欠片76.『潜入─2日目』
欠片76.『潜入─2日目』です!
怪しい二人組の会話を聞いた後──アストラは、潜入から1日目に訪れていた森の奥へとやって来ていた。
「広い湖だな」
(辺りには何もないな)
(機屑物の気配すら感じられない)
ザッ………ザッ……。
湖の辺りまで来たアストラは、目を見開いていた。
湖は空が透き通ったように青く。光の反射によってキラキラと美しい光景が広がっていた。
「素晴らしい景色だな。」
『そうだろぅ〜そうだろぅ〜?』
『キレイだろぉ〜……ここぉ。』
「──!?」
突然──湖から聞こえてきた声に、アストラは驚いていた。
(気配がしなかっただと…!?一体どこから…。)
「誰だ?」
その質問と共に、声の主は湖から顔だけ姿を現した。
──チャプっ。……ヌゥゥ〜ン。
『んん〜……?ここいらでは、見ない顔だべな〜。』
『よそもんか〜?』
湖の主[キャッシュ(27)]
[半魚人(モデル:オオナマズ)]
(なんだコイツは……。)
(魚人か?)
『ヌッ…』と、突然現れたナマズの顔をした半魚人は、"の太い声"でアストラに話しかけていた。
「なんだキサマ」
『……あ、あ〜……。あ。あっ。』
「……?」
『あ……あぁ…。』
『……アンダ…。キレイだべ。』
『──オラと、結婚じてくれッ──!!!』
「──!!」
あまりにも衝撃的な言葉に、アストラは目を見開いたまま口を閉じていた。
そして、その様子を点のような目で黙って見つめるキャッシュに、アストラはしばらくの無言の後。
冷静に答えていた。
『……。』
「……」
「無理だ」
『"ガビ──ンッ"』と、雷に打たれたかのように驚くキャッシュは、大きなショックを受けていた。
そして、そのまま下に俯くも──すぐにアストラを見つめ直して質問をするキャッシュ。
『オラの……何がダメだ?』
『金か…?金ならいっぺぇある…!湖に落ちてきたヤヅが!いっぺぇあるべ!!』
「……」
「全てだ」
アストラの返答に、再び『"ガビ──ンッ"』と、驚きながらショックを受けたキャッシュは、もう一度。下に俯いていた。
(相手にしにくいヤツだな……。)
「オマエはこの場所に住んでいるのか?」
『──ッハ!』
『んだ!ココのヌシだで!』
『み──んだ!オラのことをリーダーと思ってぐれてるだ!!』
『どうだ?ケツコンする気になっだか?んー?』
「……」
「そうか、邪魔したな」
颯爽とその場を立ち去ろうとするアストラに、キャッシュは慌てて声をかける。
『ちょ、ぢょっど、まっでくれぇ〜!』
『じょ、冗談だべ!!へへ。』
「出会ってからいきなり、知らないヤツの求婚を誰が了承するんだ?バカなのか?」
「用がないならワタシに話しかけるな」
『ちょっと、まっでくれぇ!』
──キッ…!!
しつこいキャッシュを睨みつけるアストラ。
「しつこいヤツは嫌われるぞ。」
『ち、違うんだべ…!!』
『…ア…アンダ……。あの街の秘密。』
『──知りだくないか?』
『ピタッ』と、その言葉を聞いたアストラは歩みを止め、キャッシュの元へと歩き直した。
「……ほぅ。」
「その話───詳しく聞かせろ。」
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【AM0:23〜】
【極子水星要塞 地下・酒場
──劇場の鎮魂歌・澪】
「……ホットミルクを一つ頼む。」
『かしこまりました。』
女性の声で頼まれた注文に、黒いウェイトレスを着たウサギの獣人が答える。
その獣人は、広いお店の中を『スタ、スタ』と、足音を鳴らしながらバーのカウンターへ向かった。
すると、カウンターの中にいた。別のウサギの獣人に注文を告げているようだった。
そして、数分後もしないうちに、アストラがいる──丸いテーブルの上にホットミルクが置かれた。
──コトッ。
『お待たせいたしました。お好みでハチミツをお入れ下さい。』
「ありがとう」
『いえ。ごゆっくりどうぞ♩』
アストラがお礼を告げると、獣人はその場を後にした。
テーブルの上には、ホットミルクのカップとは別に。小さな小瓶も一緒に置かれていた。
そして、アストラはフードを被ったまま。一口啜る。
「……フゥ…。」
(さて、本当に来ると良いいんだが……。)
しばらく辺りを見渡すアストラ。
店内にある他の客席には、2、3人ほど客が座っていた。
(違う。)
(ただの市民か。)
(流石に早すぎたか?)
アストラがミルクをもう一口飲もうと。今度はハチミツを少し入れ、口元に運んでいたその時──。
店内に扉が激しく開閉する音が飛び込んできた。
──"ガランッガラン"!!
(こいつらは──)
横目で視界に入れるアストラの視線の先には、探している人物達がやって来ていた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
久しぶりにノコギリで木材切った…。腕痛い。




