欠片79.『潜入ー3日目』
欠片79.『潜入ー3日目』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間、過去回想など
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【旅人の旅館 アストラがいる客室】
酒場での出来事から、一夜を終えたアストラは起床した。
白いキャミソール姿の彼女は、布団を半分はぐり上半身を起こした。
そばには、テーブルの花瓶に入れられている白い花。
その花びら1枚が…テーブルの上に落ちていた。
アストラは花びらを眺め、昔の記憶を思い出していた。
「……。」
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バチィーンッ!!
ドサッ
と、石のタイルでできた小さな部屋の中で倒れる少女。
「…やめてっ…。うぅ。お父さま。」
「ごめんなさい…。もっと頑張るから……。」
「うぅ…。グスっ。」
と、頬を押さえて泣いている少女がいた。
「全く!オマエはいつになったら出来るんだ!!」
「教えられた事以上の努力をしないと……我がルナスター家は…。」
「…クソッ!!今日もメシは抜きだ!鍛錬が終わるまで休むことも許さん!!」
「うぅ…。」
「……はい。お父さま。」
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顔に手を覆い被し、少し沈黙する。
そして、髪の毛を"クシャクシャっ"とした後に身支度を済ませた。
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【旅人の旅館 待ち合わせの一室】
「お待ちしておりました。アストラさん。」
「どういうことだ?」
「今日はフロデューテが来るはずだったと思うが」
「ええ。そのこともお伝えいたしますね。」
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「ーー…と、言ったところです。」
「なるほど」
「サーチとフロデューテも向こうでやる事があるってことか」
「そうなります。今後の予定は如何しますか?」
「フロデューテに関しては、それが可能なら…」
「7日後までにコチラに来て、間に合うようなら問題ない」
「だが…サーチには早めに来てもらう。」
「7日後には必ずこっちに来て、やってもらわないとな。」
「明日、戻ったら伝えてくれ」
"カチャリ"。
「承知しました。」
「わたくしはどうしましょう?」
「好きにしてもらって構わない」
「そうですか。ではのんびりとしておきますね♪」
「本日は私もおりますので、ご安心ください。」
「では、ワタシはこれで失礼する」
「夜の九時に、また会おう」
「ええ。」
「かしこまりました。」
と部屋から出て行こうとするアストラは、足を"ピタッ"と止めた。
「……酒場で、信徒の幹部を見つけた。」
「灰色の毛をしたオオカミの獣人、肌が水色のダークエルフ、トンボの姿をした蟻蛾」
「…そして、ヒト族の黒いハットを被ったクセ毛の男だ。」
「全員、微量の魔力反応があるから分かるはずだ」
「くれぐれも気をつけろ」
「ありがとうございます。」
と、クロードがお礼をして、ホリーは"ニッコリ"と笑顔で見送った。
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【極子水星要塞とある地下研究室】
カツッ…コツ…コツ。
と、ヒールの足音が暗い部屋の中に響き渡る。
部屋の中に薄気味悪く黄緑色に光るガラスの円柱の間を、通り抜けていく白衣を着た女がいた。
その円柱の中には、黒い影と液体のような物が入っていた。
ゴポ……ゴポポッ…。
その円柱はいくつもあり、大きさがバラバラな影が映し出されていた。
…ゴポ……コポッ。
ゴポポッ…。
突然、そのうちの一体が目を見開くと、赤い光が暗闇の中で輝いていた。
「あの子達じゃあ…無理だとは思ってたけど」
「それにしても、思ってたより早めのご到着じゃあな〜い〜」
「まっ、だから何だと言ったところだけれど」
・・・・
「最高傑作のお披露目までが……楽しみね。アストラ。」
「…ウフフッ。」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
リンゴジュースたまに飲むとめちゃくちゃ美味しく感じる。




