表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/34

Dream2話「乗り切れる事と乗り切りにくい事」


足の震えは止まっていない。

マンガだけと思っていた命のやり取りをここでするなんて誰が予想した?

……分かってる、死んでいいなんて今は考えていない。




やらなきゃ。




「………ッ!」

うかつに攻めるとあっと言う間に刺されてしまう、今の俺とあいつじゃ殺傷力が桁違いなのだから。

避けろ、避け続けろ。震える足を1歩ずつ後ろに下げながら相手の大振りをかわしていく。


……不思議だ。俺はケンカ強いとか言われてもマンガに出てくる様ないわゆる「主人公補正付きの強さ」って訳じゃないのに、ここまで擦り傷1つ付いてない。


こんな瞬発力あったっけ?運動とか最近してないぞ?


「ーーーーー主様左!」

「っとォ!」

どうやら考えに集中がいき過ぎてかわし方が遅れた様だ。それでも俺は攻撃を難なく避けてみせる。


……防御に集中しないぐらいの実力が、今の俺にある?

どうなってるんだ……


「狙える箇所がある筈です、主様!」

「!っく!」


俺は喧嘩はした事あるけど、小学校で良くある相手を押し倒してひたすら暴言言いつける低レベルな「ケンカ」しかした事が無い。


だから相手がナイフを大きく振り上げ、隙を見せた時、

手を握って拳を作る自分が、気持ち悪かった。

そして相手を押し出す様に思い切り拳を相手の溝おちに入れた時、


やたら柔らかい感触と減り込んでいる自分の手が、また気持ち悪かった。


でも、その中で少し快感を覚えた俺は、


多分調子に乗っている。



*********


「ほ、ホントに死んだのか?まさか、あんな1発だけで…」

あいつはあれからピクリとも動かないままで、俺を焦らせていた。

この年で刑務所送り?イヤだ!


「お見事です主様!カッコよかったですよ!」

「さっきから何なんだ!今はほっといて……」

その声は後ろから聞こえたので半ばなりふり構わず答え振り向くと、


「く……れ……?」

「?どうしました?」


……いやいやありえん、嘘だ嘘。まさか目の前に、

妖精スタイルのルックス抜群少女が居るとかどんな設定!?


(まさか某RPGに出て来そうな奴が俺の目の前に……!)


いや、知っている人なら一度は憧れるだろうファンタチックな展開、奇跡に感謝すべきだろうがこれは本当に、本当に……


「夢なら、夢ならここで夢って言われた方が……!」

「……主様?ここ夢です」

「ゑ……?あっ、そうだった」


始めから俺は知ってたんだった……何考えてんだ俺。

そして俺はこの奇妙な所から脱出しようと……



「……?私に何か付いてます…?」

………この娘のお陰で脱出しにくい……

補足すると和樹の身体能力は、何の不都合も無く健康に育ったものなので、非力でもなければ怪力でもない平凡クラスです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ