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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
213/260

欠片211.『銀白鳥を討て─⑩ 〜暗躍』


欠片(ピース)211.『銀白鳥(ぎんはくちょう)()て─⑩ 〜暗躍(あんやく)』です!




燃えたぎる銀白鳥を前にアストラは、ヘイパに指示を出していた。



「ヘイパ殿。ヤツが纏っている炎を切れるか?」


『一度に全ては無理だね。でも、部分的にならいけると思うよ。』


「なら、ヤツの機動力を削ぐ。左翼(さよく)の炎を切り裂いてくれ。ワタシが翼を貫く。」

「タイミングはコチラで合わせる。好きにやってくれ。」


『分かったよ。』


ダッ──!!


勢いよく走り出すヘイパに、銀白鳥の二又(フタマタ)が光り出す。

翼を羽ばたかせ、勢いよく炎を纏った羽を飛ばしていた。


ヒュッ──!!!


《数が多い。けど、かわせないわけじゃないね。》



"ガガガガガッ"──!!!



素早く移動しながら、無数の羽をかわすヘイパは(ふところ)まで潜り込んだ。

そして、すぐ後を追ってアストラも走って来ていた。


(ヤツの装甲は他の機屑物(ガーベマジル)よりも硬い。より貫通力と範囲を広げるッ。)


「『龍屑(リュウセツ)(ポア)』」


ダダッ──!!


─────────────────────────



《翼に集中するんだ。ボクが……》

『道を作る──ッ!!!』


カチャリ。


剣鬼(けんき)鬼火咲(おにびざき)ッ!!!』


ズバァァァァアッ──!!!


"ブゥワッ"──!!!



『アストラさん!今だ!!」


─────────────────────────


「ああ。」


バッ──!!


飛び上がり右手を後ろに下げながら構えるその突きは、『星屑(せいせつ)』の本領を発揮し四神の装甲をも破壊しうる。



「『盤古(コ・)十六夜突(ラプスド)き』!!!」



一直線に突きを繰り出したアストラ。

その瞬間、アストラの目の前で空間にドアが開き、そのまま消えてしまった。



ギィィィ───……ガコッン!!


「なっ──!!」


バタンッ──。


突然目の前で消えたアストラに驚くヘイパと、その光景を離れた所で見ていた3人も驚いていた。


『!?』


「は?」『え?』『一体何が……!?』


「師匠……?」

「おい、どこ行ったんだよ!!アストラッ──!!!」



─────────────────────────



【とある屋敷の一室】


再びドアが開いた後、アストラが部屋の中央へと出て来ていた。



「ここは……」



「よぉ。久しいな。お嬢ちゃん。」


「──!!」


アストラが振り返ると、そこには以前見た人物が壁に背をかけて立っていた。



「キサマは……」

「情報屋。」


極子水星要塞(ミニマルフォートレス)では世話んなったな。少なかったが、まぁまぁのエールくらいは買えたぜ。」


無手勝流(ウィーフリング) 団員[無名(ムメイ)



「………なぜキサマがここにいる?ワタシを連れて来た理由は何だ。」


カチャリ。


と、アストラは持っていた『(ポア)』を向ける。



「おいおい〜!丸腰相手に物騒なモン向けんなよ〜。ハッハッハ〜〜!!」

「……ハッハッハ………。」


笑いながら両手を挙げる無名(ムメイ)は、少しずつ笑うのを辞めると暗い声で話し始めた。


「………あんまり俺達の邪魔ぁすんじゃねぇよ。」

「せっかく灼熱の鬼人は無力化させたのによぉ。アンタまで出て来ちゃ〜イージーになっちゃうのよ。」



「……ヴィーナスをやったのはキサマらか。」



「安心しな。少し期間は長ぇが、何の異常もないハズだぜ?そのうち目も覚めるだろうよ。」


「まあ、今回居てもらっちゃあ困るんでな。退場してもらったわけだが……。」


「それでも、アンタらの介入にゃあ毎度驚かされるぜ。運命すら変えようってか?ハッ─!!」



左目を手のひらで隠す無名は、そのまま話し続ける。


(向こうは炎狐(エンコ)がいるから問題ないだろう。俺の役目はここでコイツの足止めか。)

「まあ、向こうも今はパニックだな。かといって、神鳥は待ってやくれないがな。」


シュバッ──!!


"ズドッ"──!!!


「なっ!!!」


その瞬間アストラが無名の首に『(ポア)』を突き刺した。


「答えないなら死ね。ワタシにはやるべき事があるんだ。キサマらの遊びに付き合ってるヒマなどない!!」



「遊び……?」

「……遊びだと?あぁ?」


「!!!」

(どう言う事だ?なぜ死なない。)


「まぁいいぜ。」

「何故だって顔だな。そもそも当たってねぇから死なねぇのよ。」



「何を言って──」

「何を言っている?キサマの首は確かに貫いている。か?」


アストラの言葉を遮り、無名がアストラの真意を口にした。


「ふはッ──。そのまんまの意味さ。」



アストラが『孔』を引き抜くと、無名の首は無傷だった。


(タネが分からん以上、無闇に攻撃しても無策か。)

「………。」


「……。」

(話す気になったみたいだな。)


再び左目を手のひらで覆う無名。



「ワタシの質問に答えろ。キサマらの目的は何だ?」



「…………。本当はシークレット何だがな。」


「アンタとはこれから先も何かと縁がありそうだからな。特別に、少しだけ教えてやるよ。」


と、天井付近を眺める無名は一人でに話し出す。



「おい、勝亭(カッテイ)。聞いてんだろ?団長にはチクんなよ。」


─────────────────────────



{………。}


異空間にいる勝亭は目を斜め下に逸らし、沈黙した後話しかけ始めた。



─────────────────────────



{団長にバレても知らないよ。ボクは無関係だから。勝手に一人で怒られたら?}



無名の頭の中に声が響いていた。


「ハッ。バレたら、監視役として任されたオマエも怒られるだろうが。」



{………。好きにしなよ。でも、話す内容次第では、あの女は殺すよ。}


「ハイハイ。まだ使い道があんだから殺しちゃダメだろって言われてんのに。オマエさ、分かってて言ってんだろ?」


『ポリポリ』と頭を指でかきながら会話をしている無名の姿をアストラは眺めていた。



(誰かと話しているのか?)

「妙な真似をしたら殺す。質問にだけ答えろ。」


「ハイハイ。強気なヤツは、なんでどいつもコイツもこうも怖いのかねぇ〜〜。」



「………。」

(ヤツらの狙いは何だ。)



「………。つまるところ、俺たちの目的は──」




「世界の平和だ。」



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

風邪引いたかもしれない。

二、三日お休みしてしまうかも……。


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