欠片92.『潜入ー7日目』
欠片92.『潜入ー7日目』です!
※レンチ
ボルトやナットなどを回すことによって、締め付けて固定したり緩めて外す作業を行うための工具。
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間、過去回想など
ー2本=漫画で例えた時の流れ
アストラは、コンベアが動く始まりの場所を探して歩いていた。
(外周を一周してみたが…ただ繋がっているだけだと?)
「どういうことだ」
「どこにも内側の壁へ繋がるコンベアがない」
アストラが壁を見て回ったが、どこにも壁へ繋がるコンベアはなかった。
(それならば、この容器はどこから送られてきているんだ)
その時、近くで作業していた機巧技師の手から、金槌が落ちた。
"ゴドォォォ〜〜ン"
「…!!」
(なんだ今の"音"は?)
(響き方が…普通の音とは違った。)
と、アストラは白く加工された部屋の地面に、耳を傾けた。
"シィーーーーン"。
(何も聞こえない)
「そこのご老人。ちょっと鉄製の何か物を貸してくれないか?」
「おぉ?いいけど、どうしたんだ?」
「なに、スグに終わる」
※
と、機巧技師からレンチを受け取った。
手に持っているレンチを地面に落とすと、スグに地面に耳を傾けた。
"カラァァ〜〜〜ンッ"……"カラァ〜ンッ"……
(なるほどな。)
「感謝する」
と、手に持っていたレンチを、機巧技師に返した後に質問した。
「ここが地下階層の最下層であっているな?」
「?」
「ああ、そうだぜ。」
「何がしてぇのかわかんねぇけど、嬢ちゃんがこんなとこまで来てよぉ。ただの加工場なんて眺めてもつまんねぇだろぅ。ハッハッハ。」
「そうだな。失礼するよ。」
何かに気づいたアストラは、その場を後にした。
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【冒険者ギルド 旅人の守神】
2日前に依頼を出していたクロードがやって来ていた。
「こんにちは!冒険者ギルド『旅人の守神』へようこそ!!」
「こんにちは。先日はお世話になりました。」
「あれ?あなたは確か……一昨日依頼を出された方ですね!」
「ええ。あれからどうなりましたか?」
「参加者は三組ほど、その内一組の方が見つけていましたよ!」
「そうでしたか!その方はいまどこに?」
「ちょうど、あちらの席に座っていますよ!」
と、奥のテーブル席を指差した。
「あと、報酬の受け渡しはコチラでやっておきますね!」
「では、コレを。」
と、白銀硬貨9枚と、白金硬貨1枚を手渡した。
その後、クロードはテーブル席に座っている1人の人物に話しかけた。
その人物は、"体格が良く"薄汚れたフード付きのコートを被っており、顔には全面真っ白な仮面を被っていた。
そして、両手足には肩や太ももから手首、足首までにかけて包帯を巻いており、背中には大きな大剣を担いで座っていた。
「アナタが"情報屋の居場所"を知っているのですか?」
「ええ。」
と、"低い声"で発した言葉を聞くと、クロードは向かいの席に座った。
「報酬金は受付の方にお渡してます。あとでお受け取り下さい。」
「それで、その情報屋の居場所はどこなんでしょうか?」
「……。貧民街エリアにいる。」
「小さな2人の子供と、夜は共に行動しているじいさんだ。」
「名前は分からない。」
(名前が分からないのは困りましたねぇ…。)
「さすが"情報屋"なだけはある。」
「ヤツの聞く名は、全て違う名らしいからな。」
「念の為、聞いた名を全てお聞きしても?」
「ーー。ーー。ーー。……だ。」
「なんの規則性もなさそうですね。」
(確かにこれでは意味がなさそうだ。)
「その方が、昼間はどこにいるか知っていますか?」
「すまない。そこまでは分からなかった。」
「コレくらいしか情報はないが……報酬に見合うだろうか?」
「……。ええ。大丈夫ですよ。」
「ご協力ありがとうございました。」
「では、私はこれで。」
「ああ、くれぐれも貧民街エリアには気をつけてくれ。」
「タチの悪い、ゴロツキだらけだ。」
・・・・
「ええ。お嬢さんも……お気をつけて。」
と、クロードは冒険者ギルドを後にした。
「……。」
(まさか、気づかれていたとはな。)
(『隠蔽』の魔屑石を"使っていた"のに。フッ…なかなかのやり手らしい。)
(まあ、これで少しは旅の稼ぎにはなったかな。)
その冒険者は立ち上がり、受付嬢から報酬金を受け取った後に冒険者ギルドから出ていった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
最近 XのTLに可愛いワンちゃん流れてきすぎで心臓飛び出そうになる。




