プロローグ 4時限目?
「ん~~?みんな揃って何してんだ?」
また違う声が聞こえ、皆揃ってその声の主に振り向いた。
一際目立った反応は莱。
「お、いいとこに来たじゃん。こいつが噂の転校生様々だよ」
「おお~~!お前か速水和樹は!」
間違った情報流れとるぞ。ここの情報部は本当に大丈夫なのか?
「……ぷっ」
「里中?今俺見て笑ったろ」
「………………」
踏んだり蹴ったりか俺は。
「はぁ…で、この人は?」
「おう、こいつは相川健治ってんだ」「おう、俺は相川健治ってんだ」
同時に話すな。微妙に重なってたのは地味に凄かったけど。
「本当あなた達仲いいよね~ああ見えて結構有名なのよ?あのコンビ」
「え、そうなのか?」それは初耳だな。
「うん、2年代表バカコンビって」
知らんでよかった。ああ見えても仕方ないんじゃなかろうか。
「ん~~……もう時間もやばいし、今はここ辺にして皆で食おうぜ?」
と、背伸びしながら莱が話を切り出す。
「ってか、まだいるのか?お前の友人」
「まぁな。でも紹介するには時間掛かりすぎるし、続きはまた後でって事で」
「はぁ~~」
顔が広いのはなんとなく気付いていたけど、こりゃ想像以上か?
「じゃあどこで食べるの?」
「よっしゃ!ここは莱に変わってこの俺が絶景のスポットを」
「………屋上」
「はい決定ー健治は1人で行ってろ」
「そりゃねぇぜおめぇら!」
ワイワイと盛り上がる会話の中、俺はまだここにいる事実を飲み込みきれていない自分がいる事に気付いた。
ホントにここで、学校生活送れるんだな……
「和樹?早く来ないと置いてっちまうぜ!」
「あ、ああ。すぐ行く」
上からの莱の声に驚き、慌てて階段を駆け上がろうとした。
ズルッ
「あ―――――」
心臓が跳ね上がり、手が手すりから離れ、
体位が崩れる。
「!?和樹!」
莱が叫んでいたんだろうが、この瞬間の前じゃそんな声も頭に通らない。
ただ思った事は、
運が良いなんて、調子に乗るんじゃなかった。
背中から衝撃が全身に走り、
俺の意識はあっけなく身を引いた。
まだ背中が痛い。
立ち上がれない。
息も出来ない。
苦しい、空気を吸いたい。
助けて―――
「――――ハッ!?」
目が醒めると俺は自分の身を案じた、が。
…さっきと全然違う。あんなに痛かった痛みは1つも感じられない。
麻痺みたいな作用も、今の俺には感じられない。
何があった…?
「…?」
そういえば、ここはどこだ?
さっきとまるで世界覧が違う。俺は確かに学園にいたのに……
本当にどこなんだろう。ここを1言で表すならここは、
目立つものも何一つない殺風景な……
「!?」
俺はもう1つの衝撃を受けた。ここは朝、俺が見ていた……ここは、
「ここは、夢の中なのか?」
―――プロローグ fin
ファンタジー入ってきました。ここから両要素加速です。