表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

S・旅立ちどき

 ドアを開けると、笑っているお父さんとお母さんが立っている。

 深夜、ふと眼が覚め、ぼんやりとしたアタマでさっきの夢について考える。ここ五年間、(つぼみ)の見る夢は毎日同じだった。そして、また考える。なぜ、あの人は狂ってしまったのだろうか。なぜ、家族が壊れてしまったんだろうか。一つ目の理由は分かってる。二つ目も同じだ。でも、やっぱり、やっぱり認めたくない。怖いから、悲しいから、つらいから、ドアの向こうを見れない。

 お父さん、帰ってきて。あの人をどこかにやって。

 お母さん、戻ってきて。あの人と二人っきりはイヤ。

 どうしよう、私。どうしようか、私。

 映画の最後には「THE END」の文字が浮かぶ。スタッフロールのあとのお約束だ。ハッピーエンドでもバッドエンドでもこれは変わらない。間違いない、映画好きの私が言うんだから。でも、このままじゃ絶対に私の人生はバットエンドで終わっちゃう。「THE END」の文字を不幸の文字にはしたくない。だから、だからもう、これしかない。


 朝、蕾は心を決めていた。まず、(じょう)先輩に会いに行こう。そして話を聞いてもらおう。進まなきゃ、進まなきゃ。映画だって、何かしらの新展開が無くちゃ面白みにかけるんだし。きっと、私も進むべきだ。対決しなくちゃ、あの人と。そのための準備をするべきなんだ、そう思うとなんだか身体が軽くなった気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ