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湯気の中  作者: 三波直樹
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 テーブルに半分に折った手拭いを二枚重ね、金子さんがオーブンレンジから取り出したアクアパッツァを置いた。


「おー、豪華やなあ」


「お腹鳴りますね」


「どっから食べたらいいんかな」


「決まりなんてないよ、おいしく食べるのが一番やからね」


「でもおいしく食べるコツもあるんじゃないですか?」


「あるかもね」


「教えてほしいなあ」


「知りたいです」


「そうやなあ」


 それは、幸せになる魔法の言葉だった。


「湯気のあるうちに食べると、おいしいよ」


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