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ロリコン教師は魔法で世界を救いたい  作者: ぺぐしる
第1章 ユリの薫る街
5/21

04 ロリコン、可能性を示される。

本編第4話です。


ちょっと書き方を変えました。

今回以降、改行たっぷりかさ増し小説から脱却していく予定です。

次回以降の分量については、今回と同じくらいを目安にと思っております。


イツキさんの前に一列に並ぶ新5歳児たち。


「それじゃ、始めるよ」


イツキさんの手が、緑色の光に覆われる。


「まず、アピアちゃんから。手を出してみて」


アピアは、恐る恐る両手を差し出す。

イツキさんは、大丈夫、とアピアに微笑みかけると、大きな手のひらで彼女の小さな両手を包み込む。

そうすると、イツキさんの手を包んでいた緑色の光は輝きを増し、オレンジ色に変わった。


イツキさんは、終わりだよ、とアピアちゃんの手を下ろすと、彼女の目線に合わせるように膝立ちになって、「可能性」を告げる。


「アピアちゃんはね、元気に溢れてるんだ。君の溢れる元気は、周りの人も元気にできちゃうはずだよ。きっと良い魔導医官(まどういかん)になれるよ」


魔導医官。

治癒魔法によって怪我や病気を治療する。いわゆる回復職だ。

魔導医官の素質を持つものはそう多くなく、各地の教会や医務所(病院みたいなところ)には常に魔導医官の求人を出しているところも沢山ある。


保護者たちは、おお、とどよめく。

魔導医官の素質がある者が出るなんて、今年は当たり年だ。

そんな声が聞こえる。


「でもね。僕の経験から言うと、君みたいなタイプは潰れちゃいやすいんだ。自分でなんでも頑張ろうとして、首が回らなくなっちゃう。時には、周りに頼ることも必要だよ」


アピアは、頑張ります、と恥ずかしそうに答えた。


ふむ。

やはり、あの謎の光に何か秘密がありそうだ。

はっきりとしたことはわからないが、光がなんらかの物質、あるいは使用者の心理状態となんらかの反応を起こして変色した、と言うことは確かだろう。

アピアが熱がっていないことから、あの光は強い熱を発するものではなさそうだというのも推測できる。


とするとあの光は何なのか。

「まほう!」で片付けて良いものか。

もし仮に、ここが俺の元いた世界のものとは異なる未知の物理法則が支配する世界だった場合、既知の物理学という歪んだレンズを通すことで真実が見えなくなってしまう。


…いけない。俺の悪い癖だ。

今必要なのは保身だ。

真実の追求は二の次にせねばならないのだ。

魔法とかいうふしぎパワーがある以上、こちらも迂闊(うかつ)なことはできない。

音もなく殺される可能性すらあるからだ。


イツキ=カワグチ男爵。

こいつが何者なのか、確かなことがわからない以上はここで俺の出自を知られるのは得策とは言えない可能性がある。

状況を総合的に判断して、内政チート系転生者であることは間違いなさそうだから、腹のなかを弄ってなにを考えているか明らかにしておきたい。


…ここは何とか、一般的5歳児としてくぐり抜けなければ。


「じゃあ次。ソラちゃん」


アピアの時と同様の手順を踏む。

緑色の光は、彼女の髪の色と同じスカイブルーに変わる。


「ソラちゃんは、物事を冷静に見られる人だね。でもそれは冷たいって意味じゃなくて、最善の方法を理想的な方法で実現させることがうまいってことなんだ。人の相談に乗る仕事に向いていると思うよ」


「次はマチちゃん。手を出して」


緑色の光は、真紅に染まる。


その瞬間、イツキさんの表情が曇ったような気がした。


「…マチちゃんは、大切な何かのために戦う、そんな気がする。その力を生かせるのは、多分…弁護士だ」


マチちゃんは気だるげに答える。


「でも領主さま。わたし、めんどくさいの嫌だよ」


…この子、ぶっ込んでくるなぁ。キモが据わってる。

これにはイツキさんもタジタジ。


「こらマチ。領主さまにそんなこと言っちゃダメでしょ。一族(いちぞく)郎等(ろうどう)皆殺しにされちゃう」


ソラがマチを注意する。


「いや、しないから」


イツキさんの優しげなツッコミが入る。


「じゃあ次はラフィくん。手を出して」


緑色の光は、黄色に変わる。


「そうだねえ。君は発明家タイプだと思うよ。みんなの役に立つものをいっぱい発明すると思う」


ラフィの表情が強張る。

ラフィはしばらく黙り込み、そして言った。


「…でも!オレはとうちゃんみたいな冒険者になりたい!」


そう訴えるラフィの声は、力強かった。


「うん。それもいいと思う。君たちは若いから、何だってできるよ。僕の占いは参考みたいなものなんだ」


ラフィはそれを聞いて安心したようで、ホッとした顔になる。


「次はクローバーちゃん。手を出してね」


緑色の光が、より深い緑色へと変化する。


「クローバーちゃんは植物は好き?」


「はい。お父さんが図鑑をくれてから大好きになりました」


「君は植物関係の仕事が合ってるよ。きっと。僕が今まで見てきた中でいちばん、自然に愛されてる」


クローバーはそれを聞くと、嬉しそうな様子で、祈るように両手を胸に当てた。


「次はアリオくんだ。手を出して」


俺は素直に両手を差し出す。

緑色の光は輝きを増し、白い光となった。

イツキさんは、俺と目線の高さを合わせる。


「アリオくん。ゼリーは好きかい?」


「…嫌いではありません。好んで食べるわけでもありませんが」


「そっか。じゃあ本題に入ろう。君は…魔法使いだ」


…こいつは俺に喧嘩を売っているのだろうか。誰がクソ童貞だ。


イツキさんの言葉で、役場内は大騒ぎ。


…どうやら喧嘩を売っているわけではなさそうだ。

するとあれか。俺はふしぎパワー(まほう)を行使できるってわけか。


「魔法使いっていうのはね、固有魔法を編み出して使える人のことなんだ。普通は30歳以上って制限がつくらしいんだけど、君はもう魔法使いになってる」


おいおい。

それはあれですか。

30年間貞操を守り続けましたで賞のことですか。

やっぱり喧嘩を売って居やがった。ちくしょう。

たしかに俺は今年で通算30年間生きてる。

こっちに来る前はチェリーボーイだよ。


ってやかましい。


「僕は初めて見たよ。魔法使い」


10代のうちに結婚して子供を作るのが普通なこの世界。

30年も貞操を守り続けられる人間はそういないでしょうよ、ええ。


不満そうな様子は決して顔に出さない。

頭のおかしい保護者から身を守るために前世で培った技の一つだ。


「それとね、君は教師になるべきだと思う。君、なんだかとっても教師っぽい」


そりゃそうだろう。教師なんだから。


満足げな様子で立ち上がったイツキさんは、最後の子、リリアの前に向かう。


「リリア。君で最後だよ。手を出して」


リリアの手を包む緑色の光が輝きを増す。


その光は、変化することなく消えた。


「やっぱりダメか」


イツキさんは、リリアの肩をぽんぽんと叩くと、後でもう一度試してみようか、と言って立ち上がる。


「皆さん、お疲れ様でした。先程も申し上げましたが、僕の占いは未来予知ではありません。それぞれのお子さんは、少なくとも現段階では、このような進路が合っているのではないか、というアドバイスとして受け取っていただければと思います。子供にとって最善の進路は、自分自身がやりたいことをやれる環境に進むことです。保護者のみなさん、あくまでもそのことを念頭に置き、くれぐれも今回の審査に固執することのなきようにお願いいたします」


保護者たちは、当然だとばかりにイツキさんに一斉に拍手を送った。


そんな中、俺はリリアのことが気になって仕方がなかった。

この小説は俺TUEEE系小説にはならない予定ですが、ちょっと設定を盛りすぎた感じあるかな…と心配しております。

アリオくんの今後の活躍にご期待ください。


このストーリーのメインヒロインを誰にするか、まだ決めかねています。

書きたいことはいっぱいあるので、その時が来たら決めていこうかと。

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