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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二・五章─王国跡地編〜交錯する勢力達〜─
240/260

欠片238.『駆除対象』


欠片(ピース)238.『駆除対象』です!


※スナップ

手首を柔軟に使い、肘よりも体幹に近い部分の筋肉を連動させて、腕のエネルギーを手先まで伝える動き



不敵な笑みを浮かべるメリウス・マーキュリの姿を後ろから見つめる楽士(ガクシ)は、メリウスに尋ねていた。



『どうかされましたか?マザー。』


『フ……フフッ。』

『いやね…。ちょうど今。』



『ぶつかったみたい。ククッ……クフフッ。』



─────────────────────────



彷宵徨要塞(イブニングフォートレス)から西に142Km 龍骨山(りゅうこつざん)の跡地】



『けっこうとーいーね〜。』


魔王直下 七大魔族(ななだいまぞく)

一柱(ひとばしら)の一人 暴食の悪魔[ラトニー(6666)]

           [種族:大魔族]



『ワープは決められてるから。仕方ない。』


魔王直下 七大魔族(ななだいまぞく)

一柱(ひとばしら)の一人 憤怒(ふんぬ)の悪魔[ラース(666)]

           [種族:大魔族]



魔界から旅立ったラースとラトニーが荒野を歩いていた。

すると、目の前に大きな切り立った崖と谷が現れた。

そのまま歩き続け、谷へ差し掛かろうとした時。


崖の上から、突然『ドッカーン!!』『バッカーン!!』と、2人に向けて実体化した大きな文字が降り注いだ。



"ドゴォォォン"───!!!



パラパラ──……。



砂煙が晴れた荒野には、ラースとラトニーが何事もなく立っていた。



『…ケホっ。ケホ。………ラースねぇ。だいじょうぶ?』


『うん。へいき。』



『なんだろうコレ〜?』


と、ラトニーは地面に突き刺さった文字を見つめていた。


『さあ。』

『でも、ボク達にケンカを売るのは──』



『死が確実。』



二人が見上げる先には、ラースやラトニー達と同じくらいの背丈をした──

白い傘を差した黒髪の少女と白黒ハーフのパーカーを着た少年が崖上に座っていた。



─────────────────────────



【とある屋敷】



メリウスは楽士(ガクシ)に命令して、テーブルの上に映像モニターを表示させていた。


傘影(カサガケ)白黒(モノクロ)が衝突したわ。フフッ。』



『やはり、計算通りでしたか。』

《しかし……私には報告がないとは。彼らにもまたインプットを施す必要がありそうですね。》



『ええ。』


楽士(ガクシ)が映像を見ながら考える中。メリウスに質問する。



『あの二人。勝てそうですか?』



その質問に、当たり前のように答えるメリウス。


『勝ってもらわないと困るけど?』

『じゃないと、アナタ達の意味が無いじゃない。』



『失礼致しました。その通りでございます。』



『それに、インプットはしてあるわ。後は、知らない手に……どれだけ対応できるか。よ。』



『ですね。』

『映像は記録されてます。』



『ありがとう。』

『もう行っていいよ。』



『ハッ。失礼致します。』



コツ──カツ─。


楽士(ガクシ)はその場を後にして、屋敷の廊下を歩いていった。


《能力の相性で言えば、まず負けることはないだろう。》



─────────────────────────



龍骨山(りゅうこつざん)の跡地】


【ラース&ラトニーVS 傘影(カサガケ)白黒(モノクロ)



──ヒュゥゥゥゥ……"ドスゥン"!!



崖の上から飛び降りる白黒(モノクロ)と、ゆらゆらと白い傘にぶら下がって降りてくる傘影(カサガケ)


ヒラ──ヒラ───ストッ。



『ねぇ、キミたちだぁれ〜?』


ラトニーの質問に2人は無言だった。



『………』

[対象を捕捉。速やかに処分する。]


昔物語(オルデンヒストリー) メンバー[白黒(モノクロ)(4696)]

         [種族:〇〇]



『………』

[何通りもの戦闘パターンをシュミレーション完了。これより、対象の駆除(くじょ)に移行する。]


昔物語(オルデンヒストリー) メンバー[傘影(カサガケ)(31)]

         [種族:〇〇]




『喋らないってひどい〜!!もぉ〜!』

『いきなり攻撃してきてむしなんてひどいね!』


『ボクはいいけどっ。ラースねぇを怒らせたらこわいんだかねっ!ふんっ!』



『ボクは怖くない。』

『でも。アナタ達は、死。』



『だから──死んで。』



バッ──!!


と、赤い手袋をした右手を前に構えるラース。

その手の平の前から、赤黒い魔力の光線が発射された。



"ドギュン"──!!



バッ──!


その瞬間、対面にいる傘影(カサガケ)が白い傘を前に向けた。



『『反天(アンブレート)』。』



キュィン──。


と、傘に当たった光線は、ラースの元に跳ね返った。

自身の放った速度よりも、さらに速い速度で跳ね返ってきた光線の光によってラースの顔が照らされる。



『──!!』



"ドガァァン"!!……パラパラ…。



再び砂煙が舞う中。ラースの目の前には、ラトニーが大きな口をモグモグしながら立っていた。



『……んむぅ……んぐっ。んぐ。ぷぁ〜!』

『んん〜ラースねぇの魔力は、相変わらずおいし〜〜〜!!ふふふっ!』



満面の笑みで両手を頬に当てながら喜ぶラトニー。


そして、すぐさま頬を膨らましながら顔が赤くなるラトニーは、傘影(カサガケ)白黒(モノクロ)に話しかけた。



『ラースねぇに攻撃したからには、ボクっ。もぉ〜怒ったからねっ!』

『おまえたち!ぜったいゆるさないぞっ〜!』



両者が睨み合う中、本格的に攻防が始まろうとしていた。



─────────────────────────



【同時刻 台屑所要塞(キッチンフォートレス) 森の中】


【サーチサイド】



森の中で『浣屑熊(ラクウーシュ)』の追跡を行っていた。



「……見失わねぇようにしないと」


サーチは走りながら体の外に魔力を放出し始めていた。



(まだ、完全には無理だけど。)



『ススススッ』と、魔力を細い線のようにして、『浣屑熊(ラクウーシュ)』の体に巻きつけていた。

その線は所々太く、荒々しい線をしていた。

しかし、『浣屑熊(ラクウーシュ)』には魔力の紐は見えておらず、捕まえる目的ではなかったサーチは、そのまま放出し続けながら追跡していた。



─────────────────────────



【アストラサイド】



サーチと同様に『浣屑熊(ラクウーシュ)』を追うアストラは木の枝を渡っていた。

アストラにとっては、見失う速度でもない為。魔力も放出せずにそのまま追いかけていた。


トッ──タンッ。タン。



(日没までは余裕だが。早めに終わらせるか。)



追いかけていたアストラは、逃げていく『浣屑熊(ラクウーシュ)』が森の奥にある洞窟に逃げていくのを確認した。


(あそこか)



──タン。スッ──。


木の枝から降りたアストラは、木々で覆われた薄暗い洞窟の中へと降りていく。

魔掘屑箱(マクセツバコ)』から『発光苔(ルミモス)』を取り出すと、入り口の壁に貼り付けた。


すると、洞窟の奥に赤い2つの光が現れると、その数は何倍にも増え。闇の中は、瞬く間に赤い光で埋め尽くされていた。



「悪いが。害を為すオマエ達を、放っておくわけにはいかない。」


龍屑(リュウセツ)(ポア)』を顔の前に構えると、手首をスナップさせた。※



カチャ──


"ビュンビュン"──"シュビュビュ"!!



「全員。駆除(くじょ)対象だ。」



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

ラトニー、ラース、傘影、白黒のキャラデザの下書きが大体完成しました!

ペン入れと彩色が終わったら、設定集に追加予定です!

お楽しみに!


[後書き追加]

ラースとラトニーのイメージイラストです。

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)

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