第八話「してやられた事としてやろうと思った事」
俺はこいつのとんでもない情報収集力に脱帽し、そして情報を漏らした奴を恨んだ。誰だよあんな下らないの流した奴。
「じゃあ残りの2つは違うって事になるな…にしてもあるんだなぁ、先生にも間違いが」
先生かぃっ!
「……ん、どうした速水?ばつの悪い顔して」
勘違いの発祥地が先生って分かればばつの悪い顔も当然だろう。
それに、俺はなんとなくその先生が誰か分かる気がした、と言うよりそれしか名前を知らない。俺は思い切って一言で男に聞いた。
「…あの」
「ん?」
「天谷先生?」
「天谷先生」
やっぱあいつじゃねぇかクラァァァァ!!(発狂)
「……速水?頭から煙が」
「気のせいです」
「声も何か怖いぞ?」
「気のせいです」
もうからかうレベルじゃねぇよ、情報部を困らすぐらいになってるよ。しばく。
「まぁでも本人が来てくれたおかげで解決できた!ありがとう。個人的にスッキリもした」
俺が個人的にスッキリしてない。
「はぁ……じゃこっちからもちょっと疑問あるんでいいですか?」
「それとな…」
まだあるのかよ!しかもさりげなく俺の話スルーしやがって。
「お前来たばかりだから仲良くしてくれぐらいしか書けないんだよ。だから少し時間をこっちに渡してくれないか?取材みたいなもんだ」
「…………」
チャンスと思った。つけ込むなら今しかない。
「もう1つ疑問あるんで、それに答えたらでいいですか?」
「おお、何でも聞いてくれ」
「じゃあ………」
「前情報で「転入生はぽっちゃり系」って流した奴誰ですか?」
「……!あ、あー…」
言葉が詰まっている。やっぱり情報部、何か知っているとは思っていたけど…
やっと分かる、誰があんな酷い(精神的に)事を…
「……んーと、な?その…」
「あれ流したの俺だ」
こいつもしばく。
「分かりました。じゃ後好きにしてください……すいません、名前…」
「タメ口でいいぞ?飯田涼だ」
その後30分程質問にほぼぶっきらぼうに答え、情報部を後にした。
因みに涼……………先輩は最後まで俺に謝らなかった。むしろ失敗は誰にでもあるよな!と開き直ってニコニコしていた。男ってみんなこんなんなのか?
あ、俺も男だった。