銀の腕
すいません、砂漠に乗り出せませんでした。
今回も説明回です。次回、次回こそは…
楽しんで読んで頂ければ幸いです。
アーサー一行は5人に用意された部屋へと案内されていた。
広々とした空間に案内されるとここを5人で使ってくださいとのことだった。
騎士たち4人はマーリンの事を指さし、全員示し合わせたようにこう言った。
「こいつと同じ部屋は嫌でーす。」
ちょっと失礼じゃないかな!とマーリンは反論したが、秘書も冗談が通じる人の様で、
「マーリン様には別の部屋を用意いたしましょうか?」
などと笑いながら乗ってきてくれた。
秘書が部屋から去ると、5人は会議を始めた。
「ベディ、この世界のスライムについて詳しく教えてくれないか?」
「はい、我が王。この世界のスライム、特にヴェレーノヴュステに生息しているスライムは強毒性で、分裂しても分かれて再生するという厄介な特性も持っています。その上で伸縮自在、質量や、移動エネルギーなど物体的な法則下には一切縛られないという最強生物なのです。現状こちらが有している有効な攻撃手段としては、マーリン殿の炎系の魔法かガウェイン卿のガラティンによる炎熱斬撃のみです。」
「俺たちは役立たずってわけか…」
アーサーがうなだれる。
「あはははははは!僕を崇めるといいさ!」
調子づくマーリン。
「それでベディ、町長が言ってたデッドポイズン…とか言う奴は何なんだ?」
「はい、デッドポイズンサンドスライムですね。彼は魔王軍の幹部です。スライムで唯一人型を有しており、魔王の右腕だという者も少なくありません。皆さんもう知ってると思いますが、アロンダイトを持っているのもこいつです。」
とベディが右腕を上げる。本来無いはずの右腕を。
「ベディ、その腕…」
「あ、あぁこれはアガートラーム。神より授かりし銀の腕です。炎熱による攻撃はできませんので期待はしないでください。」
「そ、そうか…それでそいつの攻撃とか気をつけなきゃいけない点とかあるのか?」
「彼の戦闘に関しては全く分かりません。彼に見つかって生き残った者は未だいません。気を付ける点は彼に無暗に近づかないことです。」
「遠くから戦闘を見たものは?」
ガウェインが尋ねる。
「居るには居るのですが、錯乱してしまって何が何だか…唯一分かっているのは、対峙した者が足から徐々に消えていったそうです。」
「足からか…そうすると普段地中に居て、地面から攻撃してくるってことか?」
「いえ、その時は正面に居たそうです。」
全員が頭を抱える。アーサーが立ち上がり、会議をまとめる。
「ここで考えてても始まらないな。まずは例の二人組を捕まえよう。明朝ここを発つぞ。」
アーサーの提案に全員が頷き会議が終わるのであった。
ベディの銀の腕に関しては本編では触れません。
後々ベディヴィエール主人公の外伝を出しますのでそちらを読んで頂ければと思います。
次回こそは砂漠に乗り出します!
どうぞお楽しみに!




