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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
34/256

欠片32.『粗金屑蜘蛛 討伐依頼ー⑤』


欠片(ピース)32.『粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー) 討伐依頼ー⑤』



【洞窟内・奥地】



(どうにかして、アイツを下に落とさないとな)


上空に再び糸を吊し、ぶら下がっている粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)を見上げながらサーチは考えていた。



"ピュンピュン"!! "ピュン"!



「また糸か!!そんな攻撃喰らうかよ!」



「……なッ!!」


バッ!!と、慌てて前方に避けるサーチは地面に手をつき、後ろを振り返った。



"ジュッゥウウ………"!!



「毒ッ!?」


(地面が溶けてる…!!)



すぐさま粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)の方に顔を向けると、大量の毒を噴射(ふんしゃ)していた。



「う、うわぁぁああ〜〜!!」



「ホッ!……ヨッ!ソレッ!!」


と、危なげにいろんな体勢で避けるサーチを見ながら、アストラは普通に走り続けて避けていた。



タッタッタッタ──!!



「サーチ、ワタシがヤツの脚を全て切り落とす!」

「落ちてきた本体をヤれ!」



「うぉぉおぉぉ〜〜!!わかったぁぁあ──!!」



「フッ!!」


"タッ、タタンッ、タンッ"!!


足に力を入れ、左右の壁を蹴り上がっていくアストラ。


再び粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)の目の前に辿り着いたアストラから放たれる『(スティング)』によって右前脚が3本貫かれた。


その瞬間、口から毒を吐き出した粗金屑蜘蛛だったが、アストラの『°軌道(オルビット) 。』により防がれる。


しかし、少しの()もあけずお尻から噴射(ふんしゃ)された糸によって、アストラは壁に叩きつけられ、身動きが取れなくなってしまった。



「アストラッ!!!」


サーチは叫んだが、すぐに頭を回転させこの状況を打開する策を考え始めた。



(どうすればいい……このままじゃ師匠がヤバい!!)


(考えろ!考えろ!この状況の最善手を!!)



一方で、"ジリジリ"と迫り来る粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)は、喜びの声をあげているようだった。



『ギィィィィェェエ!!』

『ギギギッ…!!』



「…くっ!!」


(動けん)

(なんとか手さえ使えれば……)



サーチは冷静に状況を分析していた。



(この距離からは"ヤツに"攻撃は当たらない)


(でも……"あそこ"なら!!)




「師ッ匠〜〜!!!」



「!!」

(サーチか)



    ・・・・・

「オレを信じてくれ!!」



サーチを見たアストラは、ふと昔話した言葉を思い返していた。



➖───────────────────────



「フフッ」


「安心しろ」

「もし、キミがやられそうになったら」


「その時は師匠である、このワタシが助けてやる」


「だからどんなことがあっても」

「ワタシを信じてくれないか」



「分かった!!」



────────────────────────➖



(……。)

「分かった。」


そう答えると、目を(つぶ)るアストラ。

その目に映ったのは、アストラに銃口を向けるサーチの姿だった。



(ぜってぇー決めるッ!!)




『ギィィィィアァァァ!!』



粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)が噛みつこうと、アストラめがけて飛びかかった瞬間、サーチはアストラの手の近くの岩を撃ち抜いた。



"パパァァン"!!!



ガラガラガラッ…!



(手が自由に…!)


砂煙(すなけむり)の中から動き出すアストラは小さな声でサーチを褒めた。


「フフッ…よくやった。バカ弟子。」




"ビュシュシュシュンッ"!!



目に見えない高速の剣撃で糸を切り裂き、粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)からの噛みつき攻撃を、上に飛びかわしたアストラは、そのまま粗金屑蜘蛛の腹めがけて攻撃をした。



「『(コンベックス)』!!」



"ボチュッ"!! "バシャシャー"!!



大量の紫色の血が飛び散りながら、粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)の腹に大孔(おおあな)が空き、落下していった。




──ストッ。


地面に着地したアストラは、サーチを見て微笑んだ。



「やったぜ!!」


「ああ、そうだな」

「よくやった」



そうして、粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)を倒した2人は、リトル村へと帰還した。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


─裏メモ。─


玉兎(ギョクト)の由来


そのまんまギョクトと読めます。

まあ、つけた意味は色々あるけど内緒。


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