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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二・五章─王国跡地編〜交錯する勢力達〜─
239/260

欠片237.『デブリ』


欠片(ピース)237.『デブリ』です!


今回、アニメとかでよく聞く、場面転換時(現在軸)の行動に合わせて、過去に話したセリフを話したりする。ことを〔〕の中にセリフを入れて書きました。

なので、次回の前書きから追加しておきます。


〔〕のセリフ=行動に合わせて、過去のセリフを照らし合わせている場面で使用




シャフ、イナリ、キャロット、フロデューテ、サンをその場に残し、意識を取り戻し冷静になったコクックに連れられて、サーチとアストラは川の上流へと向かっていた。



『コケェ──!!な〜んだ!オメェいいヤツじゃねぇか!!コッコー!』

「ハハハっ!オマエこそ、ノリが良くておもしろいヤツだなー!」



サーチとコクックが意気揚々と歩く中、アストラは特に触れないまま心の中で呟いていた。


(騒がしいな。)



「ところでさ!そのラクウーシュってどんなヤツなんだ?」


『アァ〜ん?そうだなァ〜。ヤツらは鋭い爪と牙をもってやがるんだ。』

『オレ様の羽も何度かムシられそうになったことがあるしなァ。コケェ。』


『体長はそこまででもねェ。ただ……数が多い。』

『一度に集まってるのは数匹程度だが。この森に住んでる数は多いのさ。』


『クミンの旦那達が倒しても倒しても、すぐにまた現れやがる!!』

『繁殖力が凄まじいんだ。浣屑熊(ラクウーシュ)って獣はな。』



「へぇ〜、数が多いのか!なら、巣とかあるの?」


『それがまた分からねェんだなァ〜。クミンの旦那が探してみたけど、見当たらなかったらしいしよォ〜。』


「そうなのか……。でも、今倒してもまた現れるかもしれないんだもんな。」

「巣も見つかるといいけど……」



『──おっ!』

『そろそろだ!木の影から様子をみるぞ!コケェ!』



木の影から覗くサーチ達が川を見ると、体長1mくらいの大きさをした浣屑熊(ラクウーシュ)が5、6匹集まって何かを洗っていた。

その様子を見ながら、サーチは図鑑で見た記憶を思い出すと小さな声で話していた。



「思い出した!図鑑で見たことがあるぞ!」

「確か、「アライグマ」に似てる在屑物(アニマ)だ!」


『アライグマァ?聞いたことがねェぜ。コケェ!』


「洗う習性があるって聞いて、なんか引っかかってたんだよなー!」



「盛り上がるのは構わんが。時間が惜しいのだろう?」



『コッコ!そうだ!早く回収してやらねェと!!』



「作戦がある。二人ともよく聞いてくれ。」


「うん。」

『コケェ!』


「作戦はこうだ───」



─────────────────────────



「分かったな?」


「おう!」

『コ、コケェ!任せとけェ!』



「なら、手筈通りに頼む。」


シュッ──。



木の影で話していたアストラは、木の上へと登って行った。



─────────────────────────



水辺で洗い物をする『浣屑熊(ラクウーシュ)』達。

その頭上に輝く太陽の中に、人影が入り込んでいた。



➖───────────────────────



「作戦はこうだ──」



────────────────────────➖



バッ──。


木の上から浣屑熊(ラクウーシュ)目掛けて空中に舞いながら右手に持つ『龍屑(リュウセツ)(ポア)』を、左肩の方に構える。



〔まずは、ワタシがヤツらの内。四匹を倒す。〕

〔そして、残りの二匹をわざと逃がす。〕



〔え?逃がしちゃっていいのか?〕



〔構わん。ヤツらの後を──〕



空中から浣屑熊(ラクウーシュ)目掛けて4連続の突きを放つアストラ。



「『龍屑(リュウセツ)(ポア)』──」



「『(コンベックス)乱反射(スピア)』!!」



"ドドドドッ""ボッ"──!!!!


頭上から放たれた空気は、4体の浣屑熊(ラクウーシュ)の体を貫いた。



『キュウィ──!?』

『キュキュウッ!!』


突然倒れていく浣屑熊(ラクウーシュ)を見て、その場を後にして逃げる2匹の浣屑熊(ラクウーシュ)



「サーチ!そっちは頼んだぞ!」


「ああ!!任せろ!」



サーチは森の中を走りながら、アストラの作戦を思い返していた。



➖───────────────────────


「構わん。ヤツらの後を追いかけて住処(すみか)を見つける。」


「繁殖力が高いと言ったな。もしかしたら、ヤツらの巣は複数あるのかもしれん。」

「今この場で戦えるのは、ワタシとサーチしかいない以上。追いかけるのは二匹までだ。」


「そして、ワタシとサーチが追いかけている間に、コクック殿には道具の回収を行って頂きたい。回収後は(みな)がいる場所に戻ってくれ。」



『コ、ココ……。分かったぜェー!!』

《す、すぐに状況を見て作戦を考えるたァ〜。キレるネェちゃんだな。》

《動揺も緊張もしてねェ。クミンの旦那達でさえ、数が多い時は狼狽えることもあんのによォ。》



────────────────────────➖



「よし。このまま追いかけて全部ぶっ倒してやるぜ!」



追いかけていく2人の姿を見ながら、コクックは汗をかいて驚いていた。



『ハ……ハハ。スゲェな…。あのネェちゃんも冷静だが。あのガキ、小せえのに怖がってもいねェのかよ。』

『クミンの旦那達でさえ、四人で戦う相手なのに…。』


『おっと!!こうしちゃいられねェ〜〜!コケェ───!!』

『さっさと回収して、オレ様はトンズラだぜェ!!』



川岸に放置された数々の調理器具を持って、コクックは皆んなが待つ広場へと戻って行った。



─────────────────────────



【サーチサイド】


森の中を走りながら、逃げていく浣屑熊(ラクウーシュ)を追いかけるサーチ。



「──クソッ!けっこうはぇーな!!……ハァ!」

(にしても、なんでこんなに数がいて……要塞の方にはいなかったんだ?)



─────────────────────────



【とある屋敷】



メリウス・マーキュリはテーブルの前に座っており、楽士(ガクシ)が話しかけていた。



『マザー。全ての機屑物(スペースデブリ)在屑物(デブリ)にプログラムを施しました。これで、要塞には行かないようになっていると思います。』



『そう。ありがとう。』

『その調子で頼むわ。』


『ハッ──。』

『マザー。』



『まだ何か?』


『その。何故、このような事をされるのですか?』



『何故って、それは……』


その時、メリウスの脳内に通信音が鳴り響いた。



『!!』


その様子を後ろから伺う楽士。


《笑っておられる?》

『どうかされましたか?マザー。』


『フ……フフッ。』



『いやね…。ちょうど今。』



『ぶつかったみたい。ククッ……クフフッ。』



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

考えたけど特に思いつかないので、執筆します。


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