表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
26/259

欠片24.『ギャップ』


欠片(ピース)24.『ギャップ』です!




鉄屑要塞(スクラアイフォートレス)より南東230km】

(進行771Km 残り1959km)



3人は、地面に草が少し生えている程度の平地を馬車で移動していた。


荷台に座っている2人の声が『鉄蹄白装甲(ホワイトフーフ)』を操獣(そうじゅう)していたユリニトの元まで聞こえてきた。



「だ──か──ら──!!」

「昨日のノルマは達成してたろって!!」


「何が不満なんだよ!師匠!!」



「確かにノルマは達成していた…」

「が……その後、オマエは何をした?」



「…ッ、えっと〜…」



「まさか、バレてないなんて思っていないだろうな?」



「いや、その、、」


「サーチ。この件はしばらく許さん。」



その大声に慌ててユリニトが後ろを確認し、声をかけた。


『ちょっと、ちょっと〜、どうしたんですか?お二人とも〜』

『ケンカする仲じゃないでしょ〜?』



「フンッ。ケンカなどしょっちゅうしている」

「キサマが合流する前からな」



「ユリニト〜〜」

「アストラがいつもオレのことを責めるんだよ〜!」



「今回はそれとこれとは別だ!」

「ワタシの死活問題に関わる」



《え》



その言葉にユリニトは表情を変えた。


《あ、あの普段から恐ろしい彼女が、死活するほどの問題とは……一体なんだんだ…!?》


《サーチくん、、キミは一体どんなことを彼女にしたというんだ…??》



『えっ〜と〜…ちなみにその問題とは〜…』

『どんなことだったんです〜…?』


恐る恐る確認したユリニトの言葉に、返ってきたのは衝撃の返事だった。




「サーチがワタシの"木苺(キノチゴ)"を食べた。」




《!!!!!》



《えぇぇぇぇ〜!!?それだけ〜!!?》

《木苺って、暖色系の色をした甘酸っぱい小さな果物のことだよ?》


《そんなものを食べられたからって……》


ユリニトはアストラを見る。


《うそ〜〜!!?》

《あの無表情な彼女があんな哀しそうな顔を!?》



《とてもじゃないが信じられない。てか面白すぎて声出そう……ア〜ッハハハ》


《フフフッ…ハハッ〜!!これは意外すぎて面白い〜あの、、『深紅(クリムゾン)(シエル)』がこんなことで……アハハッ!!》



『…プフ……えっと、その〜アストラさん〜』



『今度ボクが採っておきますから〜、ね?』

『サーチくんも、もう反省していそうですし…今日のところは許してあげましょうよ〜』


その言葉を聞いてもアストラの怒りは治ることはなく、その怒りは鍛錬という形で取り繕うこととなる。



「おい、キサマ!今すぐ馬車を止めろ」



『へ?』


「今からサーチを"ボコボコ"にする」

「もちろん。鍛錬としてだ」



それを聞いたサーチは(おび)えていた。



「ぇえっ……ちょっと待ってくれ…」



その言葉を遮るように"ギロッ"!!っと、アストラの視線がサーチの体を貫く。



「ま、待ってくださいよ〜アストラ様!お師匠様〜!!」




「いいから黙ってついて来い!」




「イ〜〜ヤァァァ"ァ"ァ"ア"〜〜〜!!!」


そうして、突然の手合わせが始まったのであった。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


─裏メモ。─


鉄屑要塞(スクラアイフォートレス)』の由来


廃棄物 スクラップ

鉄 アイアン


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ