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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
94/262

欠片92.『潜入ー7日目』

欠片(ピース)92.『潜入ー7日目』です!


※レンチ

ボルトやナットなどを回すことによって、締め付けて固定したり緩めて外す作業を行うための工具。


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間、過去回想など

ー2本=漫画で例えた時の流れ


アストラは、コンベアが動く始まりの場所を探して歩いていた。



(外周を一周してみたが…ただ繋がっているだけだと?)



「どういうことだ」

「どこにも内側の壁へ繋がるコンベアがない」



アストラが壁を見て回ったが、どこにも壁へ繋がるコンベアはなかった。



(それならば、この容器はどこから送られてきているんだ)



その時、近くで作業していた機巧技師の手から、金槌(かなづち)が落ちた。



"ゴドォォォ〜〜ン"



「…!!」


(なんだ今の"音"は?)

(響き方が…普通の音とは違った。)



と、アストラは白く加工された部屋の地面に、耳を傾けた。



"シィーーーーン"。


(何も聞こえない)



「そこのご老人。ちょっと鉄製の何か物を貸してくれないか?」


「おぉ?いいけど、どうしたんだ?」



「なに、スグに終わる」


        ※

と、機巧技師からレンチを受け取った。

手に持っているレンチを地面に落とすと、スグに地面に耳を傾けた。



"カラァァ〜〜〜ンッ"……"カラァ〜ンッ"……



(なるほどな。)



「感謝する」

と、手に持っていたレンチを、機巧技師に返した後に質問した。



「ここが地下階層の最下層であっているな?」


「?」

「ああ、そうだぜ。」


「何がしてぇのかわかんねぇけど、嬢ちゃんがこんなとこまで来てよぉ。ただの加工場なんて眺めてもつまんねぇだろぅ。ハッハッハ。」



「そうだな。失礼するよ。」



何かに気づいたアストラは、その場を後にした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【冒険者ギルド 旅人(メルスメント)守神(アンダーキュリー)



2日前に依頼を出していたクロードがやって来ていた。


「こんにちは!冒険者ギルド『旅人(メルスメント)守神(アンダーキュリー)』へようこそ!!」


「こんにちは。先日はお世話になりました。」



「あれ?あなたは確か……一昨日依頼を出された方ですね!」


「ええ。あれからどうなりましたか?」



「参加者は三組ほど、その内一組の方が見つけていましたよ!」



「そうでしたか!その方はいまどこに?」



「ちょうど、あちらの席に座っていますよ!」


と、奥のテーブル席を指差した。



「あと、報酬の受け渡しはコチラでやっておきますね!」



「では、コレを。」


と、白銀硬貨(はくぎんこうか)9枚と、白金硬貨(はくきんこうか)1枚を手渡した。


その後、クロードはテーブル席に座っている1人の人物に話しかけた。

その人物は、"体格が良く"薄汚れたフード付きのコートを被っており、顔には全面真っ白な仮面を被っていた。

そして、両手足には肩や太ももから手首、足首までにかけて包帯を巻いており、背中には大きな大剣を(かつ)いで座っていた。



「アナタが"情報屋の居場所"を知っているのですか?」



「ええ。」


と、"低い声"で発した言葉を聞くと、クロードは向かいの席に座った。



「報酬金は受付の方にお渡してます。あとでお受け取り下さい。」

「それで、その情報屋の居場所はどこなんでしょうか?」



「……。貧民街エリアにいる。」

「小さな2人の子供と、夜は共に行動しているじいさんだ。」



「名前は分からない。」



(名前が分からないのは困りましたねぇ…。)



「さすが"情報屋"なだけはある。」

「ヤツの聞く名は、全て違う名らしいからな。」



「念の為、聞いた名を全てお聞きしても?」


「ーー。ーー。ーー。……だ。」



「なんの規則性もなさそうですね。」

(確かにこれでは意味がなさそうだ。)



「その方が、昼間はどこにいるか知っていますか?」



「すまない。そこまでは分からなかった。」

「コレくらいしか情報はないが……報酬に見合うだろうか?」



「……。ええ。大丈夫ですよ。」

「ご協力ありがとうございました。」



「では、私はこれで。」



「ああ、くれぐれも貧民街エリアには気をつけてくれ。」

「タチの悪い、ゴロツキだらけだ。」



    ・・・・

「ええ。お嬢さんも……お気をつけて。」


と、クロードは冒険者ギルドを後にした。




「……。」

(まさか、気づかれていたとはな。)


(『隠蔽(ハイド)』の魔屑石(ませつせき)を"使っていた"のに。フッ…なかなかのやり手らしい。)



(まあ、これで少しは旅の稼ぎにはなったかな。)



その冒険者は立ち上がり、受付嬢から報酬金を受け取った後に冒険者ギルドから出ていった。





最後まで読んでいただき、ありがとうございます!



[今回の一言♩]

最近 XのTLに可愛いワンちゃん流れてきすぎで心臓飛び出そうになる。

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