欠片195.『幻夢』
欠片195.『幻夢』です!
※本作の「」と間にある───の種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』
・・=強調
" "=強調、効果音など
─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』
➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
─2本=漫画で例えると『時の流れ』
その後も霧が立ち込める道を彷徨う3人は、異変に気付き始めていた。
『ねぇ、ここって。』
「ああ。」
「え?アレって…… 発光苔だよな?」
3人が見たものは、先ほどアストラが付けていた翡翠色に光る『発光苔』だった。
周りの木や草、岩の形なども確認したが、全く同じな事に3人は気付く。
「なぁ、これって……」
「………。」
サーチが戸惑いながらも、核心につこうとした様子を黙って見るアストラ。
「おんなじとこを歩いてるってことかぁ!?」
「でも、オレたち真っ直ぐ進んだよな?」
『え、ええ。どういう事なの?』
『なんで同じ場所に……』
「この霧に幻覚作用があるのかもしれんな。」
「幻覚?」
『幻覚って……あの時と同じ……』
フロデューテは新教徒の「クルダ」との戦闘を思い出していた。
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『『異怖音撃』。』
部屋全体に反響する音が、フロデューテの耳に入る。
グワァァ〜ン…。グワァン…。
『うぅぅ…頭が……!!何これ…。怖い……イヤッ!!』
『来ないでぇぇぇ〜〜!!!イヤァァァァァ〜!!』
『ぅゔっ……グスっ…やめて…。やめてよぉぉぉ〜〜!!』
『この技が効かない人間はいないわ。人の心に眠る恐怖を呼び起こす。』
『それは、言ってしまえば過去のトラウマが呼び起こされるようなもの。』
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《あの時は、頭の中にお姉ちゃんの声が聞こえて来たから、アタシは恐怖に打ち勝てた。》
《でも、今回はみんなが幻覚にハマってる……どうすればいいの……?》
『………どうしよう。アタシがやらなきゃいけないのに。』
「フロデューテ。おそらく、このまま闇雲に歩いていても、抜け出す事は出来ないだろう。」
「オマエが任された意味をもう一度思い出せ。」
「これがもし、鳳凰の仕業なら。ワタシやサーチには何も出来ない。」
「フロデューテ。オマエにしか答えは見つける事は出来ないんだ。」
『アストラ……そ、そうだよね。ごめん。』
『少し考えるから、時間をちょうだい。』
「ああ。」
「サーチ、答えが出るまではここで待機するぞ。」
「え?でも、何か手がかりとか探さなくていいのか?」
「交渉次第では、最悪の場合……」
「鳳凰との戦闘も視野に入れなければならんからな。体力は温存しておけ。」
「そうだよな……。おっす。」
(フロデューテ。)
アストラが岩場に腰をかける中、サーチは不安そうな顔をするフロデューテを見守っていた。
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【彷宵徨要塞 故城宮殿内 公爵室】
「ヘイパ・トイスト」と「オールド」の2人が座って話し合っていた。
『心配か?』
『そうですね。フロデューテちゃんは、僕にとっても妹のような存在ですし。』
『ヴィーナスからは、それとなく聞いてはいたんですが、全ては聞かされていませんでしたから。』
『フム。この事を知っとったのは当時、ワシとヴィーナス。』
『それと……"メリウス・マーキュリ"だけじゃった。』
『メリウス・マーキュリって、水星と呼ばれる八天星ですよね?』
『何故彼女が?』
『王国からヤツが技術開発を任されとったからじゃ。』
『え?』
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─裏メモ。─
ボツタイトルを載せときます。
『任された意味』
『妹のような存在』




