欠片229.『心理戦と──』
欠片229.『心理戦と──』です!
「魔力を込める箇所を限定することで、少ない魔力量でも威力を底上げすることが出来る。」
「武器との相性によって、武器の性能を最大限に発揮することが出来るとも言ったな。」
「つまり、相性が良ければ、少ない魔力でも工夫次第で強力な力を発揮する事が可能なんだ。」
「『おお〜!!』」
「そして、普段ワタシがやっているのが。『孔』の先端部分に魔力を集中させることで、武器の貫通力をさらに上げている。」
カツン。
と、木の枝を再び地面に描かれた絵の辺りを差していた。
「どのくらい違うの?」
「?」
「威力か?」
「そう!」
「……」
「見ていろ。」
スタッ、スタッ──。
アストラは木の近くまで歩いていくと、『龍屑・孔』を構えた。
そして、右手を体の手前に引くと、勢いよく正面の木に突き刺した。
スゥ──……"ズドッ"!!!
シュゥゥゥ──。
木の表面は10cmほど孔が空いていたが、貫通まではしていなかった。
そして、次に隣の木の正面に歩いていくアストラは、全く同じように木に向けて『龍屑・孔』を突き刺した。
スゥ──……"ボッ"!!
今度は木に硬貨と同じ大きさくらいの綺麗な孔が空いていた。
そして、アストラは振り返ると、2人に向けて言葉を放った。
「違いが分かったか?」
その問いに、各々が答える。
「二回目は武器に魔力がこめられてた!」
『そうね、一回目は魔力も入れられてなかったから……ただの武器による衝撃かしら』
「どちらも正解だ。」
スタッ─スタッ。
そのまま新しい木の正面に立つアストラ。
「なら、これはどうだ?」
スゥゥ──……ブゥゥゥン。
"ドッ"─"ボボッ"──!!!
鋒が木に当たる瞬間、一度円形の衝撃が走った。
そして、今度は木の横幅ギリギリに大きな丸い孔が空いていた。
「……いま。魔力が動いた。」
『……刀身の先に魔力が集まって見えたわ。』
「そうだ。二回目と同様に刀身に魔力を纏わせた。そして、突き刺す瞬間に魔力を鋒へと動かした。」
「さらに──」
「魔力が放出された?」
「……!」
「見えていたか。」
「う、うん。ほんの一瞬だけど。木に触れた瞬間に、刀身から魔力が消えた。」
『うそ!アタシは全然見えなかった!』
「うぉぉぉぉ〜〜!オレすげぇー!!」
驚くフロデューテとはしゃぐサーチを見ながら、アストラは関心していた。
「………。」
(左目は使っていないようだな。)
(戦闘経験を経て、魔力を感じとることは自然と身についていたようだが。より鮮明に見えるようになったか。)
(朧げだが、放出も出来る。あとはコントロールだな。)
「これが、一点に魔力を集中させた場合の威力だ。」
「単に武器だけの破壊力なら、人間に対して攻撃するだけでも致命傷となるだろう。」
「だが。それは、魔力を持たない人間に対してだ。」
「魔力を持つ手練は、体に魔力を纏う。」
「サーチは意識して使った事があるだろうが、フロデューテは鬼神になった時に無意識化で使っていたと聞く。」
「もう知っていると思うが。魔力による障壁は、相手からの攻撃を軽減できる。」
「確かに、あれがなかったらヤバい時ばっかりだったかも……」
『そうね。アタシも神鳥の攻撃をまともに受けてたらヤバかったかも。』
「ただ、必ずしもダメージを軽減出来るわけではない。」
「その状態でもダメージを与える方法があるんだ。」
「え?どうやんの!!」
『知りたいっ!』
「先日、会議室で話したことを覚えているか?」
「『うん』」
「異空間の中で、クロード殿の魔屑石が発動できない理由を話したな。」
「『あ!!』」
「『魔力干渉──っ!!!』」
「そうだ。自身の魔力を放出し、相手の魔力を乱すことで攻撃の通り道を作るんだ。」
「ただし、それをするには──」
「『相手より、多いい魔力じゃないとダメっ!!』」
「フフッ。よく分かってるじゃないか。」
「だが、その為だけに膨大な魔力を使うということは──」
「それだけ消耗する。ということでもある。」
「確かに…。」
「攻撃にも使うもんなぁ〜。」
「だからこそ、使い所を見極める必要があるんだ。」
「その為に、魔力制御による──」
「"部分的な"魔力強化だ。」
『そっか!魔力を制御出来たら。節約して戦えるし、その分長く戦えるわ!』
「それだけじゃない。相手の油断も誘える。」
「魔力をギリギリまで纏わせないことで、こちらの攻撃の威力を悟らせずに済む。」
「さらに、相手の魔力量を見てから、魔力量を決め防御。そして、カウンターも狙える。」
「ギリギリのタイミングを見極めれるようになれば、相手に攻撃の威力を誤認させることが可能だ。」
「そこまで自由自在に制御できれば、かなりの練度と言えるだろう。」
「『おおぉ〜〜!!』」
アストラの話を聞いた2人は感激していた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
お休みの間、物語と一緒に大罪メンバーと昔物語メンバーの能力を考えてました。
厨二心くすぐられるような内容があるので、今後もお楽しみに。




