欠片17.『° 軌道 。』
欠片17.『° 軌道 。』です!
(あえてタイトルに振り仮名をふってません)
【PM2:26〜 アストラサイド】
『グヴゥゥ……ガアァァア!!!』
「『菱苦土屑蛇』はすまなかったな」
(まあ、元々オマエの相手はワタシの予定だったが。)
「来い、相手をしてやる」
"スチャッ"
アストラは大剣を背負ったまま、右手で『龍屑・孔』を前方に構えた。
『グヴゥゥ…』
『ゴガアァァア!!!!』
「『針』!!」
勢いよく走りかかってきた『鉄大猩久屑』にアストラは"サッ"と身をかわし、『鉄大猩久屑』の左手に孔を空けた。
(思ったより硬い…)
(『針』じゃ小さいか)
次の瞬間、鉄大猩久屑が大きな口を開け叫びだした。
『ガアァッ!!!!』
"ビリビリビリ"……!!
「……ッ!!」
それは耳を抑えるヒマもなく直撃した。
(咆哮か。)
咆哮により、一瞬怯んだアストラに『鉄大猩久屑』のパンチが直撃した。
"ドゴォッ"!!!
「……ぐっ…」
"バキバキバキバキッ"──!!
近くにあった木が次々に折れ、音が鳴り止むと木の下に叩きつけられたアストラが座っていた。
(……大した威力だな)
(アバラが数本イったか)
しかし、アストラは平然と立ち上がる。
「仕方ない」
「久しぶりに使うか。」
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【PM2:09〜 サーチサイド】
「え?」
「オレの破片ノ武器を!?」
「で、でも……そのミスリルめちゃくちゃ高かったんじゃねェのかよ!」
「"ソレ"をオレのためなんかに使っていいのか……?」
『オメェさんの破片ノ武器を見た時に思ったんだ』
『オレの叶えられなかった夢の先を』
『オメェさんなら見てくれるんじゃねーかってな』
「おっちゃんの……夢?」
『ああ、この世界を冒険をして、星屑を直接この手で持ち帰り』
『『星屑』を造ってみたかった。』
『けどなぁ、オレはもう冒険できるようなトシじゃねぇ……』
『だから、あの時。オメェさんと話をして』
『武器を造る喜びを、本質を理解してる……サーチ。オメェさんに託してぇんだ』
『だから、オレに造らせてはくれねぇか?頼む。』
「……」
サーチは少し考えて答えを出した。
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【PM2:41〜 アストラサイド】
追撃をしようと迫り来る『鉄大猩久屑』に、アストラはただ立っていた。
『鉄大猩久屑』が右手を大きく振りかざす。
『グガァァアア!!!』
"ブンッ"──!!
「『° 軌道 。 』」
その瞬間、『鉄大猩久屑』が振ってきた腕は、アストラの横を通り過ぎていった。
そのまま前へと倒れ込む『鉄大猩久屑』の背中めがけてジャンプをした。
(さっきよりも"威力"が必要だな)
「『凸』」
素早く突き攻撃を行うアストラ。
今度は左手に開いた孔の、100倍くらい大きな孔が背中に開いており、『鉄大猩久屑』は倒れていた。
「さて 少女の元へ戻るとするか」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
『° 軌道 。』全部でオルビットと読んで下さい!