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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
201/258

欠片199.『古獣 神鳥の鳳凰』


欠片(ピース)199.『古獣(こじゅう) 神鳥(しんちょう)鳳凰(ほうおう)』です!


虚無僧笠(こむそうがさ)

円筒状の形状で、顔を隠すための(ワラ)の編み(がさ)



霧が晴れ渡ると、目の前に大きな岩山が現れていた。

そして、その岩山の下には小さな虚無僧笠(こむそうがさ)をした鬼人が立っていた。


『えっ?タリバー様!?』



『待っていた。しかし。まさかオヌシの方が来るとはのぉ。』


彷宵徨要塞(イブニングフォートレス) 鳥大臣(チョウ)[タリバー(192)]

          [種族:鬼人(オーガ)



『ヴィーナスが来ると思っておったが。』

『ヴィーナスはオヌシに全て話したのか?』


『お姉ちゃんは負傷しちゃって目を覚さないの。だから、オールドおじちゃんがアタシたちに、お姉ちゃんとアタシの過去を話してくれて……』


『………。まぁ良い。』

『上で鳳凰様が待っておる。』


『ワシだけでは意味がないからのぉ。』

『こっちへ来い』


そう答えるとタリバーの体が『モゴモゴッ』と変形していく。


ググッ……グググゥ……



『乗れ。』


タリーロは、3人が乗れるほどの大きな鳥の姿へと変わっていた。



「なっ!?トリィィィ!?」

『ウソっ!?そんなこと出来たの!?』



「………恩恵(おんけい)か。」


『!!!』

『そこの小娘。どうやら、ヴィーナスから色々と聞いておるらしいな。』


「知っていたところで、どうにかなるものでもないだろう?」


『フンッ。生意気な小娘よの』



─────────────────────────

─────────────────────────



3人はタリバーの上に乗り、そのまま岩山の頂上へと辿り着いていた。

そこには、大きな暖色系の羽が生えた鳥が休んでいた。



『鳳凰様。お連れ致しました。』


タリバーが言葉を発すると、鳳凰は目を開けてフロデューテたちの方を見た後に立ち上がった。



『フム。よくぞ来てくれた。我が愛しの子、フロデューテよ。』

『ソナタが来るのを待っていた。』


古獣(こじゅう) 鳳凰(ほうおう)[フェン・フィーニクス]

     [種族:神鳥(しんちょう)



『あ、アナタが鳳凰様?』


『そうだ。人の子の成長とは、遅いようで早いものだな。』

『ソナタが産まれた日が、昨日のように思い出せる。』



『アタシが産まれた時にアナタと会っていたの?』


『アア。』


『本当はソナタとだけ会うつもりだったが。』

『……星の子と月の後継者か。』



『……イヤ。オヌシ、正当な後継ではないな?』


「………。」


鳳凰の疑問に対して、アストラは黙ったままだった。



《フム。肝が据わっておる。大方、ワタシが敵対した時のことを考えておるのだろう。》

『まぁ、ワタシには関係がないことよ。して──』


鳳凰はサーチとアストラの方を見て、静かに威圧する。



"ビリビリッ"──!!



「!!!」

(なんだこの迫力ッ!!)

(ヴィーナスのねぇちゃんが側にいるときみたいに、ジリジリと体に突き刺さる。燃えるような熱さだ……!!)


「………。」


サーチとアストラの様子を見て、鳳凰は再び話し始める。


『ホウ。』

《月の後継者……流石と言うべきか。しかし、星の子まで意に解さぬとはな。》

《やりよる。》



『フッ──』と鳳凰が威圧を止めると、優しい口調で再び話し始めた。



『フロデューテがここに来たということは、すでに話は聞いておるのだろう?』

『ヴィーナスめ。彼奴(あやつ)もようやく決心がついたか。』



『決心?ちょっと待って!?なんの話をしてるの?』



『ン?聞いておらぬのか?』


『時が来ればソナタに力を与える。と。』

『本来ならば、ソナタが産まれた時に渡すハズだったんだがな。』


『何やら、"余計なモノ"を入れる話へと変わっておったのでな。だから、ヴィーナスと約束をしたのだ。』



➖───────────────────────



【20年前──ヴィーナス7歳】



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

欠片196で、フロデューテが『でも……鳳凰様はお姉ちゃんを認めなかった。』

『タリバー様が鳳凰様と話が出来なかったのも。──』


のセリフで最初はタリーロ様になってたんですが、タリバー様が正しかったので訂正してます。


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