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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
197/262

欠片195.『幻夢』

欠片(ピース)195.『幻夢(げんむ)』です!


※本作の「」と間にある───の種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』

・・=強調

" "=強調、効果音など

─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』

➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

─2本=漫画で例えると『時の流れ』



その後も霧が立ち込める道を彷徨う3人は、異変に気付き始めていた。


『ねぇ、ここって。』

「ああ。」


「え?アレって…… 発光苔(ルミモス)だよな?」


3人が見たものは、先ほどアストラが付けていた翡翠色に光る『発光苔(ルミモス)』だった。

周りの木や草、岩の形なども確認したが、全く同じな事に3人は気付く。



「なぁ、これって……」


「………。」


サーチが戸惑いながらも、核心につこうとした様子を黙って見るアストラ。


「おんなじとこを歩いてるってことかぁ!?」

「でも、オレたち真っ直ぐ進んだよな?」


『え、ええ。どういう事なの?』

『なんで同じ場所に……』


「この霧に幻覚作用があるのかもしれんな。」


「幻覚?」

『幻覚って……あの時と同じ……』


フロデューテは新教徒(ニュウ・リリジィアス)の「クルダ」との戦闘を思い出していた。


➖───────────────────────



『『異怖音撃(イキョウオンゲキ)』。』


部屋全体に反響する音が、フロデューテの耳に入る。



グワァァ〜ン…。グワァン…。


『うぅぅ…頭が……!!何これ…。怖い……イヤッ!!』


『来ないでぇぇぇ〜〜!!!イヤァァァァァ〜!!』

『ぅゔっ……グスっ…やめて…。やめてよぉぉぉ〜〜!!』


『この技が効かない人間はいないわ。人の心に眠る恐怖を呼び起こす。』

『それは、言ってしまえば過去のトラウマが呼び起こされるようなもの。』



────────────────────────➖



《あの時は、頭の中にお姉ちゃんの声が聞こえて来たから、アタシは恐怖に打ち勝てた。》

《でも、今回はみんなが幻覚にハマってる……どうすればいいの……?》


『………どうしよう。アタシがやらなきゃいけないのに。』



「フロデューテ。おそらく、このまま闇雲に歩いていても、抜け出す事は出来ないだろう。」

「オマエが任された意味をもう一度思い出せ。」


「これがもし、鳳凰(ほうおう)の仕業なら。ワタシやサーチには何も出来ない。」



「フロデューテ。オマエにしか答えは見つける事は出来ないんだ。」



『アストラ……そ、そうだよね。ごめん。』

『少し考えるから、時間をちょうだい。』


「ああ。」

「サーチ、答えが出るまではここで待機するぞ。」



「え?でも、何か手がかりとか探さなくていいのか?」


「交渉次第では、最悪の場合……」


「鳳凰との戦闘も視野に入れなければならんからな。体力は温存しておけ。」


「そうだよな……。おっす。」

(フロデューテ。)


アストラが岩場に腰をかける中、サーチは不安そうな顔をするフロデューテを見守っていた。



─────────────────────────



彷宵徨要塞(イブニングフォートレス) 故城宮殿(こじょうきゅうでん)内 公爵室】



「ヘイパ・トイスト」と「オールド」の2人が座って話し合っていた。


『心配か?』


『そうですね。フロデューテちゃんは、僕にとっても妹のような存在ですし。』

『ヴィーナスからは、それとなく聞いてはいたんですが、全ては聞かされていませんでしたから。』


『フム。この事を知っとったのは当時、ワシとヴィーナス。』

『それと……"メリウス・マーキュリ"だけじゃった。』


『メリウス・マーキュリって、水星と呼ばれる八天星ですよね?』

『何故彼女が?』



『王国からヤツが技術開発を任されとったからじゃ。』



『え?』


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


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─裏メモ。─


ボツタイトルを載せときます。


『任された意味』

『妹のような存在』


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