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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
195/261

欠片193.『反対するじゃろうて』


欠片(ピース)193.『反対するじゃろうて』です!



無事に全ての砂屑飛蝗(ディザスター)を倒したサーチとアストラは、徒歩で合流してきた砂疾隠(サンドスキンク)と共に帰還しようとしていた。


『なるほど。そのような状況でしたか。』

『ヴィーナス様が……。』


「おそらく何者かの介入による攻撃だろうな。」


「誰がヴィーナスのねぇちゃんをやったんだ?」


「分からん。消耗していたとはいえ、やられるとは思えないからな。」

「気配にも気付くだろう。相手は相当の手練れかもしれん。」


「要塞に戻ってからの警備はさらに強化した方がいいだろう。」


『ありがとうございます。他の者にも伝えておきます。』


「ああ。なんにせよ砂屑飛蝗(ディザスター)についてはもう大丈夫なハズだ。」

「気配も感じない」


(ヴィーナスが目覚め次第、次の事案について話を進めなければな)


─────────────────────────

─────────────────────────



彷宵徨要塞(イブニングフォートレス) 医務室】


ヴィーナスがベッドに横たわる中、病室の中にはフロデューテ、ヘーパ、オールドと帰還したばかりのサーチとアストラが見守っていた。


「目を覚さないだと?」


ヴィーナスの現状を聞いたアストラが質問すると、オールドが答えた。



『ああ…。傷自体は致命傷では無いのじゃが、どういうわけか目を覚さんのじゃ。』


『お姉ちゃん……。』


フロデューテがヴィーナスの手を握り心配する中、オールドの返答にサーチが質問すると、今度はヘーパが答えた。


「ヴィーナスのねぇちゃんは生きてんだよな?大丈夫なのかよ!!」


『大丈夫。生きているよ。かなりの無茶はしたみたいだけど、命に別状はないから安心していい。』

『ヴィーナスが起きない原因は、ボクの方でも知人に連絡を取ってみるよ。』


『誰がやったのか分からないけど、ヴィーナスに手を出したんだ。絶対に許さない。』


普段は見せない怖い表情を見せるヘーパに、腕を組むアストラは話を進めた。



「ヴィーナスが起きない以上、今後の方針はどうされるんだ?このまま目が覚めるまで待つことが可能であれば、それでいいが。」

「貴殿らはそれで良いのか?」


『………。』『……それは…。』


アストラの質問に沈黙するオールドとヘーパ。

少し間を開けて、オールドが答えた。


鳳凰(ほうおう)様の件は、ヴィーナス抜きでも進めにゃあ……いかんかのぉ…。』

《ついに、この時が来たのか…。ヴィーナス。オヌシが起きていたら、絶対に反対するじゃろうて……それでも鳳凰様が死んでしまうのは避けねばならんのじゃ。》


《許してくれ……(みな)の為じゃ。》


『アナタ方に鳳凰様の調査をして頂きたい。付近の道案内はフロデューテをお供させましょう。』


『任せてッ!!絶対にいい結果を持ち帰って見せるからっ!』

「おっしゃ!任せろ!」


『………ギリッ。』


サーチとフロデューテが意気込む中、ヘーパは唇を噛んで苦しい顔をしていた。

その姿を横目で見るアストラは何も言わなかった。


「……。」


『鳳凰様の居場所は、ワシには分からん。』


「え?ジイちゃんも知らないの?」


『砂漠を超えた岩山に住んでるとされておる。だが、岩山は高く、一岩登るのにも苦労するとされる。』

『そして、岩山を登ったとしてもそこに鳳凰様がおるとは限らんのじゃ。』


「じゃあ探すのめちゃくちゃ大変じゃん!!」

「何日かかるんだ……?」


『そうじゃのぉ。普通ならどの岩山かは分からんから、何日もかかる。』

『いや、もはや見つかるとは思えん。』


『全ての岩山の山頂は霧に覆われて見えないのじゃ。』


「なら、どうしたらいんだ?」


『常人なら諦めるかのぉ。ホッホ。』


「なんだよ〜ダメじゃんか……。」


肩を落としがっかりするサーチにオールドは告げる。



『じゃが、ヴィーナスとフロデューテには分かるのじゃ。』



『え?』


『アタシもそこに行って、サーチ達と探すんだと思ってたよ?』


「ん?どういう事だ?」


フロデューテとサーチが戸惑う中、オールドはヘーパに目線を送ると、目を逸らしながら頷いた。



『………。』


コクッ。



それを見たオールドも頷き、静かに話し始めた。


『…………。』


コクッ。



『………フロデューテ。オヌシには、秘密があるのじゃ。』


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


─裏メモ。─


ボツタイトルを載せときます。


『思い通りに事が運ぶ運命(さだめ)

『思い通りに動く運命(さだめ)


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