止めへん。


さて、大作は?

すぐあの大会について話したかったけど、彼も優子ちゃんも見えへんかった。どこや?


ちっと見回して、約80メートル離れたところに数十人の学生が集まってたのを見た。あそこか?

見つけ出すために周りを歩き回ってた。近くにおるはずやった。


少し近づいて、彼らの中の学生は一人が背が高かったことを見た。

あいつ大作やろって思ってもっとあそこへ近づいた。

近づいて、確かに大作やと分かった。

そして優子ちゃんもそばにおった。


「おはよう、大作、優子ちゃん。ちょっと賑やかやな、ここは。何があったん?」


「あったぜ!畑田さんたちが『初回全日本少年スポーツ競争大会』に招待された!」


と興奮してた学生たちの一人に言われた。

やっぱり、予想通りやな。


「さすがやな、大作、優子ちゃん。正直驚いてへん」


「誰かが驚くもんか!みんな最初からそう思って、質問しに来た」


って熱い興味を持つ他の学生が言った。


「分かる、分かる」


この西木高として最高の誇りやぜ。こう考えたらおかしくねぇ。


「おはよう、大二郎」


「おはよう、大二郎先輩」


いつもの親しい挨拶。


「これスゲーなぁ。嬉しいやろ」


「とても嬉しいよ」


「あたしも嬉しい」


趣味はスポーツより芸術なのに、こんな大会に招待されたら当然嬉しくなるやろ。

そして俺が一緒に行くって伝えたら、嬉しさがどれほど上がるかな。


「ならええで、この返事を待ってた。俺も行くから、三人組でどう?」


「何?」


「えっ!?」


こんな集まりやから大作と優子ちゃんだけやなく、他のみんなも反応したんや。


「いいね!あんたも来るんだとずっと思ってた。よっしゃー、行くぜ大二郎」


「うん!また三人では楽しいよ、大二郎先輩」


はっきりええ調子で答えたな!俺も楽しいにしてるで、大作、優子ちゃん。気持ちが一緒。


「三人か!うちの高校を代表する人数が半端ないな!」


他の彼らもなかなか嬉しそうやな。


「金メダルを得る可能性もほとんど100パーセント」


「行け行けー!」


個人として他の学生に応援されるって珍しいからこれを忘れん。

今アスリートとしてだけでなく、自身として尊敬されたから。


「がっかりさせんなや!」


ここへ校庭の別のところからも数十人が集まって来た。


「まあ、結局小島は強いボクサーや」


ついに地位が上がったな。

活気横溢の性格のため、今まで無理やった、自分も認める。

仕方ねぇけどな、俺の性格。


「なぁ大作、今日もジムに行こうか。再開まできっちりトレーニングしようぜ」


俺のことはもう十分や。

元々大作と話しに来た。


「うん、そうした方がいい」


ええで、ジムしか勝てん。


「ジムか。うちがトレーニングを見に行けばええんですか?」


「何?」


他の学生がそんな興味を持ってんのか?


「俺も」


「私も」


「僕も」


「わしも」


「わいも」


なんやこれ?

普通の日のトレーニングにも多くの人に見られてる。今日のことのおかげで何人増えるか?


「なら今度あたしも行くんだよ、お兄ちゃん」


そして優子ちゃんもジムに行きたいって言ってた。


「優子ちゃん、昨日言ってたんでしょう、きっ」


大作は優子ちゃんを止めようとしてたけど...


「いい加減にしてよ~~ー!みんながジムに行くと言っているのに、なぜあたしが行けない?不当なんだよ~~ー」


ついに言い返したな、優子ちゃん。

この毅然とした反撃する姿...可愛い!!俺の心~!ああ、もう我慢できへん!!


「大二郎」


「大二郎先輩」


「小島」


「なんやこいつ」


「大二郎」


「大二郎先輩!」


「ボケっとしてんのかあいつ」


「何考えてんねん、あの小島」


「おい、大二郎!!」


あっ!? みんなが俺に声をかけてぴくっとした。またボケっとしてもうたせや。

くそ!大作と優子ちゃんだけの前やったらまだ別に恥ずかしくねぇけど、みんなの前ではな...


「たく、またボケっとしたのか?」


「さあ...な...」


「フキッ」


「フハハハハハハハハハハハハハハハ」


「エハハハハハハハハハハハハハハハ」


そしてみんなが笑い始めた。

恐らく優子ちゃんのことを考えたらボケっとすることも俺の悪い習慣。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


「コハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


馬鹿にされる度はまれやねぇから全然気にせん方が最善。

自己認識があるけど、元気さを守るためにあいつらに困らせさせへん。謝って騒ぎ立たず、大人しく待つしかねぇな。


次の瞬間、いきなり大作と優子ちゃんが俺の手を取ってここから連れて行った。


「あ、何?どうしたんや?」


俺の目を見んかった。


「あんたを馬鹿にする連中に困ってたんだよ。大人しく何もせずに見れないだけ」


「そうよ、別のところに行こう」


せか。俺がこんなことをよく体験したからもう困らんけど、二人がまだ困ってる。

精神的にちょっとも構わんから必要ねぇのに支持してくれるって...ありがとう、ほんまに。


孤独の木の隣に止めた。


「さて、話をここで続けましょうか」


「はい」


まず俺はボケっとしてもうた時大作と優子ちゃんが何を話したかを知りたい。


「あの、さっき何について話したっけ?」


「別に。優子ちゃんがジムに来てもいいって受け入れた。巨大なスポーツ大会に招待されたなら、トレーニングしたらいいと思った」


よっしゃ、ええで!これで優子ちゃんに俺の筋肉を見せつけれるぜ。


「そう、そう!お兄ちゃんありがとう」


「おめでとう、優子ちゃん。これから毎回来てくれればええんや、毎回楽しみにするから」


「ちょっと待ってよ、大二郎。調子に乗りすぎるな」


ちゃう、あんたが過保護だけや。


「まあ、結局決まってんやろなぁ、あんたと優子ちゃんとジムで会うこと」


「はい!」


1秒も無駄にすることなく優子ちゃんが確定した。


「まあいい、決まった」


これから優子ちゃんの要求をせ簡単にもう断れへんな、大作は。


「よし、お互いのために頑張ろうぜ」


「頑張ろう」


必ず一緒に勝ちましょう。


そこでベルが鳴った。教室に行かんとあかんかった。


「じゃあまた会うね、お兄ちゃん、大二郎先輩!」


「またな、優子ちゃん!」


そして優子は自分の組へ行って、俺たちはうちの組へ行った。

また休憩時間に会う。

さて、プロボクサーになったらもう要らん授業へ。


///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


今日の授業はそんなに悪くなかった。

それでも将来的に要らんもんや。合格すれば十分。


しばらく家へ寄って、スポーツ服を取って来て、ジムに行った。

大作は、今回優子ちゃんともうおってた。俺が来て挨拶された。


「よ、大二郎」


「ここにもよろしく、大二郎先輩」


確かにここなら、優子ちゃんとは初対面や。


「よ、みんな」


普通にしてることやから大作と男らしい握手を交わしたけど、優子ちゃんとの挨拶は?


「あの...何をしよう...?」


ほんまに内気な瞬間やった。優子ちゃんも内気になって顔が赤く染まった。

どう触ればええ?


「あのね、グータッチはどう?」


優子ちゃんと俺の躊躇を見て、大作がお勧めをした。


「グータッチ?」


「優子ちゃん、それはええんですか?」


「は...はい」


か...可愛い!優子ちゃんをこう触るってことか。

よっしゃ、ドキドキしてるぜ!


「さてと」


拳を優しく、優しく前へ動かす...優子ちゃんの拳に触れるまで。

ある意味でこれは拳のキスや。いつの日か、口のキスをするのを望んでる。


1


2


3


チュー


「大二郎」


「大二郎先輩」


「大二郎」


「大二郎先輩!」


「おい、大二郎!!」


あっ!? 大作と優子ちゃんは俺の名前を呼んでぴくっとした。

その意味は...しもうた、またか!


「あんた、なんでしばしばボケっとしてのか?毎日少なくとも一回してるようだよ」


「そうよ、大二郎先輩。回数が変だよ」


恐らくそれは正しい、回数が多い。

でも優子ちゃんなら仕方ねぇんだ、すまん。


「あの、何分やった?」


「今度早く気づいたからたった30秒くらい。しかしボケっとしてた間、蝋人形のように立ってた」


「死んでるのではないかと心配してたよ、大二郎先輩」


ああ、分かった。他人にはこう見えてまう。


「さあ、死んだわけがねぇ。俺は生きが良すぎるんやからトレーニングを始めようか」


大作と優子ちゃんが肩をすくめた。


「お前がまたボケっとしない限り」


「うふふ」


ちょっと笑えるけど、おちょくりすぎんな。


「さて、中に入りましょう」


「はい、頑張ろう」


ほんで、トレーニングを始めましょう。




ワームアップトレーニングで始めた。

トレッドミルの上で30分間走った。今回は三人で。走りながら喋った。


「今日はここが人いっぱいやな」


「そう。学校の方々が言った通りトレーニングを見に来た。それと普通にこのジムに行く男たちもあの話を聞いてみんな来たらしい」


「お兄ちゃんと大二郎先輩は正しかったね。どこを見ても男性ばかり」


せや。普通にはな、このジムに女性一人おったら男性20人おる。

大作と俺の心配は優子ちゃんがみんなの注目の的になることやった。


「だから来ない方がいいと言ってたよ。噓をついたと思ってたの?」


「なら、あたしここに来続ければ女性の率が上がるのではないか」


フッ、大胆なことを言ってるんやねぇか。


「ちょっと、優子ちゃん!」


大作は笑ってへんなー。


走り終えた後、筋力トレーニングを始めた。

俺と大作がまたパワーリフティングをしたけど、優子ちゃんが大作に普通の筋トレをするように言われた。重量のダンベルは危険やと言われた。

まあ、俺は優子ちゃんが弱いんやと思わん。同い年の女の子よりはるかに強えんやと良く知ってるけど、俺らみたいに200キロ以上のダンベルを持てるとは思えへん。


それでも優子ちゃんをそんな風にほっとくのが良くないって思う。

優子ちゃんを少し支持すれば...


数分後、大作が小便しに行った。今はチャンスや!


誰も聞こえんように優子ちゃんに近づいて耳に囁いた。大作だけやなく、学校の人たちにも知らせて欲しくねぇ。


「大作のことはほんまにすまんな。しかし俺が大作に知らせず優子ちゃんにウエイトトレーニングを教えれる。興味があったら週末に俺の家に来て」


「本当に?ありがとう、大二郎先輩」


ええで!デートやねぇけど、優子ちゃんがやっと一人で家に来るぞ!一人で!

スゲー進歩や!


「どいたま」


そして大作が戻って来て何かを疑う前に、撤退!

囁く姿を見たら怪しくなる。


ほんで、パワーリフティングを続けましょう。




今回の結果は同じやった。一日だけが経ったら別に大きい変化が出て来ねぇ。

しかしジムの男たち、それと特に学生たちがめっちゃ驚いた。


「二人がそんなに強いのか!?」


「そら、言ってたやん」


「勉強になったわ」


「畑田さんが化け物や!」


「お前らはまだ何も見んかった」


初めてそんな重さを持ち上げるのを見たらショックを受けるやな。


さて、筋力トレーニングが終わって、今日のハイライトが始めた。

特にTシャツを脱いで上半身裸になって優子ちゃんに筋肉を見せつけれたから。


「優子ちゃん見て!俺たちの筋肉、どう思う?」


真の意思を明白に表さんために大作を含めた。


「カッコいい!」


ああ、なんてありがたい褒め言葉やな!


「聞いたのか、大作、妹さんの意見?」


「フフッ、いいね。僕たちの体の男らしさが改めて分かる」


「せやな。ほんで、男らしく勝負しようか?」


「はい、今すぐ」


やっとリングに入った。


「さあ、始めようか?」


「手加減せん」


「よし」


戦闘の体勢に動いて、拳を振った。


「かかって来い」


って俺が言って、大作が俺へ向かった。


ラウンド1


俺に近づいて、俺はカウンターの準備をした。


前回の同じ動きをしてた。

あの勝負を負けた瞬間まで繰り返して、適当な時に前回のミスをせず新しい方法で戦うつもりや。

それをやったら絶対上達するから。


彼はジャブで始めた。


「ソィヤァアアアアアッ」


前回の同じ動きをしても、前回の同じ叫び声を上げる必要がねぇ。


またボッビングで俺は膝を曲げて左へ曲がったけどすぐに跳ね返った。

そしてまたカウンターを使う時がやって来たんや。

せやって彼の鳩尾を狙おうとした。


「食らえ!」


でも彼がいなした。ちょっと跳んで後ろへ一歩下がった。

まあそれは予想出来てた。勝負の変化にはまだ早かったから。

とにかくほんで俺の攻撃することの番になった。


「もう一回、食らえ!」


ストレートで攻撃したんや。


「おっと!前回より速くなった」


って大作が俺のパンチを褒めたけど、彼のかわしも前回より速くなった。

頭を俺の拳の周りに一周して、肩とええフットワークで俺の拳をいなした。

自分の惰性を利用して、細い曲がってる一歩で彼は俺の腕の横に寄って、跳んで俺の頭の右側を打とうとすることによってスゲーカウンターを実行した。


今や、勝負が変わる瞬間。


前回と同じく俺は右へ回って前腕を組んでガードしようとしたけど、今回は彼に俺の腕の間にある隙を通させんかった!

あのパンチを打った瞬間、膝が曲がって下へ動いてヒットを完全にかわした!

そして直後に右手のアッパーカットで出来るだけ速く彼の顎の端を打った!


「あっ、れ?」


顎の端が特に危ない。当たったら脳は簡単にガタガタされる。


「お兄ちゃん!」


「おお!畑田がえぐいパンチを食らった!」


「畑田さんが大丈夫かな」


「マジで痛い」


痛え?多分。

大丈夫?勿論。


そんなパンチを食らったのに、そこで立ち続けてた。大作はせ簡単に倒れん。

大作の体力の場合、新幹線が当たったら倒れるかも。


「良く...やったな、大二郎。普通の相手はこれでKOだぜ」


ほら見て、大丈夫!

強く打たれた癖に普通に喋ってた。


「せか?」


「はい、そうだ。これが本当の勝負だったら終了になってたわけだから、これでこのラウンドを終わりにしましょう」


これほど早く終わりにするって、俺VS大作なら大勝利やぜ。


「あの、大作、一休みが要るか?」


勝利は重要やけど、健康は大事やから慎重に戦うべき。


「一分でいい」


強えなー、一分だけって。


「はい、じっくり一休みしてくれ、俺が待つから」


「分かった」


今回休んだのは大作やった。

一分後、次のラウンドの準備が出来てた。


「また始めようか?」


「手加減せんで」


ラウンド2


前回の勝負のシミュレーションみたいなもんやから最初に攻撃し始めたのはまた大作やった。

またジャブを使って、左腕で俺を打とうとした。


「ホラッ!」


そして今はクロスカウンター!


「ホッ!」


彼は左のジャブで俺の頭を打とうとした瞬間、俺も同時に右のストレートで彼の顎を打とうとした。


「チッ」


「デッ」


しかしどっちも速く頭を傾げてちょっと左へ数歩後退してた。

それからまた攻撃しに俺は前進した。


「逃がさん!」


左手を後ろに差し伸べて、アッパーカットで彼を打とうとした。

その動きも彼が知ってたからまた肝臓の近くが打たれんために体を左へ動かしたけど、それでも胸の右側を打つことが出来た。


「やるなー、大二郎」


って言ってたが、何の影響もなかった。

まあ、相変わらず逞しすぎる。

俺は彼ほどねぇから速くカウンターが来る前にガードした。


「さて、僕の番だ。覚悟しな」


ああ、カウンターが始まった。頭と首をガードしてた前腕を速い拳で連打の攻撃してた。ストレートとジャブのマシンガンみたいやった。

後退しか出来んかった、俺。手加減してもパンチが強すぎて骨が折れりせになってた。

大作はせする意図がなくても簡単に人の骨を折れる。


前回と同じく、後ろのリングのロープを利用して横にいなした。

スピードや体力で勝てんからフットワークで勝とうとする。

次に彼の腰を二回打った。一度は右、二度は左。


「フッ」


あの二つのパンチが当たった直後、彼の方がガードした。

また俺の攻撃する番になった。


そもそも今勝負のコースが変わる時が来た。


「食らえ!」


俺は広い一歩で一歩前進して右へ回って、左フックを支度した。


「今回は打たせへんで、大作!」


前回の勝負は彼が俺の肩を打ったけど、今度せぇはさせへん。俺だけが打つ!


「おっと!あっぶね」


まずい!かわしやがって!

彼が首を竦めて俺のフックをいなした。


「チッ」


さあ、今は俺が打たれんために体を回さんとあかんかった。


「カッ」


辛うじて彼のパンチをよけた。

このラウンドはこれで前回より長くなった。


「悪くないね」


「あんたもな」


これで、ラウンドのこれからのコースを自分で書くしかねぇんやないかい!


「覚悟せぇ!」


前進して左と右のフックでまた二回彼を打とうとした。


「ホッリャー!」


あ、ブロックした。まあまだまだや、終わりやねぇ。


次に大作は反撃しようとしたけど、『ウィービング』で彼のパンチを全部よけた。

ウィービングって相手のパンチをかわす方法や。

まず首を竦めて前腕を顔の前へ動かして、それから上半身、特に肩と頭をUの文字みたいにパンチの下に動かした。


しかしそれだけやなく、その上俺はちょっと四分円の距離くらい大作の横に速く動いた。

ほんでええポジションから一回外側胸をストレートで打った。


「どうや、大作?」


「結構やるなー」


ええ気分や。今ほど上手く大作と戦ったことはねぇ。


「かかって来いや!」


「望み通り」


そして彼はまた攻撃し始めた。

今度は前進しながらの対角線のアッパーカット。

ああ、危険やこれ。絶対良くいなさんとあかんなー。


まあ、それでも...そのスゲー迫力を乗り越えたる!


「打たせへんで!」


大作の左側を見て、さっとダッシュみたいな動きで安全なとこへ移動した。


「速っ」


って彼がったけど、攻撃を止めんかった。

ボクシングのラウンドは3分や。勝負の時は時間感覚はかなり正確やから終わりになるのが近かったのを気づいた。

彼も気づいたはずやった。


「もう逃げんぞ!終わりにしたるで!」


全力を出したる。

右手の顔の真ん中に向かってたストレート。なら俺からは左手のジャブでカウンターや。


「行くぜ!」


大作のパンチが寄って来てた。そして俺はまた彼の顎を狙った。

俺は最後の瞬間に頭を傾げてたけど、彼も同じ時に何かをしてた。


「グッ」


「ガァーーーッ!!」


最終的にパンチを半円くらい回したため、俺が頭を傾げてもちょっとだけ頭の横を打てた。

その上彼の顎の真ん中を打ったのに、ぶっ飛ばされたのは俺やった。


「おい、大二郎!大丈夫か?」


ガーンってダウンしたから。


「た...たく...立場がちゃう...んなったな」


良く分からんかったようや。


「どういうこと?何を言いたい?」


「あんた...さっきのラウンド一分一休みしたらええって言った...俺も同じや...ちょっとだけで済む」


「違うよ」


何?


「少なくとも5分だ、あんたの場合。それほど急ぐなよ、健康は大切だから良く休んで」


せか...

健康を心配してくれてありがとうけど、この勢いではな...難しい。


「出来るだけ早くっ」


「ダメですって、大二郎。ダメ。怪我をしちゃいけないんですよ」


まずいぜ、過保護の習慣が優子ちゃんから俺までに...

優しすぎて厳しくなるもんってこれかい。


「はい...」


5分、分かった。

5分、待つしかねぇなぁ。

さあ、とりあえず水を飲もうか。


はい、回復!これ以上は待たへん。


「リングに入ろうぜ」


「今すぐ?」


「今すぐ!5分は5分なんだ」


「はい、はい。どうせあんたはまだやる気満々だから仕方がなさそう」


良く分かったな、大作。待たせようとしても無駄やぞ。


さて、リングに入った。


「楽しませてもらう」


「ええで。だが手加減せんでって」


ラウンド3


前回と同じく俺は最初の攻撃を行った。

ジグザグのように前に走って、高く跳び上がった。


「今回はどっちや、大作?」


「見てから分かれ」


前回の勝負には偽のパンチで騙したから今回は不意をつくのはなかった。

俺も大作も大作が左か右のどっちかの側へかわすのを知ってた。

さあ、右か左?


今度は左か!


「新しいサプライズ、見せたるで」


勿論同じコンボをする意味がねぇ。

数学は良く分からんけど、少なくとも数百の異なるオプションがあるやろ。

やから創造性を暴れらせたる。


「よお、大作、全部食らってみぃ!」


腕と足の動作を同期して、六つのパンチのコンボを実行した。

左か右か、腕か足か、関係なく前進させた。強大なコンボ攻撃で圧力をかけた。


ストレート、ジャブ、アッパーカット、フック、ストレート、ジャブ

フック、ジャブ、フック、アッパーカット、ストレート、ジャブ

アッパーカット、フック、アッパーカット、ストレート、ジャブ、ストレート

ジャブ、アッパーカット、ジャブ、アッパーカット、フック、フック


「ほらほらほらほらほらほら」


「ㇴッ...熱いぜこの...」


「ほらほらほらほらほらほら」


俺のパンチをブロックしようとしてたけど、全てのパンチをブロック出来んかった。圧力が前回より上手く効いた。

全力の全力やった。


「フッ...まだまだ...行けるよ」


彼はガードはさすがにええけど、完璧やねぇから徐々に擦り減らす。


ストレート、ストレート、アッパーカット、ストレート、ジャブ、フック

フック、アッパーカット、フック、ストレート、ジャブ、アッパーカット


「この...いい加減にっ」


常に攻撃され、少し頭に血が上って来たようやった。

反撃しにコンボを押し破った。でも俺は冷静であり続けてた。


前回と違って、今回ジャブで俺の顎を狙おうとした。対応として俺は腰部と肩を横に回して、スリッピングでよけた。


「チッ!速すぎるぞあんた」


注意を払ったのに辛うじていなした。

ええボクサーは相手が誰やっても注意を払うべきやけど、大作に特に払わんとあかん。悪く打たれたら一瞬でKOよりも深刻な状態になれるから。


次に何も言わず、また攻撃した。というよりも、また連打の攻撃!


畜生、彼のパンチは俺にとってかなり予測可能やけど、問題はこれやねぇ。

くそが、速く首を竦めてかわすしかねぇ!


「お前が待て、すぐ反撃するから」


ウィービングで出来るだけ速くかわした。しかし長く彼の前にとどまらんかった。

後退する前に一度だけ速く鳩尾を打った。全力で打てんかったけど、何もねぇよりマシや。


「ボフッ」


あのところは結構敏感やで、打たれん方が大事。


「よくやったなぁ...」


彼にとっては全然大したもんやねぇけど、与えた痛み。


「さあ、ようやく終わりにしようか?」


本気でかかって来るつもりか?

なら、サプライズもう一つがある。


「せしよう、大作。クリンチの代わりに...倒す気でかかって来い!」


それは俺の呼びかけやった。


「じゃあ、倒れるなよ!」


俺に向かって走って来た。

注意深く彼の肩を見て、右の拳で打つと分かってた。数ミリ秒後、目標が顔の上半分、目のところやと分かった。


同時に、俺は左のパンチで彼の肝臓の近くを狙ってた。

それを見ると大作が俺のパンチを右腕でブロックしようとし、左腕で新しいパンチをしようとした。

あの動作の変化の一瞬、ガードがなくなった。

勿論そのチャンスを良く利用した。


「悪いけど痛え目見るで」


実は、最初から実に肝臓の近くを狙ってんかった。真の目標は...こめかみの近くやった。

それについて、こめかみの真ん中は危ない。医学的になぜか分からんけど、絶対危ないって知ってる。


とにかく、さっきのパンチの方向を完全に頭へ曲げた。腕を回して音速で弱点を狙った。

そしてその次...


「お兄ちゃん!!」


「ああ!こんなパンチじゃ!」


「あかんでほんま...あかんじゃ」


「えげつない!」


「畑田さん...」


「おい畑田、大丈夫?」


観客の反応はスゲーやった。大作のことを心配してた。

まあ、スゲーパンチやったから。


「それ...を...」


まだ立って喋ってた、大作。

俺はな、驚いたけど、同時に驚かんかった。


「切り札として...」


簡単に説明出来へん。

大作はほんまに異常やから。


「決勝の相手に対して使えばいい...」


今まで見たボクシングの試合の中、こんなパンチを食らう選手はいつもKOになった。いつもこう打たれる選手が意識を失った。

その終決しか今まで見んかった俺にとって、大作の人間を超えた強さを知っても...驚くか驚かんかマジで分からん


「そうしたら確実にKOだ...確実に」


それ信じてる。大作しかそんな強度がある攻撃を無事に耐えへん。

ボクサーやねぇのに!


「分かるぜ...この怪物が。とりあえず大丈夫か?」


「ええ、大丈夫よ...5分の一休みで済む」


さっきの俺の5分とこいつの5分、レベルがちゃう。


「それより、もう十分です。すぐにまだまだ行けるけど、あんたの力を感じて確かめた」


「確かめた?何を?」


「あんたが優勝して金メダルを得ることを。誰もあんたに勝たないと信じてる」


大作がせ信じるならええ気になれる。


「...おもろいな」


「ハハハ...確かにね」


その次、汗まみれの体で俺を男らしく抱きしめて来た。

なんか暖かいけど...ちょっと...恥ずかしいぜ。


「感じたんだろう、自分の強さを?」


そんなもんよりあんたの強さを感じたやろ。


「強くであるって素晴らしいじゃない?この強さで拳を交わし合っても親しく時間を過ごす...大二郎、改めて僕たちの親善試合の親善の楽しさを感じた」


せ考えたら、確かに最高やねぇか。これこそ男らしさ。


「俺も、大作」


「なら、決まってんだろう」


「なんや?」


「勝つ、勝つ、勝つ...楽しんで勝ちましょうよ」


この調子で!


「はい!俺らしか出来んから、天下を取ろうぜ!」


リング上、もう一回男らしく握手を交わした。


「わあーーーーーーーースゲー!」


「やれ!」


「頑張れ!」


「最高や!」


観光も応援してくれて無敵の感じになったぞ。

ええで、完全に上機嫌。勝負にもジムの時間にも最強の終わり。


「みんな、俺らはあんたたちを落胆させへんで!両方も勝ち切るぜ」


「ああああああ、やったれ!」


「おおおおおおお、行け行けぇ!」


「相手全員ぶっ飛ばせ!」


ほんまにパーティーみたいなムード、ここ。

しかし、パーティーもいつか終わってまう。


「さあ、大作、これまでにしようか?」


「はい、行こう」


頷いて二人とも更衣室へ行った。勿論優子ちゃんも連れて行った。




それからジムから出て、三人で話した。


「なー優子ちゃん、初めてのジム行き、楽しんだか?」


「はい!すごく楽しいでした、大二郎先輩」


「次回も楽しくなるやろ、ちゃうか?」


「うん、そうなるんでしょう」


二人だけが分かる話やった、これ。大作、この際は外してごめん。


「僕も同意するよ、優子ちゃん。思ったより楽しかったし、あの大会に招待されたから結構いいアスリートとして...もう好きに来てもいい」


過保護の堅さ、ちょっと緩み始めた。

ええで、優子ちゃんにとっても俺にとっても。


「はい、ありがとう兄ちゃん」


「いいえ、別に」


はい、好きに来い、優子ちゃん。姿を見せ続けて。


「じゃあ、話題を変えるけど、来週の予定は変化なしですか?」


「いいえ、それはねぇ。もう南大阪や神戸への切符を買っといた」


「いいね、大二郎。僕たちも買っていく」


「ほんま楽しみにしてる」


「あたしたちも」


これから一生こんな楽しみがあり続ければ一生文句なし生きたる。

その始まりは今日からや、絶対。


まあ、うずうずしても待たんとあかんから残念や。

時間って、流れを制御できん。


「なら、また明日」


今日これ以上、話す必要はねぇって思った。


「行くか?さあ、僕たちも帰ろう」


ほんで二人が振り向いた。しかしその前に手を振って微笑んだ。


「また明日、大二郎先輩」


「また明日、大二郎」


「またな!」


さて、これで家に帰った。


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家に入って親に迎えられた。


「こんばんは、大二郎!」


「こんばんは」


返事して、夕食について聞いた。


「あの、いつ食べる?」


「もうすぐ」


せか。なら俺もすぐに「今日はどうやったかい?」って聞かれる。


「今年一番良かった日」って返事したる。


第一回全日本少年スポーツ競争大会って...今年もっとええ日が来るで。

今年、今年、今年!完全に上手く行くやろ、必ず。


悪く行くわけがねぇ、絶対に。

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