クリスマスミッション
クリスマス企画です
元のプロットではドリルさんがスニーキングでプレゼントを届ける話でした
ダ○ハードどこ行ったw
こんな話になりました
わが家はただ今クリスマスの準備で忙しい
といってもわが家だけのささやかなパーティーだ
転生者の家では皆やってると思うが他には知られてないからだ
一応転生者会議で設定は考えてあるが、まあ、そういうのはフレーバーだからね
子供たちが喜ぶならそれでいいのだ
さて、いよいよクリスマスを明後日に控え子供たちの準備が始まった
「今年こそサンタさんにお礼をしたいです」
長女で少しおっとり気味なメイサはあまりリーダーには向かない性格みたいで、こういう場合はあたふたしてしまいがちだ
毎年もらうサンタからのプレゼントにお礼をしたいと毎年言っているのだが、未だにサンタに会えないでいる
いつも寝てしまうのだ
それで子供たちは今年こそはと意気込んでいるのだ
わが家のクリスマスは少しアメリカンなテイストを取り入れている
暖炉のあるリビングにツリーを飾り、その下に家族からのプレゼントを置いておくのだ
で、子供たちはクリスマス当日まで待たないといけないのだ
子供たちは待ちきれず「開けてい~い?」と、何回も聞いてくる
そのたびに「んー、まだですよー。当日のお楽しみです」と返す
ん~
可愛い~ぜ~
結婚してよかった
「サンタさんってどんな人かな?」
次女のレイカは面倒な事が苦手で実力行使に訴える事が多い
サンタさん、撃墜しなきゃいいけど
「早くお会いしたいです」
いつも丁寧に話す三女のエクスはこんな時にも一番冷静だ
一番リーダーに向いてるのかもしれない
という訳で子供たちはワイワイと作戦会議の真っ最中だ
サンタさんには情報ダダ漏れだけどね
ん~
可愛い
◇
子供たちの作戦はサンタさんに会って手紙とお菓子を贈る計画のようである
サンタさんへの手紙は三人共もう書いてあり、お菓子はわが家定番のクッキーになるようだ
なるべくできたてを食べてもらいたくてイブに作るんだそうな
「母様、明日お台所使っていい?」
エクスが使用許可を求めてくる
さすが手際が良い
「んー、良いけどお料理作る時間はとっておいてね。でないとお料理無しのクリスマスになっちゃうわ」
「はい! 午前中で良いですか」
「ええ、でもお昼前には終わらせてね」
そうして子供たちはクッキーの材料を買いに、おこずかいを握りしめて町へ出て行った
ワイワイと買い物をするのだろう
子供たちには料理やお菓子作りをちゃんと教えてある
小さい頃からメイド喫茶に出入りしてるので自然に覚えた
店長に直接習ったりしてるので筋は良い
お菓子なら包丁を使う機会も少ないので普通の料理よりは安心なのだ
もちろん今では普通の料理だって完璧だ
さすがわが子!
◇
クリスマスイブの午前中
子供たちは手早くクッキーを焼き上げ、思い思いの飾り付けとラッピングを施し、ツリーの元へ手紙を添えて置いた
大きく「サンタさんへ」と書いてある
よっぽど読んで欲しいんだな
「サンタさん喜んでくれるかな」
「クッキー食べ過ぎたら太るかしら」
「たくさんあるから妖精さんたちと食べてほしいな」
可愛いよ君たち
◇
さて、夕食を済ませケーキも食べて子供用スパークリングワインも飲んでご機嫌になった所でプレゼントオープンである
本来ならクリスマス当日にプレゼントを開けるのだが、子供たちが待ちきれないのだ
そこで家族からのプレゼントは開けて良い事にした
本命はサンタさんである
包装紙代わりのラッピングをはがしプレゼントを確認する
今年は随分と可愛らしい物を選びましたね旦那様
女の子向けの文房具ですか
いつもは怪しい自作玩具だったのに
てっきり今年は妖怪を捕まえる腕時計かと思いましたよ
「むー、なぜか不評だったからな」
「ふふっ、そういえば、私にもプレゼントってあまりくれませんでしたね」
「あー、すまん」
まあ、結婚指輪くれたので良しとしましょう
指輪無しの結婚式は締まりませんからね
ちゃんと腕輪の方ももらいましたよ?
でないとこっちの人たちには結婚したって分かりませんからね
◇
さて、子供たちはツリーの前にクッションを置いてサンタ待ちである
眠らないように皆でボードゲームをしている
「1、2、3、ベビー誕生。出産費用として$100支払う。あー、もうお金がありません」
「破産ですかねえ様」
「まだ少し残ってます!」
白熱しているようだ
◇
声がしなくなったと思ったら、いつの間にか子供たちはみんな寝ていた
風邪を引かないように毛布を掛けていく
今年もダメだったね
さて、いよいよサンタミッション開始である
その場を離れ旦那様に連絡する
「こちらトナカイ、こちらトナカイ、小羊は眠った。どうぞ」
連絡用のミニトレイに小声で話しかける
「こちらサンタ、了解。ミッションをスタートする」
凝り性な旦那様は真っ白な大きなヒゲと真っ赤なサンタスーツに身を包み、毎年プレゼントを届けているのだ
サンタスーツには認識阻害と偽装のスキルが付いていて、太った人の良さそうな老人に見える
誰も見てないのに毎年の事だ
家の外で雪の上にソリの跡と足跡を偽装し、さすがに煙突から入れないので玄関から家に入る
私がドアを開けると真っ赤な服を着た太った老人が立っていた
「メリークリスマス」
私は小さな声で定番の挨拶をする
「メリークリスマス」
赤い服の老人は「ホッホッホ」と笑うと挨拶をした
サンタをリビングに招き入れると、彼は音を立てないようにそうっとプレゼントを置いた
そして子供たちの手紙を目にすると「ホッホッホ」と笑い
手紙とお菓子を回収した
嬉しそうである
「んぁ、サンタさん?」
そして帰ろうとした時にメイサが寝ぼけて起き出した
「しー」
口に指を当て家を出ようとするサンタ
夢だと思ったのかメイサはまた寝てしまう
サンタは思い出したように私にもプレゼントの箱を渡した
「いつも頑張っている君にもプレゼントだ」
サンタはサンタ笑いをしながら家を出て行った
さてサンタが帰る偽装工作が終わればミッションコンプリートである
旦那様を回収しなきゃ
「こちらサンタ。トナカイ応答せよ。ドアを開けてくれ」
帰ってきたかな
「トナカイ了解。今開けます」
ドアを開けるとプレゼントの袋を持った旦那様がいた
ん?
袋?
「旦那様? どうして袋に中身が入ってるんです?」
怪訝な顔で旦那様は「これからプレゼントを配るのだが?」と言った
じゃあ、今出て行った人は誰?
私たちが表へ出てみると、空を横切る者の姿が
「ソリが飛んでる」
「引いてるのはトナカイかな?」
「本物!?」
ちなみに私がもらったプレゼントは子供たちのサンタコスバージョンのフィギュアでした
子供たちの内緒話
「サンタさん、どうやって捕まえようかしら」
「色仕掛けで籠絡するとか。ねえ様頑張ってね」
「ええー!? 私無理だよー」
「大丈夫。サンタはロリコン。大人じゃない方が良い」
「ええーー!? それなら私じゃなくても良いじゃない…… 何で二人共、目をそらすの!」
生け贄は誰だw
------------------
一方サンタは
サンタ「うまくいったかのう」
トナカイ「大丈夫わん。きっと喜ぶわん」
サンタ「さて、次はピコの家か。さっさと終わらせて鍋でも食うぞ」
トナカイ「お鍋わん。あったまるわん」
正体バレバレw