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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
192/259

欠片190.『星屑解放』

欠片(ピース)190.『星屑解放(スターリリース)』です!


※本作の「」と間にある───の種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』

・・=強調

" "=強調、効果音など

─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』

➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

─2本=漫画で例えると『時の流れ』



【四日後─】


【侵食の災害まで あと数刻】


彷宵徨要塞(イブニングフォートレス)から北に6Km 砂丘の防波堤(ぼうはてい)



サーチ達は、砂漠の中に埋められた高さ3mくらいの石垣の上で待機していた。


「気を引き締めねぇとな。」


「ああ。新武器は完成したのか?」


「うん!ヴィーナスのねぇちゃんが作ってくれたんだ!!」

「ドワーフにも負けねぇ、いや。それ以上の技術を持ってて驚いたしな!へへっ!」


「ヴィーナスは、一流の機巧技師でもあるからな。」

(その内、勇者もヴィーナス目当てで訪れるだろう。)



「それより、ヴィーナスのねぇちゃんの武器。ここに置いてあるけど良いのか?」


と、サーチが見る先には、大きな白いハンマーが置かれてあった。


─────────────────────────


【砂丘の防波堤(ぼうはてい)からさらに北に5Km】


砂漠のど真ん中に、大きさ5mくらいの磁塊集器(コレクト)とヴィーナスが佇んでいた。

そこに、斥候として砂屑飛蝗(ディザスター)の動きを偵察しに行っていた砂疾隠(サンドスキンク)鬼人(オーガ)が戻ってきていた。



ザザッ!!


『ヴィーナス様ッ!遠方三Kmに数万の砂屑飛蝗(ディザスター)の存在を確認しております!!』


砂疾隠(サンドスキンク)[デューン(23)]

    [種族:鬼人(オーガ)



『ご苦労。下がっていいぞ。』

《さぁて、ひと暴れするかねェ。》


ザァァァァ─────


"シュボッ"!!


周囲に風が巻き上がり、砂漠の砂が少しずつ風に乗り擦れる音が聞こえ始めた時。

ヴィーナスの左横腹付近に魔力が集中し、黄土色に光り出した。


星屑解放(スターリリース)。百パーセント。』


ブワァァァァァ─────!!!


と、黄土色の魔力が解放され、ヴィーナスの体の何倍もの魔力が体外に放出し始めていた。


ザァァァァ───ジジ……ジ……ジジジ……。


『フシュゥ"ゥ"ゥ"ゥ"ゥ"────。』

『アチィなァ"。天気もそうだが、コイツァ少しばかり堪えるぜ。全く。』


ビュゥゥゥゥォゥゥゥ───。


さらに風が激しく吹き荒れ、ヴィーナスの元に次第に音が聞こえ始めた。



ガチャガチャ……"ブゥゥゥゥン"────。


ガチャ……ガチャ。


"ブゥゥゥゥン"──"ブゥゥゥゥン"──!!!


無数の羽音と機械音が遠方から鳴り響き、ヴィーナスの目の前の空は暗くなり始めていた。



『使うか。』


と、ヴィーナスは磁塊集器(コレクト)を発動させ、後方100mほど距離をとった。


"ヴィィィィィィィン"──。


"ヴィィィィィィィン"───。


磁塊集器(コレクト)から特殊な振動が起こり、波動が空気を漂い始めた。

そして、次第に近づいてくる砂屑飛蝗(ディザスター)の体が震え始め、一瞬にして磁塊集器(コレクト)に吸い寄せられていく。

さらに、吸い寄せられた砂屑飛蝗(ディザスター)から、別の砂屑飛蝗(ディザスター)に振動が感染して吸い寄せられていった。



ガチャ……"ガチャガチャ"───


"ガガガガガガッ"……!!!



そうして、数百mと横に広がって進行していた群れが、一箇所に向かって集まっていく。



『にしても、毎度毎度よくもまァ釣れるよな〜。』



➖───────────────────────


【3年前 ルインルーナ王国 王国会議】


その場には九天星と国王、姫様、王直属の近衛騎士の12人が席に座って話していた。


『磁力ゥ〜?そんなもんがアイツらにあんのか?』


【九天星 金星】[ウェスト・ヴィーナス(24)]



「ええ。機屑物(ガーベマジル)の表皮を研究して分析した結果……磁力を帯びていることに気づいたわ。」


『オォイ、ヘビ女。それが何か関係があんのかよ?』


【九天星 木星】[ユピテル・ジュピターブ(48)]



「磁気を帯びてるのに、彼らは雨による故障や錆びたりしない。それなのに、磁石を近づけてみたら、引き寄せられたり、反発することが分かったの。」

「同じ磁気を帯びてる弱点でも、効くものと効かないものがあるみたい。」



(磁力……か。)

「他には何か分かったのか?」


【九天星 宵月(よいづき)

    [アストラ・ディア・ルナスター(30)]



「いえ?何百年も謎のままの『星屑(ホシクズ)』から出来た生物達の謎がすぐに分かるとでも?」

「ワタシは長年研究してきてるけど、まだまだ未知な存在なの。」



「そうか。」



「それよりじゃが……例の件はどうなっておるのじゃ、メリウスよ。」


ルインルーナ王国 国王

      [ムー・ビハインド・ニューンズ(69)]

      [種族:ヒト]



「ハッ。もうしばらくで出来上がるかと。」


「ならば良い。クレセントも楽しみにしておるのじゃ。この世界の為に、必ず成功させよ。」

「再び、我が国に英雄を……。」


「承知しております。」


────────────────────────➖



『メリウスの野郎が言ってたっけな。』

『今となっちゃあ、疑っても良いが。実際効き目があるのは確かだからなァ……。フンッ。』



『さァて……害虫駆除とイキますかァ〜。』


コキッ、ゴキキッ。


と、首と手首の骨を鳴らしたヴィーナスの前には、空まで覆う黒い波が現れていた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


感想やブックマーク、Xのフォローなどしていただけると、今後の励みにもなりますので、応援よろしくお願いいたします!


─裏メモ。─


ボツ設定載せときます。


星屑解放(スターリリース)』の読み方は何種類かありました。


星屑(せいせつ)解放』←元の名前

星屑解放(スターダスト)

星屑(セイセツ)解放』


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