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没原稿 閑話 外堀をドンドン埋めてしまいましょうね 幸せになりなさい

このお話は本編の没原稿です

折角書いたので、もったいないから投稿しておきますw


没にした理由は、自由恋愛を推奨しているトレイさん家が、勝手に結婚をセッティングするのは変かなと思ったので


あと、会話の流れがちょっと強引でしたのでw


「母様、お義姉様、アルちゃんの事でお話があります」

「あらあら、何かしら? もしかしてあの方の事?」


トレイとエミーがメイド喫茶に出勤している日の午後のお茶会の席で、セルスティアは真面目な顔で話しかけた

ここには母親と兄ルデルの婚約者アリサとセルスティアしかいない


あの方というのは勿論、最近話題のドリルを持った治療士である彼女のクラスメイトの事


「母様もやっぱり気付いてらっしゃいましたね。お義姉様はアルちゃんから何か聞いてますか?」


セルスティアは最近出来た兄の婚約者を、もう既に義姉と呼んでいた

アリサは彼女の方が年上なので恐縮して答えた


「いいえ、でもアルちゃんは隠し事とか苦手ですし。思うに本人も気付いてないかもしれません」

「気付いてない? はあ、やっぱりそんな事になっているのね」


先日また気絶して帰ってきた妹を心配してセルスティアはため息をついた


「アルちゃんが男の人の話をするなんてほとんど無いですから。悪い方ではないみたいですし、アルちゃんのために縁談のお話を進めたいのです」

「まあ? 素敵なお話ね」


彼女は手を合わせてにっこり微笑んだ


「それでイネス様とノーラと相談しようと思うのです」

「そうね、先方とも相談しないといけないわね。今度リンスター家と取引の話でうかがうからその時に話してみましょうね」

「はい、母様。それでは私はノーラと相談してみましょう」


皆は頷き合った


「あの、エミーさんは反対するではないでしょうか?」


アリサはここにいないエミーの事を思い出した


「勝手にお話を進めては怒ってしまいませんか?」

「でもエミーも嘘がつけない性格ですし、どうしましょう母様?」

「しかたないですね、しばらく内緒にしておきましょう。私が怒られれば良いのですから」

「そんな、お義母様。私達も……」

「あらあら、優しいのね。でもこれでも母親ですからね。少しは母親らしい事をしないと」


そう言ってにっこり笑った


「お義姉様は反対しないのですか?」


アリサは年上の義妹に、お義姉様と言われ慣れていないのでまだ緊張している


「反対なんてとんでもない。私はアルちゃんに幸せになってもらいたいですから。二人とも普段から気が合うみたいですし。あんな事があってぎこちなくなって、気になってたんです」


トレイさんが怪我をして帰った日

ドリル治療で怪我は治ったがトラウマが残ってしまったのだ

以来、二人の間には微妙な距離が出来ていたのだった


「そうそう。そういう事ならドレスも用意しないといけないわね。デビューパーティーのドレスも作るからついでに作っておきましょう。採寸も一度で済むわ。お友達にも内緒で手伝って貰いましょうね。あら忙しい、アリサさんの結婚式もあるから大変だわ」


パルティアの結婚式は親しい者達でドレスを飾り付ける習慣がある

サプライズするには内緒でクラスメイト達にも手伝って貰う必要があるのだ


「私の準備は済んでいますから。後はドレスだけです。……あの、アルちゃんのお式、貴族式で大丈夫でしょうか? 他の貴族から怒られたりしませんか?」


トレイさんの相手、ドリルさんは平民なのだ


結婚式の手順は平民も貴族も基本はそう変わらない

誓いの言葉を述べ披露宴の様な物をやるだけだ

違うのはパーティの規模と招待客の客層くらいだろう


ただし貴族の結婚には国の許可が必要だ

勝手に結婚は出来ない

平民に嫁ぐ事になっても貴族からの籍を抜かなくてはならない

事務手続きも必要なのだ


「そこはルデルに頑張って貰いましょうね。書類仕事や根回しは得意でしょうから。これ位できないとわが家の跡は継げませんからね」


アリサは微妙な顔をして未来の夫に同情した


「そうなるとセルちゃんのお式の準備もしないといけないわね」


彼女はお祝い事が沢山できたのでにこにこしている


「わ、私ですか!?」


セルスティアは急に自分に話を振られたので驚いた


「あら、アルちゃんがお嫁に行くまでは自分も行かないって言ってたでしょう?」

「それはそうですけど」

「なら、そちらも進めてしまいましょうね。忙しくなるわ。お針子さん達には頑張って貰わないとね」


このまま行けば、三つ同時の結婚式になりそうな勢いであった


「そうだわ! 合同でやっちゃいましょうか?」

「母様、お願いです。手加減してあげて下さい。父様が死んでしまいます」


溺愛する娘が二組一度に結婚する事になったら、父親が大変な事になるとセルスティアは思った

息子の方はあまり気にしていないらしい


「お義姉様、私達早く孫の顔を見せないと、父様倒れるかも……」

「ええっ!?」


結婚もまだしていないのに、いきなり孫の話をされて顔が赤くなるアリサだった


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