表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
31/251

欠片29.『粗金屑蜘蛛 討伐依頼ー②』


欠片(ピース)29.『粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー) 討伐依頼ー②』です!



【洞窟内・中間地点】


膨大(ぼうだい)な広さな洞窟の中にできた、迷路の道にアストラが目印を付けていた。


「なにこれ?」



「『発光苔(ルミモス)』だ」


「通常の(こけ)とは違い、強い刺激を与えると翡翠(ひすい)色に発光する」


「この発光苔(ルミモス)は特殊な性質でな」

「他の物体に"くっつける"ことが出来る」



「だからコレを壁にくっつけておけば、帰り道には困らんというわけだ」



「どのくらい光るの?」


「二週間だ」



「そんなにもつの!!?」



「ああ、王都でも分析していて、様々な物に応用しようとしていたハズだ」

「実際に何か作られたかは知らないがな」



「へぇ〜そうなんだ」



"ガサガサガサ"…



『……!!』


洞窟の奥から音が聞こえ、2人は何かの気配に気づく。



「気付いたか?」


「うん、何かこっちに向かってきてる」



「かなりの数だ」

「気を抜くなよ」


「おっす!」



─────────────────────────



【洞窟外・入り口付近】



『サーチくんたちは洞窟に入っていきましたね〜』


『さて…ボクはどうしましょう…』

《…!!》



『……か。』


ユリニトがサーチたちの動向を伺っていたその時、何かに気づいたユリニトは後ろを振り返った。



『お久しぶりですね。』

『何のようですか?ジェラス。』



そこには黒い翼と角が生えた人物が立っていた。



『キサマこそ、こんな所で何をやっている。マモン。』


魔王直下 七大魔族(ななだいまぞく)

一柱(ひとばしら)の一人 嫉妬の悪魔[ジェラス(5252)]

           [種族:大魔族]




『何って、観察ですよ。観察。この世界がどう動くのかを眺めているんですよ。フフッ』


魔王直下 七大魔族(ななだいまぞく)

一柱(ひとばしら)の一人 強欲の悪魔[マモン(8888)]

           [種族:大魔族]



『それに、今は『ユリニト』と名乗ってますので、そちらの名で呼んで頂けますか?』



『ハッ…キサマの名なんぞどうでもいいッ!!』

『キサマがサボってるせいで、魔王様がお怒りだぞ!!』


『今がチャンスと言う時に…』



           ・・・・

『……。そうですねぇ。やることはちゃんとやりますから、もう少しだけ待って頂けませんか?』


『魔王様にもそうお伝えください♩』



『……ググッ……キサマァ……!!……まぁいい。次はないぞ!マモンッ!!!』



シュルルルルッ〜。



ジェラスと呼ばれた人物が次第に黒い影となり、ゆらゆらと燃える炎のように消え去っていった。



『やれやれ……これからがオモシロイというのに…。フ…フフッ……』    


           ・・

『サーチくん。キミには期待してますよ。フフフッ。』

(とりあえず、今日の所は戻りますかね〜♩)



─────────────────────────



【洞窟内・中間地点】



サーチ達は、粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)の子供達に囲まれていた。



「クソッ!数が多すぎるッ!!」

「師匠ー!!何とかならないのかよ!」



(しゃべ)る暇があったら少しでも数を減らせ」



流星(りゅうせい)のような手捌(てさば)きで、敵を粉砕していく姿を披露するアストラの隣で、サーチは苦戦していた。


「クソッ!!糸が絡まって、上手く撃てない!」


「剣先でもなかなか切れないし、どんな強度してんだこの系──!!」


(正直……それよりも数がやばい!!三十、いや五十匹はいそうだ)

(外装はそこまで硬くはないから、当たれば倒せはする。)



(でも、無限に湧き出だしてくるようなこの勢いはヤバい!!)

(息つく間もないッ…!!)



「一旦距離をとらないと……くらえッ!!」



サーチは木に樹液を湿らせた松明(たいまつ)に、火をつけてぶん投げた。



『ギィィィィッ!!』



"ガサガサッ"!!


っと、火から距離を取る粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)の子供達に向かって、サーチは銃弾を撃ち込み続けた。

撃ってはリロードし、その繰り返し。たまに剣先で突き刺し破壊していく。



「…ハァ……ハァ〜……疲れた〜!やっと倒したぜ!!」


そうして、サーチとアストラが戦うこと20分。

ようやく粗金屑蜘蛛(ラフマニースパイダー)の子供達を破壊した。



「これで依頼達成かー!」



「いや、まだだ」

「この先に大きいヤツがいる」


と、2人は洞窟の奥を見つめていた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


─裏メモ。─


草果大猩久(ソウカタイショウショウ)の由来


ゴリラ 大猩久(たいしょうじょう)

草と果はゴリラが食べるような感じからつけてます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ