因縁(前編)
今回は珍しく前編、後編と言う形をとります。
それでは最後まで楽しんで読んで頂ければ幸いです。
翌朝、一行は出発の準備をしていた。
ふと、ガウェインの手が止まる。そして口を開く。
「アーサー、すまない。どうしてもあの二人を連れていくことに納得できない。」
「ガウェイン。あの二人の力は本物だ。連れて行けば確実に楽になる。今回だけだ、我慢してくれないか?」
ガウェインはそれでも首を縦に振らなかった。そしてマーリンに剣を2本出してくれと頼んだ。
マーリンは断る理由も見つからず剣を2本出した。
そしてランスロットの元へ行くと手袋を投げつけたのだ。
「何のつもりですか?決闘をするという事でいいですか?」
ランスロットは少しだけ怒っているような声をしていた。
「そうだ。お前が勝ったら俺は大人しくお前らの同行を認める。俺が勝ったらラルムに戻り罰を受けてもらう。」
ガウェインの行動にモードレッドが怒る。
「おい!ガウェインてめぇいい加減にしろよ!黙って聞いてりゃ…」
ランスロットがガウェインに突っかかっていくモードレットを制止する。
「わかりました。その決闘、受けましょう。ガレス、モードレッドを抑えていてくださいね。」
頼まれたガレスはモードレッドをなだめながら二人から距離をとる。
お互いに剣を構える。一つの風が吹き抜けピタッと止んだ瞬間、両者同時に飛び出す。
剣は激しくぶつかり、何もない砂漠に金属音が響いていく。
しかし、筋力はガウェインに分がある。少しづつ押されていくランスロット。
少しだけ剣をずらしガウェインの剣を流し反撃に出る。
しかし、ガウェインもそう簡単にはやられない。
すぐさま体勢を立て直し、その剣を弾く。そしてまた反撃をする。
両者共に一歩も引かない打ち合いがしばらく続く。
一瞬だった。ほんの一瞬の隙をランスロットが衝き勝負が決した。
「私の勝ちでいいですね?」
首元に剣を突き付けられたガウェインは答える。
「お前は、俺の弟たちを殺した。そのことを今はどう思ってるか聞かせてくれ。」
ランスロットは暗い顔をし答える。
「あの時の事は本当にごめんなさい。貴方と貴方の弟君達には本当に悪いことをしたと思っています。許してとは思いません。ですが今回の事も含めて償うチャンスをください。」
そう言うとランスロットは座っているガウェインに手を差し伸べる。
「その言葉だけで充分だ。悪かった。」
ガウェインが手を取り、2人はお互いに謝り和解したようだった。
「さて、過去の因縁も晴れたところで出発しようか」
マーリンが場の空気を和ませようと毅然にふるまう。しかし、一人が声を上げる。
「親父!俺たちの因縁もここで決着させよう!」
モードレッドだった。その言葉にアーサーも満更でも無いように答える。
「ランスロット、ガウェイン、剣を貸してくれ。」
ランスロットとガウェインから剣を受け取りお互いに構えるのだった。
次回のななてんは決闘を始めるアーサーとモードレッド。
この二人の決闘は命を奪うまで終わらないんじゃないか?と不安になるマーリン。
次回もお楽しみに。




