欠片193.『反対するじゃろうて』
欠片193.『反対するじゃろうて』です!
無事に全ての砂屑飛蝗を倒したサーチとアストラは、徒歩で合流してきた砂疾隠と共に帰還しようとしていた。
『なるほど。そのような状況でしたか。』
『ヴィーナス様が……。』
「おそらく何者かの介入による攻撃だろうな。」
「誰がヴィーナスのねぇちゃんをやったんだ?」
「分からん。消耗していたとはいえ、やられるとは思えないからな。」
「気配にも気付くだろう。相手は相当の手練れかもしれん。」
「要塞に戻ってからの警備はさらに強化した方がいいだろう。」
『ありがとうございます。他の者にも伝えておきます。』
「ああ。なんにせよ砂屑飛蝗についてはもう大丈夫なハズだ。」
「気配も感じない」
(ヴィーナスが目覚め次第、次の事案について話を進めなければな)
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【彷宵徨要塞 医務室】
ヴィーナスがベッドに横たわる中、病室の中にはフロデューテ、ヘーパ、オールドと帰還したばかりのサーチとアストラが見守っていた。
「目を覚さないだと?」
ヴィーナスの現状を聞いたアストラが質問すると、オールドが答えた。
『ああ…。傷自体は致命傷では無いのじゃが、どういうわけか目を覚さんのじゃ。』
『お姉ちゃん……。』
フロデューテがヴィーナスの手を握り心配する中、オールドの返答にサーチが質問すると、今度はヘーパが答えた。
「ヴィーナスのねぇちゃんは生きてんだよな?大丈夫なのかよ!!」
『大丈夫。生きているよ。かなりの無茶はしたみたいだけど、命に別状はないから安心していい。』
『ヴィーナスが起きない原因は、ボクの方でも知人に連絡を取ってみるよ。』
『誰がやったのか分からないけど、ヴィーナスに手を出したんだ。絶対に許さない。』
普段は見せない怖い表情を見せるヘーパに、腕を組むアストラは話を進めた。
「ヴィーナスが起きない以上、今後の方針はどうされるんだ?このまま目が覚めるまで待つことが可能であれば、それでいいが。」
「貴殿らはそれで良いのか?」
『………。』『……それは…。』
アストラの質問に沈黙するオールドとヘーパ。
少し間を開けて、オールドが答えた。
『鳳凰様の件は、ヴィーナス抜きでも進めにゃあ……いかんかのぉ…。』
《ついに、この時が来たのか…。ヴィーナス。オヌシが起きていたら、絶対に反対するじゃろうて……それでも鳳凰様が死んでしまうのは避けねばならんのじゃ。》
《許してくれ……皆の為じゃ。》
『アナタ方に鳳凰様の調査をして頂きたい。付近の道案内はフロデューテをお供させましょう。』
『任せてッ!!絶対にいい結果を持ち帰って見せるからっ!』
「おっしゃ!任せろ!」
『………ギリッ。』
サーチとフロデューテが意気込む中、ヘーパは唇を噛んで苦しい顔をしていた。
その姿を横目で見るアストラは何も言わなかった。
「……。」
『鳳凰様の居場所は、ワシには分からん。』
「え?ジイちゃんも知らないの?」
『砂漠を超えた岩山に住んでるとされておる。だが、岩山は高く、一岩登るのにも苦労するとされる。』
『そして、岩山を登ったとしてもそこに鳳凰様がおるとは限らんのじゃ。』
「じゃあ探すのめちゃくちゃ大変じゃん!!」
「何日かかるんだ……?」
『そうじゃのぉ。普通ならどの岩山かは分からんから、何日もかかる。』
『いや、もはや見つかるとは思えん。』
『全ての岩山の山頂は霧に覆われて見えないのじゃ。』
「なら、どうしたらいんだ?」
『常人なら諦めるかのぉ。ホッホ。』
「なんだよ〜ダメじゃんか……。」
肩を落としがっかりするサーチにオールドは告げる。
『じゃが、ヴィーナスとフロデューテには分かるのじゃ。』
『え?』
『アタシもそこに行って、サーチ達と探すんだと思ってたよ?』
「ん?どういう事だ?」
フロデューテとサーチが戸惑う中、オールドはヘーパに目線を送ると、目を逸らしながら頷いた。
『………。』
コクッ。
それを見たオールドも頷き、静かに話し始めた。
『…………。』
コクッ。
『………フロデューテ。オヌシには、秘密があるのじゃ。』
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
─裏メモ。─
ボツタイトルを載せときます。
『思い通りに事が運ぶ運命』
『思い通りに動く運命』




