欠片190.『星屑解放』
欠片190.『星屑解放』です!
※本作の「」と間にある───の種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』
・・=強調
" "=強調、効果音など
─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』
➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
─2本=漫画で例えると『時の流れ』
【四日後─】
【侵食の災害まで あと数刻】
【彷宵徨要塞から北に6Km 砂丘の防波堤】
サーチ達は、砂漠の中に埋められた高さ3mくらいの石垣の上で待機していた。
「気を引き締めねぇとな。」
「ああ。新武器は完成したのか?」
「うん!ヴィーナスのねぇちゃんが作ってくれたんだ!!」
「ドワーフにも負けねぇ、いや。それ以上の技術を持ってて驚いたしな!へへっ!」
「ヴィーナスは、一流の機巧技師でもあるからな。」
(その内、勇者もヴィーナス目当てで訪れるだろう。)
「それより、ヴィーナスのねぇちゃんの武器。ここに置いてあるけど良いのか?」
と、サーチが見る先には、大きな白いハンマーが置かれてあった。
─────────────────────────
【砂丘の防波堤からさらに北に5Km】
砂漠のど真ん中に、大きさ5mくらいの磁塊集器とヴィーナスが佇んでいた。
そこに、斥候として砂屑飛蝗の動きを偵察しに行っていた砂疾隠の鬼人が戻ってきていた。
ザザッ!!
『ヴィーナス様ッ!遠方三Kmに数万の砂屑飛蝗の存在を確認しております!!』
砂疾隠[デューン(23)]
[種族:鬼人]
『ご苦労。下がっていいぞ。』
《さぁて、ひと暴れするかねェ。》
ザァァァァ─────
"シュボッ"!!
周囲に風が巻き上がり、砂漠の砂が少しずつ風に乗り擦れる音が聞こえ始めた時。
ヴィーナスの左横腹付近に魔力が集中し、黄土色に光り出した。
『星屑解放。百パーセント。』
ブワァァァァァ─────!!!
と、黄土色の魔力が解放され、ヴィーナスの体の何倍もの魔力が体外に放出し始めていた。
ザァァァァ───ジジ……ジ……ジジジ……。
『フシュゥ"ゥ"ゥ"ゥ"ゥ"────。』
『アチィなァ"。天気もそうだが、コイツァ少しばかり堪えるぜ。全く。』
ビュゥゥゥゥォゥゥゥ───。
さらに風が激しく吹き荒れ、ヴィーナスの元に次第に音が聞こえ始めた。
ガチャガチャ……"ブゥゥゥゥン"────。
ガチャ……ガチャ。
"ブゥゥゥゥン"──"ブゥゥゥゥン"──!!!
無数の羽音と機械音が遠方から鳴り響き、ヴィーナスの目の前の空は暗くなり始めていた。
『使うか。』
と、ヴィーナスは磁塊集器を発動させ、後方100mほど距離をとった。
"ヴィィィィィィィン"──。
"ヴィィィィィィィン"───。
磁塊集器から特殊な振動が起こり、波動が空気を漂い始めた。
そして、次第に近づいてくる砂屑飛蝗の体が震え始め、一瞬にして磁塊集器に吸い寄せられていく。
さらに、吸い寄せられた砂屑飛蝗から、別の砂屑飛蝗に振動が感染して吸い寄せられていった。
ガチャ……"ガチャガチャ"───
"ガガガガガガッ"……!!!
そうして、数百mと横に広がって進行していた群れが、一箇所に向かって集まっていく。
『にしても、毎度毎度よくもまァ釣れるよな〜。』
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【3年前 ルインルーナ王国 王国会議】
その場には九天星と国王、姫様、王直属の近衛騎士の12人が席に座って話していた。
『磁力ゥ〜?そんなもんがアイツらにあんのか?』
【九天星 金星】[ウェスト・ヴィーナス(24)]
「ええ。機屑物の表皮を研究して分析した結果……磁力を帯びていることに気づいたわ。」
『オォイ、ヘビ女。それが何か関係があんのかよ?』
【九天星 木星】[ユピテル・ジュピターブ(48)]
「磁気を帯びてるのに、彼らは雨による故障や錆びたりしない。それなのに、磁石を近づけてみたら、引き寄せられたり、反発することが分かったの。」
「同じ磁気を帯びてる弱点でも、効くものと効かないものがあるみたい。」
(磁力……か。)
「他には何か分かったのか?」
【九天星 宵月】
[アストラ・ディア・ルナスター(30)]
「いえ?何百年も謎のままの『星屑』から出来た生物達の謎がすぐに分かるとでも?」
「ワタシは長年研究してきてるけど、まだまだ未知な存在なの。」
「そうか。」
「それよりじゃが……例の件はどうなっておるのじゃ、メリウスよ。」
ルインルーナ王国 国王
[ムー・ビハインド・ニューンズ(69)]
[種族:ヒト]
「ハッ。もうしばらくで出来上がるかと。」
「ならば良い。クレセントも楽しみにしておるのじゃ。この世界の為に、必ず成功させよ。」
「再び、我が国に英雄を……。」
「承知しております。」
────────────────────────➖
『メリウスの野郎が言ってたっけな。』
『今となっちゃあ、疑っても良いが。実際効き目があるのは確かだからなァ……。フンッ。』
『さァて……害虫駆除とイキますかァ〜。』
コキッ、ゴキキッ。
と、首と手首の骨を鳴らしたヴィーナスの前には、空まで覆う黒い波が現れていた。
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─裏メモ。─
ボツ設定載せときます。
『星屑解放』の読み方は何種類かありました。
『星屑解放』←元の名前
『星屑解放』
『星屑解放』




