与信管理能力試験講座Ⅱ
与信における重要事項
与信の根幹は対象の返済に対する意思と能力の存在である。与信に失敗した例は、ギルドの与信を最大限に引き出した後に回収部門を振り切って逃亡したボナパルト・フランセと基礎課程を修了してもうだつの上がらないために返済が滞る下位10%のギルドメンバーが挙げられる。
前者は返済の意思、後者は返済の能力に欠けていた。
能力値と実績値がともに優良であったとしても貯蓄率の低いメンバーや基礎課程中に一定の見込みが得られないメンバーに関しては、早期に与信を取りやめ、金融ギルドの有限責任出資やシュタイムハイム見回り隊のような軽度でかつ保険的役割の大きな仕事を割り当てるのが肝要である。
金融ギルドが有効フロンティア上であれば高リスクなエクイティへの出資も引き受けるのに対し、シュタイムハイムギルドは安定した資産の増加のため基本的にデットしか扱わない。
社会の安定性を図る上で、構成員の収支バランスの確保と微細な変化の察知を両立するため、シュタイムハイム見回り隊は下位ギルドメンバーの受け皿として成果を上げている。
ギルドの不良デットの発生要因は受信者及びその家族の不慮の事故が84%である。
また下位ギルドメンバーのデット返済の滞納率は、シュタイムハイム見回り隊の結成以後、50%から27%に低下している。
これは金融ギルドにおける中期ローンの不良デット率の36%よりも低く、評価に値する。
《与信管理能力試験講座Ⅱ》