欠片205.『銀白鳥を討て─④ 〜威圧』
欠片205.『銀白鳥を討て─④ 〜威圧』です!
※本作の「」と間にある───の種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』
・・=強調
" "=強調、効果音など
─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』
➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
─2本=漫画で例えると『時の流れ』
【焦がれ落ちた高地平野 中域】
サーチたち5人は、岩場に駱駝屑の手綱をかけた後に歩いて進んでいた。
無限に続く焦げた平原には、在屑物の姿はおろか機屑物さえ存在していない。
吹き付ける風は熱を帯び、ジリジリと肌へと突き刺さる中、遠方の空は暗い雲がオレンジ色に染められていた。
「あっちぃな……。呼吸するのも大変だぞ…。」
『そろそろ、つけるべきかしら?』
『ボク達はまだいいけど、サーチくんたちはヒト族だからねぇ。この暑さはしんどいだろうね。』
『サンさんもしんどそうだ。』
『ええ。猛暑続きは慣れてない故……疲労は溜まりますね。』
『でも、これくらいならば、まだ大丈夫そうです。』
『辛いだろうけど、頑張ろう。』
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【焦がれ落ちた高地平野 奥地】
『そろそろだね。』
『みんな『碧水の被布』を身につけておこう。』
ヘイパの掛け声で、全員が魔屑石に魔力を込めた。
すると、頭の上からエメラルド色の膜に包まれ始めた。
『碧水の被布』
魔屑道具の一つであり、水の魔力をもつ者から技術提供され作られた。
薄い膜は水で出来ており、魔力の放出量によって効果が変わる。
展開と収縮が任意で可能で、魔力のオンオフによりコントロールが出来る。
使用中は暑さを凌ぐ事が出来る。
「おお〜!暑くないー!!」
「風が涼しくなったぞ!」
『水の膜があるからね!準備が間に合って良かったよ!』
『先へ進もう!』
「おう!」
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日が暮れ始めるまで5人が進んでいると、一際大きな城跡が現れその城の上に大きな銀白の装甲をした鳥の機屑物が佇んでいた。
そして、サーチ達に気付いた銀白鳥は首を向けて睨みつけていた。
『………。』
"ズォァァァァァァァ"───!!!
「あれが……鳳凰屑…神チョ……ウッ……!!」
(なんだ……体が…)
《ウソでしょ……体が強張って……。》
『グッ……!』
《これが伝説の……なんという圧力。並大抵の人間でも臆してしまいそうな圧ですね。》
《流石に普通の機屑物とは違うね。》
《この圧に加え、悍ましいオーラだ。》
「……さて。準備運動とはいくまい。」
5人が上を向き合う中、銀白鳥は咆哮を挙げた。
『キィェェェェエエエエエ───!!!!!』
その場から羽ばたき、上空からサーチ達目掛けて突進してきた。
「ヤバいぞ!!こっちに来たぁぁぁ〜〜!!!」
『とりあえず避難を!!』
サーチとサンが声を出す中、ヘイパは左腰に刺した刀の鞘に手をかけていた。
『……フゥゥ───。』
「全員そのままでいい。ワタシがなんとかする。」
「『!!!!』」
アストラが前に出て、右手の人差し指と中指を銀白鳥に向けて突き出した。
「『°軌道。』」
ビジュ!!
そして、真下に指を振り下ろした。
その瞬間、急接近していた銀白鳥が地面へと叩きつけられた。
"ドガァァァァン"!!!
『なっ!!何をしたんだい?』
「ふぅ〜!助かったぜ師匠!!」
『ありがとう!アストラ!』
刀から手を離したヘイパが驚き、サーチたちはほっとしていた。
ギギ……バキバキ……スゥッ。
「ワタシの能力だ。指定した軌道を任意の方向に逸らす事ができる。インターバルはあるがな。」
「油断するな。ヤツにとっては大したダメージにはならないだろう。」
ギ……ギギ……。グググゥ……。
"バサァァァァ"──!!!
銀白鳥は縮めていた翼を広げ咆哮をした。
「来るぞ!!」
『キィェェェェエエエエエ────!!!』
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[今回の一言♩]
エンジンかかるまでもう少し。集中。




