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第一夜 物語り師と月の魔石[2]

 西の地平に日は沈み、暗黒が街を、そして大地を支配する。昼間はあれだけ賑わっていた市場も、見違えるほど静かだ。都市と砂漠を繋ぐ門は堅く閉められ、フェルカンドはゆっくりと眠りにつく。月明かりだけが、暗闇の世界をほのかに照らした。

 夕食を終えた、アティーヤは再びライルの部屋までやってきた。

 部屋にはアティーヤとライル以外に、女将とその娘、女将の妹もいた。皆、ライルが語るお話を聞きに集ったのだ。

 物語り師の語りは、女子供にとって数少ない娯楽の一つだ。特に砂漠では楽しみも少ない。

 アティーヤも幼い頃は、昔話をたくさん知っている叔母の話を聞くことを楽しみにしていた。成長するに従いそういう場からも遠ざかることになったので、宿屋の幼い娘が期待に目を輝かせているのを見ると、懐かしい気持ちになる。

 アティーヤは、娘とは違う期待を胸に抱いていた。

 彼はずっとバドル・アル・ドュジャーを求めて旅をして来た。そして行く先々で話を聞いて回ったりしていたが、有力な手がかりは見つけることが出来なかった。しかし、話を聞いてきたといっても、その相手は仕事上の繋がりをもった商人が主。まさか物語り師がその手がかりを持っているなどとは考えていなかったのだ。だから、ライルがその宝石の名を口にしたとき、アティーヤの心臓は高鳴った。それは彼にとって、不意に舞い込んだ幸運だった。彼女の物語が、バドル・アル・ドュジャーへと導く光となることを期待して、ライルが口を開くのを待つ。

「まず、お話を始める前に聞いてもいいですか」

ライルは部屋に集まった者を見渡し、そう言った。そしてアティーヤと視線を重ね、真剣な声色で問う。

「アティーヤさんは、どうしてバドル・アル・ドュジャーを探してるんですか?」

 アティーヤは、直ちに答えることは出来なかった。間を置いて、答える。

「……私の父も宝石商で、バドル・アル・ドュジャーを探していたんだ。父はもうこの世にいない。私は父の跡を継いで宝石商になった。その時に私は仕事だけでなく、父の遺志も継いだ。だから、なんとかしてその宝石を見つけ出したいのだ。それが、宝石商としての夢でもあるんだ」

 嘘ではなかった。実のところは、本当の事をすべて包み隠さず話した訳では無かったが。

「……なぜそんなことを聞くんだ?」

「バドル・アル・ドュジャーはただの珍しい鉱物ではありません。伝説の宝玉です。賢者には恵みを与えますが、愚者には災いをもたらします。よこしまな気持ちや間違った心で近づけば、厄災が降りかかります」

 近づくと言っても、ただ物語を聞くだけなのに――そう思ったがライルの言葉には、有無を言わせぬ力があった。アティーヤは口を噤み、物語が始まるのを待つ。

「物語を始める前に、この物語をわたしに語って聞かせてくれた姉の話を少しさせてください。姉は優れた物語り師でした。物語り師と説教師、違いはなにか分かりますか?」

 アティーヤは首を振った。

 説教師というのは、街角や礼拝所の前などにいて人々に話を聞かせる者たちのことだ。語ることが仕事であることが物語り師と共通しているのは分かるが、違いはと聞かれると答えられない。

「説教師は聖典に書かれた言葉や古人の教訓などを、物語を通じて人々に伝えるために語ります。物語り師はそんな崇高な目的のためには語りません。――ただ、生きた証を刻み付けるために、語ります」

「物語の登場人物が生きた証を、か?」

「登場人物、そして語り部自身が、です」

 ライルの双眸はまっすぐこちらに向けられている。

「身内にこんなことを言うものではないのかもしれませんが――間違いなく姉は物語り師として天才でした。一つの言葉で聞き手を物語の世界へと誘い、物語を胸に刻み込む……わたしはそんな姉の元で育ってきました。姉は様々なお話を知っていましたが、特にバドル・アル・ドュジャーにまつわる物語を集めていました。この宝石にまつわるお話は、星の数ほどあると聞いています。しかし、姉もその内のいくつかしか知りませんでした。わたしが語ることができるのは、その内でもたった一つ。……姉ほど上手くは語れませんが、聞いてくれますか?」

 一同が頷く。ライルはそれを見て、再び口を開く前に瞼を閉じた。胸元で拳を握り締め、深呼吸をする。自分を落ち着かせているのかもしれないし、姉に想いを馳せているのかもしれない。

 そして、唇を開く。闇の中、両眼が開く。

「今宵語りますは、とある青年と美しき異形の娘の物語でございます」

 少女が発したたった一言。その一言が、宵の空気を震わせ、この小さな薄暗い部屋を支配する。

 その声から、瞳の輝きから、誰が昼間の不安で震える少女を想像するだろうか。そこに少女はいない。一人の物語り師がいた。すべての言葉が、――いや、言葉だけでなく些細な動作や息遣いのすべてが、聞き手を惹きつける。

「物語の主役である青年は、砂漠を歩いておりました。たった一人。家族と生き別れて……」

 ライルは締め切られた窓のほうを見た。その向こうに果てしなく続く広い乾いた大地に、想いを寄せるように。

「行くべき方向も分からず、青年は足を進めます。青年にのしかかるのは、不安、恐れ、そして絶望――」

きっと今、ライルの瞳の奥に映っているのは砂漠を彷徨う青年――そして自分自身だ。

 ライルは語る。青年が、そして自分が生きた証を刻みつけるために。

「――ああ、どうして自分だけが生き残ってしまったのか。そんな思いが青年の頭の中を駆け巡ります。なぜ、よりによって自分が。もっと生き残るべきものがいたはずなのに……そんな思いで青年は大地を踏みしめるのでした――」

 薄暗い部屋の中を乾いた風が吹き抜け、物語の始まりを告げた。


 *


 果てしなく続く乾いた大地を、一人の青年が歩いておりました。

かの者の名はファジュル。日に焼けた褐色の肌に黒い髪、白い衣を纏った若人でございます。彼は将来立派な商人になるべく父のそばで商いを学ぶ、若い商人でございました。ファジュルの父はあまたの駱駝を引き連れて砂漠を渡り、あちらの街で品物を買い付けこちらの街でそれを売る大商人でございます。

しかし彼は今、馬にも乗らずお供も連れずに一人で地を踏みしめておりました。白く輝く太陽は、じりじりとファジュルの力を奪います。ですが、彼には喉を癒すための一滴の水すらありません。

 裕福な商人の息子である彼が、なぜこのような苦難を背負うことになったのかと申しますと、それは一昨日の晩、彼と彼の父親の身に起こったことが理由でございます。ファジュルと彼の父は部下達とともに、品物を駱駝に乗せて長い隊商を作り、荒野を進んでおりました。すると、砂埃が舞い上がったかと思いますと、そこにベールで顔を覆った野盗の一団が現れました。粗暴な野盗どもは恐ろしい剛力で、人や駱駝を斬りたおしていきました。ファジュルの父親は勇敢に最後まで戦いましたが、ついには野盗の凶刃に倒れてしまいました。ファジュルは命からがら逃げることができましたが、彼に残されたものはもう何もありません。青年にできるのはおぼろげな記憶だけを頼りに街を目指すことだけです。しかし気力も体力もともに極限にまで達しようとしておりました。

一人歩いていると、思い出すのは父のことです。母のいない彼は、いつも父の背中を追って生きてきました。父は商才があり、それでいて正々堂々としており、そして最期まで勇敢でした。

 父のようになりたい。それがファジュルの願いでした。しかしそれは叶わない願いであるとも思っていました。

 ファジュルは、自分はなんて臆病なんだろう、と心の中で嘆き悲しみました。今だって、青年の心は恐怖で押しつぶされそうなのです。

「……嗚呼、父さん。僕は父さんのようにはなれません」

しかし今となってはその父もいません。財産も肉親も失ってしまったのです。足は鉛のように重く、一歩進むごとに疲労が積み重なっていきます。それでも街は今だに姿を現しません。

 ファジュルが己の宿命に絶望し、死を覚悟した時です。

 荒地の彼方に、うっすらと街の影が見えたのです。




 街に足を踏み入れてすぐに、ファジュルの喜びは悲嘆へと変わりました。というのもその街には、人どころか鼠の子一匹姿がなかったのです。どうやら住人達は遠い昔に街を捨ててしまったようです。人のいない街は不気味なほど音がなく、土でできた建物だけが静かに並んでおります。風の音だけがファジュルの耳に届きました。

「これも神の思し召しなんだろうか……」

 ふと、視線の端で何かが動きました。そこにいたのは灰色のベールを被った娘。娘もまたファジュルに気づきます。しかし彼女は逃げるように駆け出しました。

「待って! お待ちください!」

 ファジュルは慌てて娘を追いました。娘は人無き街の路地裏を走っていきます。しかし、高い壁に突き当たり、ついには行き場を失いました。娘はファジュルと相対することになります。

その時、一陣の風が吹き、かの娘からベールを奪いました。乙女の顔があらわになります。その風貌にファジュルは息を呑みました。といいますのも、娘の肌は乳のように白く、この世の人のものではないかのようだったのです。柳の枝が風になびいているかのように揺れる髪も、まじりけのない白でございました。そして体つきはしなやかで、涼しげな目をしております。ファジュルは今日まで、これほど異様で、しかしながらも美しい風体の乙女をみたことはありません。その美しさは、人ならざる者の美しさでありましたので、ファジュルは思わず問いました。

「あなたは人の子ですか。それとも妖魔の類でしょうか」

「あなたはどうなのですか」

 美しき乙女は問い返しました。その声はあたかも鈴の音のようでした。

「わたくしは人の子……商人ディヤーブの息子で名はファジュルと申します」

 それを聞くと娘はファジュルに歩み寄り、丁寧に頭を下げました。

「ファジュル様、とおっしゃいますのね。わたし達の街にようこそいらっしゃいました。心より歓迎いたします」




 白い髪の娘は自らをイマルと名乗りました。

 イマルはファジュルを自らの家に招きいれました。かの娘の家に向かうまでの間も、また彼女の家の内でもやはり人の姿は見えません。ファジュルは一抹の不安を抱きましたが、イマルが差し出した水の入った器を見た瞬間、それも吹き飛びます。

ファジュルは、久しぶりに飲み物を口にできる喜びに涙すら零しそうになりました。そうしていると次にイマルは、ご馳走の盛られた皿を持ってきます。砂漠の真ん中で豪華な食事にありつけると思ってはいなかったので、ファジュルは感激してしまい、「嗚呼、偉大なる神はやっぱり僕を見捨てなかったんだ」と呟きそれを口にしました。それらの食事の中には美味でないものは一つとしてなく、ファジュルは一口食べるごとに神への感謝の言葉を繰り返したのでした。ファジュルが勧めると、イマルもご馳走を食べ始めました。若く美しい娘との宴ともなりますと、ファジュルの喜びはいっそう高まります。

そうしているうちに太陽は砂漠の彼方に沈み、夜が訪れました。すると今度にイルマが運んできたのは、酒でした。

「娘さん、わざわざ用意してくれたのは嬉しいけど、僕は神に誓って飲酒はしないと決めているのですよ。お召し上がりになるのでしたら、あなたお一人でどうぞ」

 その言葉に娘は悲しそうにまなこを沈ませます。

「あなた様はわたしに一人で酒を飲めとおっしゃるのですか? わたしはあなたと出会えた今日という日を、杯を交わして祝いたいのです」

 それでもファジュルが首を縦に振らないと、イマルはますます悲しそうにします。

「後生ですから、わたしと一緒にお酒を飲んでください。ほんの一口でも構いませんから」

 なにしろ相手は見たこともないくらいに美しい娘ですから、ファジュルはつい杯を受け取ってしまいました。ほんの一口だけでやめにしよう、と思って飲み始めたのですが、その酒はあまりにも美味しく、またイマルが次から次へと酒を注ぐのですから、ついついたくさん飲んでしまいました。

 さて、酒を飲んで、腹が膨れると、今度は瞼が重くなるものでございます。

「過酷な旅路でしたから、さぞお疲れのことでございましょう。寝床に案内しますわ」

 そう言うイマルに付き従い、ファジュルはおぼつかない足取りで寝室までついていきました。寝室に着くと、疲労感は頂点に達し、ファジュルはそのまま寝床に寝転がりました。

 ファジュルはすっかり上機嫌になっていました。このときばかりは父のことも忘れ、イマルに問いました。

「娘さん、あなたのお陰で今夜は今までにないくらい安らかな眠りにつけそうです。ところであなたの寝室はどこなのでしょうか」

 ファジュルの問いに、イマルは口を押さえながら笑いました。

「何をおっしゃっているのですか」

 そうして、ファジュルに顔を寄せます。青年の耳に、娘の甘い吐息がかかりました。

「ここがわたしの寝室でございます」




 次にファジュルが目を覚ましたのは、まだ夜が明ける前でございました。そしてイマルの姿は見えず、辺りは物音一つございません。

「どこにいってしまったんだろうか。朝餉の支度をするにしても、早すぎるんじゃないだろうか」

 もう一度目を閉じるも、イマルのことが気になって寝つけません。そこでファジュルは、部屋の外に娘を探しに行くことにしました。しかし、部屋を出るも、屋内には人の気配がありません。

仕方がないので娘は家の外で彼女を探すことにしました。外に出てファジュルは、まず空を見上げました。黒い夜空には、不気味なほどに赤い満月浮かんでおります。それを見ていると、イマルの姿が見えないことがますます不安になってしまい、足早で娘を探します。月光で照らされた誰もいない街は、昼間に見たときよりも、もっと気味が悪く思えました。

ファジュルの不安でたまらなくなり、元来た道を戻ろうかと考え始めた頃、彼の目が流れるような白髪を捉えました。夜風になびいた、かの娘の頭髪でございます。

イマルはこちらに気がつかず、大きな神殿のような建物に吸い込まれるように消えていきました。慌てて、ファジュルもそれを追います。神殿の中は月の光が届かず暗黒に包まれていましたが、細い一本道だったので手探りで進むことができました。

しばらく進むと、天井が高くて広い部屋に出ました。天井に隙間があるようで、そこから月明かりが差しこんでおります。娘の姿は見えません。ファジュルが来たほうとは逆側にもう一つ出入り口があるようでした。

辺りが見えることに安堵したのもつかの間、ファジュルは自分の目に映ったものに背筋を凍らせました。そこにあったのは、一粒の宝石です。装飾が施された高い台座に据えられたその宝玉は、人の頭ほどの大きさがあり、ファジュルはこれほどまでの大きさの宝石を今まで見たことがありません。月の光を反射し妖しく輝くそれは、今宵の不気味な月が空より零れ落ちたかのようにも見えました。その光は美しさというよりは邪悪さを感じさせます。さらにおぞましいことに、その石を守護するように二体の巨大なさそりの像が対をなすかのように立っております。顔の部分のみが人間のものと同じであるその像は、恐ろしい形相でファジュルのほうを見下ろしております。

邪悪なる宝石。おぞましい像。得もいわれぬ力を感じ、ファジュルは思わず後ずさりました。悲鳴が口から零れそうになりましたが、手で口を押さえてなんとか堪えました。そして小さく呟きます。

「神に対してなんて冒涜を!」

この街の者がかつてこの宝玉と偶像を信仰の対象としていたことを悟ったのです。あるいは未だ姿を見せないだけでこの街には人がおり、これらを崇めているのかもしれないとも思いました。そして、自分はそうとも知らずにあの娘とともに一夜を過ごしたことを思い出すと、吐き気を催しました。

 その時、知らない男の声が夜のしじまを引き裂きました。

「見つけたぞ! 化け物!」

 ファジュルは声のしたほう、さっき来たほうとは逆の出口を、足音を立てないようにしながら目指します。こちらも一本道で外へと続いていました。ファジュルは身を隠しながら様子を窺います。

 まず目に飛び込んだのはイマルの後ろ姿。そして、髭を生やした壮年の男でございます。男のほうは武人のようで、その面は闇の中でも分かるほど怒りで赤く染まっております。男は手に持った剣の鞘を払い、イマルのほうに向けました。ファジュルは息を殺して様子を見守ります。

「我が弟の仇!」

 男はそう叫ぶと剣を振り上げ、迫りました。刃が月光を受けて煌きます。ファジュルはイマルが八つ裂きにされるところを想像しました。しかし、イマルは軽やかな足取りでそれを避けます。そして――そして飛び跳ね、風に吹かれて舞い上がる羽根のように体を浮かせます。その身のこなし、まさに人あらざるものの動きでございます! そうしてそのまま落下し、なんと男の首筋に噛みついたのです!

 忌まわしい光景でした。空に浮かぶ赤い月。ほとばしる赤い血潮。そして娘の瞳は火のように赤々と輝いております。静寂の中、娘が血を啜る音だけが聞こえました。男は悲鳴も上げず、ただ絶望で歪んだ顔で苦しみ、やがて事切れました。

 その凄絶な光景に、ファジュルは気を失ってしまいました。


 *


 そこまで語り、ライルは口を閉じた。

 それ以上何も言わないので、たまらずアティーヤは尋ねる。

「それで? それで、その娘は一体何者なんだ? そしてその宝玉は、バドル・アル・ドュジャーなのか? 頼む、ライル。続きを聞かせてくれ」

 アティーヤの言葉に、他の聞き手達もうんうんと頷いて同意する。

 聞き手は皆、ライルが語る妖しくも魅惑的な物語の虜になっていた。

 アティーヤは気が付けば、ファジュルの心情に自らの心を重ねていた。同じ若い商人であったからというのもあるが、なによりもライルの語りのためでもある。彼女の語る全てがアティーヤの胸に訴えた。

 そして、蝋燭の明かりが届かない闇に、なにかが潜んでいるように思えた。子供の頃信じていた妖魔や魔人が、ライルの物語に惹き付けられてすぐ近くまできているような、そんな感覚だ。

しかしライルは首を横に振った。

「……今夜お話出来るのは、ここまでです。これ以上お話していると、明日の朝起きられません」

「だが……!」

バドル・アル・ドュジャーの行方という最初の目的を抜きにしても、早く続きを聞きたかった。

 それでもライルは、首を横に振るばかりだ。

「……じゃあ約束してくれ。明日の夜も、必ずこの続きを語って聞かせてくれると。明日だけじゃなく、物語が終わりを迎えるまでずっとだ」

「はい。約束します。続きは明日の夜、絶対に語ります」

 そう言ったライルの表情は、物語り師としての誇りに満ちていた。


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