3話:お嬢様と魔法騎士団団長
更新が遅くなりました、すいません。
あと、タイトルを若干変更させていただきました。
よろしくお願いします。
「お待ちしておりました、ユーファ様」
透き通るような美しい声の女性。女の私でも魅了されてしまうその声とブラウンのロングヘアに藍色の瞳、そして抜群のスタイル。これが容姿端麗というやつか。
私は今、王城にいます。
馬車に乗る体験はもちろん、お出迎えもはじめてである。
メイドさんが壁に沿って並んでいるのを見ると私の屋敷は小さいなと実感する。内部の装飾も細部までこだわっておりどれも一級品。
どうしよう、スケールが大きすぎて眩暈が。
「私、魔法騎士団団長リノースと申します。本日はお忙しい中、急に申し訳ありません。早速ですが王ならびに王妃様、王子がお待ちです。さぁ、どうぞこちらへ」
魔法騎士団って魔法使えるんですかこの人。その前に魔法騎士団って何……。
流石は異世界。魔法もアリなのか。素晴らしすぎる。
後に続いて廊下を歩いていると、急にリノースさんが話しかけてきた。
「ユーファ様、失礼ですが記憶がないとは本当ですか?」
「はい。私自身のこと、家族、そして皆様のことも」
そう、全てを覚えていない。いや、分からないのだ。
きっぱりと答えると彼女は小さく笑みを浮かべた。
「そうですか。以前のユーファ様の面影は少しもありませんし」
「……そうなんですか?早く思い出せると良いのですが」
以前の私は果たしてどのような性格だったのだろうか。
胸に手を当てて瞼を閉じて考えていると、リノースは一言呟く。
「私は今のユーファ様のほうが良いですね」
それはどういうことですか!?
目を丸くして驚いているとリノースは振り返り続けて言う。
「なぜ、とういう表情ですね。まぁ、そのうち分かるかと思います」
「そ、そうですか……。では、その日を楽しみにしています」
真実に一歩でも近づくなら私は楽しみに待っていよう。
「こちらです」
話しながら歩いていると大きな扉の前に着いた。
ドクン、と心臓の音が高鳴った。
だが、緊張もあれば反対に妄想も膨らんでいるわけで。
王子様つまりはイケメン。なんせお父様も王子様のことを容姿端麗、剣術にも魔術にも秀でている、国民からの支持も厚いとベタ褒めであった。あなたが王子の虜になってどうする。
何事も二次元にしか興味がないので、テレビなどでイケメンと騒がれているアイドルに一切そのような感情がないのである。
なので王子様がどのような人物かとても妄想が膨らむ。
紳士的な場合、お手をどうぞお姫様などと甘い時間を過ごしてみたい。
クールな場合は……正直なんでもアリですよね。ヤバい、クールヤバい。
はっ、私は断りに来たんだった。甘い時間は夢のまた夢に遠ざかる。
「ユーファ様」
「えっ、ああハイじゃなくて……すみません、緊張で」
「……大丈夫です。今のユーファ様ならきっと」
「へ?……ありがとうございます」
妄想の世界に旅立っていたので口調が直らない……。今の不審に思われただろうか。
チラッと彼女の方を見ると口元が微かに緩んでいるように見えるがたぶん大丈夫であろう。
扉が開く。
見てやろうじゃないの、王子様を!
私は向こうへ進んだ。
更新が遅かったにもかかわらず文章が短く、下手です←いつも通りですね;
数時間後に短いですが、リノース視点を番外として更新しようかと思います。
閲覧ありがとうございました。