欠片33.『ヒトは見かけによらない』
欠片33.『ヒトは見かけによらない』です!
【小さな村 リトル村】
「おーい!戻ってきたぞー!!」
遠くで手を振るサーチの姿を見て、反応するユリニト。
『お〜帰ってきましたね〜♩』
『お帰りなさい〜お二人ともご無事ですか〜?』
「ああ!元気ピンピンだぜ!」
『それは良かった〜♩こちらも異常はありませんでしたよ♩』
「ほんとか!良かったー!」
「んじゃ!依頼達成したから、じいちゃんのとこに行こうぜ!」
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「おお〜よく無事に帰ってきてくれたのぉ〜」
「依頼は達成できたということでよいのかな?」
「おう!バッチリ退治してきたぜ!」
「ホホホッ、何やら嬉しいことがあったようじゃのぉ〜」
「良いことじゃ!」
「ヘヘッ」
と、照れくさそうにサーチは頬を赤らめていた。
「必要なもんがあったら、持っていってかまわんぞい」
「おお〜!ほんとか!!ありがとう、じいちゃん!」
「そこの青年にも、いろいろと手伝ってもらったからのぉ〜ホホッ」
サーチがユリニトの方を見ると、手を振ってヒラヒラさせている。さらに、『どうも〜♩』と言っているようだ。
「へぇ〜手伝いしてたのか!」
「なら、ありがたく旅に必要な物をもらっていこうかな!」
「そういえば、オヌシらの目的地は白骨屍屑山じゃったかのぉ?」
「うん!」
「なら、ここから白骨屍屑山へ向かう途中にある要塞で、『聖屑札』を用意しておきんさい。」
「サン…ク、チュアリ?なんだそれ?」
「特殊な領域を生み出す『魔屑道具』の一つじゃよ』
「なんでそんなのが必要なの?」
「行ったら分かる。冒険をしておるのじゃろう?そこはオヌシの目で見てみんさい。ホホッ」
「ん〜よく分かんないけど、用意しとくよ!ありがとう!」
「ウム!」
笑顔で見送ってくれたセイントに手を振り、3人は旅を続けた。
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「にしても親切なじいちゃんだったなー!」
「村も無事守れてなにより!へへへッー!」
『あ〜サーチくん』
「ん?なんだよ」
・・
『正直、あの村の問題は、ほっといても大丈夫だったと思うよ〜』
「は?何言ってんだよ!老人ばっかだったじゃん!」
「守れる人もいなかったし、ほっとけなかっただろ?」
「あの老人は元"剣聖"だ」
「そうだろう?」
と、ユリニトの方を向くアストラ。
『おそらくね〜明らかにオーラが違ったし』
『抑えてても…筋肉のつき方や、いろんなところの所作に少しはクセが出るからね。』
『でも、普通の人が見たら、ただの老人にしか見えなかったと思うよ〜♩』
・・ ・・・・
『もう何年も、彼一人であの町を守ってるんだろうね〜アハハッ』
『その辺の機屑物なんて、簡単に倒せると思うよ♩それに──』
「け、剣聖〜〜!!?全然わかんなかった…」
「あんなよぼよぼで……背の低いじいちゃんがか!?」
『こらこら〜ひどいこと言っちゃダメだよ?サーチくん』
・・・・・・・・
『ヒトは見かけによらないからね〜♩』
「……」
「確かにな」
と、いつものようにアストラから睨まれるユリニトだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
─裏メモ。─
木苺の由来
実在するキイチゴがでかい木に実ってるイメージでつけました!




