欠片208.『銀白鳥を討て─⑦』
欠片208.『銀白鳥を討て─⑦』
[ 解 現時点では弱点は存在しません。]
「え?」
「ならどうやってアイツを倒せるんだよ。」
[ 提 吸収されている鳳凰フィーニクスの力を取り除けば破壊可能。]
(吸収されてる鳳凰の力?どういうことだ?)
[解 古獣である鳳凰の力を□□□によって、銀白鳥へと渡されたようです。]
(なんだ?伏字で見えねぇ……たまにあるけどなんで見えないんだ?)
(それよりも、今のアイツは鳳凰の力を得てるってことか。フロデューテなら何か分かるかも。)
「フロデューテ!鳳凰の力ってどんなのか分かるか?」
サーチの質問に、フロデューテは胸に手を当てて下を向いていた。
『えっ?………それが。力の存在は感じるんだけど……どんな力なのかはわからないの。』
『それに、どうやって使うかもまだ分からない……。』
『ごめん。』
「……。そっか。」
「アイツを調べてたら、鳳凰の力を吸収してるらしいんだ。」
「それがあるせいで倒せないみたいなんだよ。」
「何か分かることがあれば教えてくれ!」
『うん。分かった!』
「よーしっ!!そろそろオレも戦うぜ!師匠ばかりに任せてらんねぇからな!」
「っし!MAXチャージ完了!!やるぜッ!!」
ダダッ──!!
勢いよく走り出すサーチは、右手に持つ『魔銃棍・旋牙屑』の魔銃部分のトリガーに指をかけていた。
「ヤツの動きを教えてくれ」
「『"観察"』」
キュィィン──。
[解 現状動きは見えません。こちらの出方を伺ってるみたいです。]
「尾が光るとダメなんだよな!」
「今なら当てれる!!」
銀白鳥の近くまで来たサーチは、両手で持ち思いっきり引き金を引いた。
(あの戦いで使った魔力の弾。威力も速度も凄かった。だから、フルで貯めたこの魔銃の威力は──)
「魔力放射弾・高出力!!!」
"ドギュゥゥゥゥンッ────!!!
(あの時と同じくらいだ!!!)
小さな銃口の先から、赤と白の極太い光線が発射された。
「いっけぇぇぇぇえ!!!」
『凄い威力だ!!サーチくんもこんなに……!』
《想像以上の協力者だよ!ヴィーナス!》
『ウソ!?こんなに凄いの!?』
『サーチ殿の新たな武器。凄まじい力ですね。』
他の3人が驚く中、迫り来る魔力弾に銀白鳥は口を開けていた。
キュィィィィィィン────。
"ドッ"───!!!
銀白鳥も赤と白の光線を放って相殺していた。
ぶつかり合う光線は爆発し、激しい爆風が巻き起こっていた。
"ドガァァァァン"!!!
「なっ!!うわぁ〜〜!!」
サーチが転がる中、全員が腕で視界を守っていた。
『爆風が……!みんな大丈夫かい?』
『え、ええ。アレでもダメなんて……』
「問題ない。」
起き上がったサーチが悔しがる中、銀白鳥の一又が光り出した。
「くっそ〜!いけると思ったのにな〜!アイツも光線撃てんのかよ!!」
ザワザワザワ……。
"ズゴゴゴゴッ"──!!!
「うわっあ、わぁ〜〜!!地面が……!!」
地面がところどころ割れ始め、地中から樹木が生え4人に襲いかかっていった。
"ビシュッ"─!"ビシュッシュ"──!!
「うわぁ〜〜!!生きてるみたいに迫ってくるぞ〜!」
『なんて攻撃の規模だ……!』
《ここは一旦、フロデューテちゃんやサーチくんのカバーに行った方がいいかな》
シュッ─!!
と、ハイパはグラつく地面を飛び移りながら素早く後方に下がり始めた。
『アストラさん!ボクは二人のカバーに行くよ!ヤツを引きつけれるかい?』
「問題ない。そっちは任せる!」
タッ─タッ─。スタッ。
軽やかに樹木をかわしながら、アストラは隙をみて走り出した。
ドッ──!!トッ─トッ─!
(能力が分かったといえ、対応するのが難しい相手だ。飛んでさえいなければやりやすいんだがな。)
「『龍屑・孔』」
タッ───!!!
飛び上がり、襲いくる樹木の上を踏み台にしながら銀白鳥の元へ辿り着くアストラは、『龍屑・孔』に白い魔力を込め銀白鳥の腹部の一点を、連続で突きを行っていた。
「『龍死骨・穿地削』!!!」
"ガガガガガッ"──!!!
『キィィエエエエエ!!!』
少しだけ装甲に孔が空いたが、すぐさま銀白鳥は体を一回転させ、アストラはその胴体に勢いよくぶつかり地面まで吹き飛ばされてしまった。
"ブンッ"─────!!!!!
"ドゴガッ"─!!
「ガハッ!!」
ヒュ─────"ドォォン"!!
『アストラ殿─!!』
キュィィィィィィン───。
『まずい!またあのブレスですか!!』
『そうはさせません!鳴雷ィ!!!』
"バリバリバリバリ"──!!!
銀白鳥がアストラに向けて光線を放とうとした時、サンが『鳴雷』を発動させるも、銀白鳥の五又が光り出し雷を反射させた。
キキキィンッ─!!
ガガッ、ガッ、ガガガ──!!
『クソッ!!』
《やはりこの程度の攻撃ではダメか……このままではアストラ殿が……!!》
跳ね返った雷で地面が抉れる中、光線の準備が溜まり切りそうになった瞬間。
アストラの元で大きな音が鳴った。
"ドゴォォォン"──!!!
「『°軌道。』」
シュビッ─!!
と、土煙の中から大きな岩が銀白鳥の顔目掛けて飛んでいった。
「……ハァ………やってくれたな。」
キュィィィィ───"ドゴッ"!!!
『キィィエエエッ!!』
岩がぶつかった銀白鳥は体制を崩し、地面へと倒れていった。
土煙が晴れ現れたアストラの周りには地面が砕かれており、頭から血を流しながら左手には『龍屑・叩』を持っていた。
そして、右袖の一部が千切れた格好で、銀白鳥に二本指を向けていた。
「…………お返しだ。」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
物欲センサーってあるよね。ガチャは、、嫌いだ!!!




