欠片30.『粗金屑蜘蛛 討伐依頼ー③』
欠片30.『粗金屑蜘蛛 討伐依頼ー③』です!
※本作の「」と間にある───の種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』
・・=強調
" "=強調、効果音など
─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』
➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
─2本=漫画で例えると『時の流れ』
【洞窟内・奥地】
洞窟の奥地に辿り着いたサーチたちは、広い空間の中にいた。
辺りは全面岩の壁で出来ており、天井は暗くどこまで続いているのか分からなかった。
「何だここ?」
「めちゃくちゃ広いな〜!」
そのまま中央に進もうとしたサーチに、アストラは声をかけた。
「止まれ、サーチ。」
「え?」
その瞬間、上空の暗闇の中から太くて白い糸が飛んで来た。
"ビビュッ"!!!
"ビュ────"!!"バチャッ"!!!
ッバ!!
と、後ろに飛んで糸をかわすサーチ。
「ッぶねぇ〜」
「糸か!!」
(けっこうはやいな)
(子供の攻撃よりも……それもそうか)
(アイツらの親玉だもんな。一体どんなすが……!!)
「これは……」
暗闇の中から出てきた粗金屑蜘蛛は、25mほどの全長をしていた。
8本の黒い手脚に、8つの赤く光る眼球。その内2つの眼球は大きさが他よりも大きい。
さらに、白い胴体のお尻の部分には鋭いトゲが多くあり、頭部には2本の小さな角に挟まれる形で大きな角が1本中央に生えていた。牙も鋭く、簡単に人間など切り裂けるだろう。
「デカすぎだろぉぉぉ〜〜!!」
(まあ、あのカメほどじゃないけど)
(それでもクモでこの大きさって……成長しすぎだろっ!!)
"ビュッ"!!"ビビュッ"!!!
次々にお尻から糸を出してくる粗金屑蜘蛛の攻撃を2人はかわし、二手に分かれる。
「サーチ、ワタシがヤツの注意を引く!」
「その隙に攻撃しろ!!」
「……!!」
「分かった!!」
(師匠の戦闘がまた見れるのか)
・・
(ヤツを狙いつつ観察しなきゃな!!)
「いくぞ!」
「おうっ!」
二手に分かれ走っていたアストラは、一気に壁に向かってジャンプをした。
そして左右の壁を蹴り、高さを重ねていく。
「……す、スゲェ。」
「どうやったらあんな動きが出来るんだ」
『ギィィィィィ!!!』
"ビュ"! "ビビュッ"!!
粗金屑蜘蛛は糸にぶら下りながら、お尻から糸を3発出してきた。
しかしアストラは華麗に2発の糸をかわす。
だが、3発目は避け切れずに当たりそうになっていた。
「師匠ッ!!」
アストラの心配するサーチだったが、アストラは2本の指を突き出していた。
「『°軌道 。』」
・・・・・
その瞬間3発目の糸は突然、攻撃の軌道がズレ……アストラの体を避けた。
「え!?」
(糸が勝手に避けた?何をしたんだ……師匠は。)
『ギィィィィィィ!!』
悔しそうにその様子を見て、口元をガチガチさせた粗金屑蜘蛛は、前脚を2本擦るような音を鳴らした。
"カチカチッ"!!
"ギュイィィン"! "ギュィィィン"!!
洞窟内に響き渡る金属音を、気にもせずアストラが挑発する。
「どうした?当たったと思ったか?」
「『針』」
"ボジュッ"!!
アストラの放った突きは、粗金屑蜘蛛の左前脚を2本突き破っていた。
『ギィィアァァァアッ!!!』
"ギリギリッ"
口をさらに激しくカチカチさせ、怒る粗金屑蜘蛛だった。
そんな中、空中から下に落ちていくアストラはここぞとばかりに煽っている。
「まだ、準備運動にすらなってないぞ?」
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─裏メモ。─
鉄蹄白装甲の由来
馬 ホース
白 ホワイト
蹄 フーフ
白い装甲部位は蹄なので、そのまま漢字名で使用してます。




