表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第一章ー極子水星要塞〜演劇の始まり〜ー
24/265

欠片22.『手腕金剛屑熊』


欠片(ピース)22. 『手腕金剛屑熊(ヴァジュグスベア)』です!




その日の夜は雨が降り、馬車の近くの木の下で簡易的な雨除けを作り野宿をすることになっていた。

一夜が明け、雨は晴れていた。


そして、3人は朝から馬車の修理に取り掛かっていた。


「あと、どれくらいかかりそうー?」



『ん〜そうだねぇ〜』


『車輪が直れば走れそうだけど』



『材料が足りなくてね…』


『そこの森で、また集めてきてくれないかな?』



「どのくらい必要なの?」



『ん〜……でっかい木材一、二本くらいかな〜』


『頼んだよ〜♩』



─────────────────────────



馬車の周辺にいたユリニトに、アストラは話しかけた。



「キサマは何者だ?」



その言葉に一瞬、瞳の影がなくなり、暗い表情をしたユリニトだったが、すぐに笑顔で答え出した。



『アハッ!なんのことかなー?』


『お姉さん今日もコワイね〜』



「……」


「なぜ"魔族"がこんなことをしてるのかは知らんが」



「妙な動きを見せたら殺す」


と、腰にある『龍屑(リュウセツ)(ポア)』に手をかけている。



        ・・・

『アハハ…ハ…..…驚いた』


『"魔族"って、知ってたんだ』




「………」


ギリッ。と鋭い眼光が飛ぶ。



『だーいじょ〜ぶだって〜〜!』

『ボクなんかがお姉さんに勝てるわけないでしょ?』



『なにもしないよ〜♩』



「……だといいがな。」




『あ、このことはサーチ君には黙っててね〜♩』



─────────────────────────



「この辺りでいいか」


「さっさと修理して、旅の続きをしなきゃな」



森の中で木材を探しているサーチは、辺りの異変に気づく。



(ん?コレは)


(木の表面に三つも傷がある……。)



獣攻型(じゅうこうがた)手腕金剛屑熊(ヴァジュグスベア)』の仕業だな……。」



(まだ傷が新しいし、近くにいるかも)


(気をつけないと)



─────────────────────────

─────────────────────────



「よーし!こんなもんでいいだろ!」




『…グルルルル。』


木の影から聞こえたきた、鳴き声に警戒するサーチ。




「……でたかッ!」


手腕金剛屑熊(ヴァジュグスベア)ッ!!」



木の影から現れた手腕金剛屑熊(ヴァジュグスベア)は、仁王立ちしてコチラに歩いてきていた。

その姿はまさに、屈強(くっきょう)金剛像(こんごうぞう)のような立ち振る舞いをしているようだった。



(で、デケェ…)


(八mくらいはありそうだな)




(それにあの腕…"ゴツゴツ"した突起がいくつもついててかなり太い)


(あれに当たったらヤバい)




『グルル……ハァ…ハァ…』



"ドスッ"………"ドス…"



(よだれ)を垂らしながらコチラにゆっくりと向かってくる。



(相当、はらへってんだな。)


(きっと動きも単調になってるハズだ!)




(まずは動きを見る!)


徐々に動きが早くなり、襲いかかってくる手腕金剛屑熊(ヴァジュグスベア)の攻撃をかわしていく。



(右腕の振り、左腕…噛みつき、突進の速度なかなかだな)


(けど、何よりも厄介なのは…)




(やっぱりあの腕か!)



"ガチャッ"!"パパァン"!!!



"ガキンッ"!!



サーチが撃った弾は手腕金剛屑熊(ヴァジュグスベア)の左腕に当たったが、突起の一部を破壊しただけで弾かれてしまっていた。


(ただ硬いだけじゃない……突起にあたることでダメージを軽減し、そのあと太い金属質の手腕装甲に弾が弾かれてる)



「やっぱり……一筋縄ではいかないか!」



(考えろ)


(弱点はどこだ?)


サーチは攻撃をかわしながらも、敵の動きを見ていた。



"バッ"!!"ババッ"!



「クソッ!!」


依然として攻撃の手を緩めない、手腕金剛屑熊(ヴァジュグスベア)の動きにサーチは避け続けながら、攻略の糸口を探していた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


─裏メモ。─


白岩屑鳥(ロックチョウ)』の由来


岩 ロック


ダチョウモチーフだけど、良い名前になる候補が無かったので、単純に白い大きな岩の上に住んでる鳥から名付けました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ