アヴァロンよりの転生者
さて、ゼクスなんちゃらの事なんて忘れて新作1本書いてみます。
つたない文章ですがそこはご容赦を!!
最後まで読んで下れば幸いです。
7人の転生者は世界を救う?
スタートです!!
「もうかれこれ1500年ここで暮らしてるけどさぁ、一体いつになったら復活できるんだ?」
金髪碧眼、容姿端麗の青年が愚痴を漏らした。
「まぁまぁ、焦らずもう1000年ぐらい待ってみよう?いつか復活できるって」
答えたのは腰まで髪を伸ばした青年だ。若干こちらの方が年上のようにも見える。
「マーリンさんは呑気でいいですね!!俺は早く2回目の人生自由に生きたいんです」
マーリンと呼ばれた青年が答える。
「そんな事言われても、転生先決めるの僕じゃないし、待つしか無いんだよねー」
「あー円卓のみんなもう50回ぐらい転生して昔の事なんて覚えてないんだろうなー」
「そもそも記憶持ったまま転生できるのは、このアヴァロンにいるアーサー、君と僕ぐらいなんだけどね」
「そーだけどさー…こうも花しかないと見飽きるよなー」
アーサーと呼ばれた青年は1輪の花をむしった。
「いいじゃない、1輪摘めば全部違う花になるんだし」
あたり一面を覆っていた花が風に揺られて色彩、形を変えていく。
「今度は紫のパンジーか、マーリン何回目?」
「僕だって覚えてないよ。少なくともこのくだりは687回目だけどね」
アーサーはむしろそっち覚えてるのかよと思っていた。
「まぁいいや、トレーニングするかなぁ。マーリン剣出してくれ」
「はいはい」
マーリンは呪文を唱え始める。するとアーサーの手の中にあった花がみるみる西洋の剣に変わっていく。
アーサーは剣が完成すると早速振り始めた。
「流石伝説に名高いアーサー王だ。これだけの年月たっても君の剣筋はちっとも鈍らないね」
「何をッ言うかとッ思えばッ…それもこれもお前が剣を出してくれるおかげだろ」
アーサーは剣を振り続ける。マーリンは1輪の花を木へ変えてその根元へ腰かける。
「それじゃ僕は昼寝でもしてるよ。おやすみー」
そう言うとマーリンは眠り始める。
「適当な時間に斬って起こしてやる」
「斬るのはやめてねー痛いから」
そして1時間が経過した。
もっとも現実世界での1時間とアヴァロンの1時間では全くの別物なのだが…
「ふー、こんなものか。」
アーサーは剣を手放す。すると剣は元の花に戻り宙を舞い地面に着く。
その瞬間、アヴァロンが揺れ始める。マーリンが飛び起きる。
「な、何事だい!?アーサー君がやっているのか!?」
「ま、まさかそんなわけないだろ!!」
どうやら1500年の中で初めての現象らしい。
「アーサー、並びにマーリン。そなた等を呼ぶ者がいる。行くがよい。」
アヴァロンの天から低い声が響いた。
アーサーとマーリンの体が光りながら宙に浮く。
次の瞬間アーサーとマーリンの姿はアヴァロンから消えていた。
「ん…な、何だったんだ…」
アーサーは当たりを見渡した。森だ、見たことのない森の中に倒れていたようだ。
「マーリンここは何処だ?俺たちはアヴァロンに居たはず…一体何が起こって…」
「どうやら転生したみたいだね。体も衣服もそのまま。転移とも言ってもいいかもしれない。しかしここが何処かは僕にもわからないな」
アーサーはきょろきょろしていた。なぜなら声はするのにマーリンの姿が見えない。
「マーリンどこだ?姿が見えないぞ?」
「何を言ってるんだい僕は君の隣にいるじゃないか」
そう言われて声のする方をよく見てみる。するとカブトムシほどの物体が宙を浮いていた。
「マーリン、その姿はなんだ?虫か?虫にでもなったのか?」
「え、僕の姿が虫だって?そんなわk…」
マーリンは自分の姿をよく見る。かなり小さくなっている。
「わぁぁぁぁ!?ぼ、僕の体が縮んだぁぁぁ!な、なんだこれは新手の嫌がらせか何かか!?」
マーリンが珍しく慌てていた。
「マーリン、先に謝っておく間違って潰したり斬ったりしたらすまんな」
満面の笑みでアーサーは言った。
「うわぁぁぁ絶対こいつ僕の事斬るよ…早く元のサイズに戻りてぇぇ」
パキッ
二人が会話をしていると森のおくからそんな音がした。
「何か居るようだな…マーリン剣を」
アーサーは辺りにあった花を1輪手に持つ。
マーリンがすかさず呪文を唱える。
花はみるみる剣に変わって…
「おい、ふざけてるのか?ただの棒になったぞ?」
「僕がそんなミスするわけないじゃないか…って本当に木の棒じゃないか!?」
マーリンは思った。呪文は間違えてなかった。噛んでも居ない。1500年間唱え続けた呪文だ。間違えるはずがない。だとするならこの姿になったのと関係しているのか?
「しかたない、これでやりあうしかないか!」
音を出していたであろうモノの影が見えてくる。人のようだが、影の形が明らかにおかしい。
カランッ骨と骨がぶつかる様なこすれるような音が聞こえる。そして姿が見えた。
「マーリン、骨が動いてるぞ」
「あ、あぁ、僕も生で見るのは初めてだ。あれは黒魔術でつくられたスケルトンとか言う怪物だ。確か頭部を粉砕すれば倒せるはずだ。アーサー君の剣技見せてあげなよ」
「いわれなくてもそうさせてもらう!」
アーサーはスケルトンの頭部に凄まじい連撃を叩き込む。
スケルトンの頭部は難なく砕けた。砕けると同時にその場にスケルトンは崩れた。
「これでいいかマーリン」
「うん、大丈夫なはずだよ。とりあえずこの森は抜けた方がよさげだね」
カランッ、アーサーの背後で崩れたはずのスケルトンが動き出している。しかも砕いたはずの頭部までもが元に戻ろうとしていた。
いかがでしたでしょうか?
第1話アヴァロンよりの転生者
お楽しみいただけましたでしょうか?
これから先も読んでいただければ幸いです。
不定期投稿ですが最後までどうかお付き合いください。