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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
188/258

欠片186.『ブローチ』

欠片(ピース)186.『ブローチ』です!


※本作の「」と間にある───の種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』

・・=強調

" "=強調、効果音など

─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』

➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

─2本=漫画で例えると『時の流れ』



アストラはヴィーナスと話をする為にその場に残り、サーチはフロデューテとサンと共に、市場へと来ていた。


四角い土台に、白い布で屋根を張った屋台のような売り場には、テーブルの上や地面の下に木箱がたくさん置いてあり、その中には様々な食材や料理、武器や武具などの売り場があった。



『ここはね、みんなが利用する市場よっ!』

『食材から武器まで、アクセサリーから家具まで、いろんな物があるの!』


「スッゲェ〜〜!!広々としてるのに、店も人も多いから狭く感じちゃうな……」



『凄いですねぇ。この環境下で、ここまでの資源があるとは。』



『サンさん?だっけ?サンさんはどこから来たの?』


『私は大気嵐要塞(ストームフォートレス)です。生まれ故郷は別の場所ですが、長くいたのは大気嵐要塞(ストームフォートレス)ですね。』



『あそこも資源はあんまりじゃなかった?』

『ほぼ年中雨や雷が降り続いてたわよね?』



『ええ。なので、ビニールで覆った作物栽培室や養殖場などが多くありましたね。』

『その他は(いくさ)での提供をする代わりに、対価として資源をいただく取引で成り立っています。』



『へぇ〜!工夫はされてるのね〜!ウチとは全く反対の環境だもんね!』


『はい。いつかお見えになれれば良いですねぇ。ふふ。』



─────────────────────────


3人は、黒屑燥(こくせつそう)もろこしと尾屑群牛(びせつぐんぎゅう)の角切りを炒めた炒飯(チャーハン)を食べていた。



「うめぇ〜!モッチモチするし、肉は噛むと味がギュワッてしみ出てくるぞ!」


『脂の馴染みぐらいまで素晴らしい!何杯でも食べられそうですね!』



『えっへへへ〜!でしょ〜!ウチの料理人たちの腕は最高なんだから!」

『ね!クッコさん!』



『ああ!オイラの料理は天下一だ!!』


料理人[クッコ(32)]

   [種族:獣人(モデル:フェネック)]


『ここにいる間は、いつでもうまい飯を振るうぜぇ!』

『何てったって、サーチさんはヴィーナス様の認めた英雄様だからなッ!!二ヒヒッ!』



「英雄ってオレのことかぁ!?そんな大層なもんじゃねぇよっ!!」


と、汗を流しながら焦るサーチに、クッコは否定する。



『いーや!ヴィーナス様が認めたんだ。誰が何と言おうと、ウチのヤツらもみんな納得してる!!』

『サーチさんは、オイラたちの尊敬するヒト族なんだぜ!』


「へへっ…!そ、そうか?なんか照れるけど、悪くないな!」

「また食いにくるよー!!ありがとなー!」



─────────────────────────



『次はどこに行く?』

『あ!そうだ!サーチに見せたいとこがあったんだ!』


「見せたいとこ?」


『うんっ!』


と、フロデューテは、両手を後ろで組み笑顔で振り返って答えた。


─────────────────────────



【ヴィーナスの一室】


ヴィーナスの部屋で、アストラはヴィーナスと会話をしていた。

ベッドの上に二人で座り、静かにヴィーナスが質問した。



『まだオジさんのブローチは見つかんねェのか?』


「ああ。極子水星要塞(ミニマルフォートレス)にもなかった。」



『王国が持ってると思ってたが……どうやら違うらしいな。』

『無くなってから滅んじまったしな。』



「ああ……だが、王国も一枚絡んでると見てる。」


「それと、メリウスがツベチカの居場所を知っていた。」



『なッ…!!じゃあ!』


「分からん。ヤツの体からは感じなかった。」


『……まあ、アレは異質だからな。アレば分かるか。』



「そうだな。だが、あの口ぶり……王国を襲った四神(ししん)。」

「アレは間違いなくブローチの効果が無ければあり得ない。いまだに王国の跡地にいることも加味してな。」


「しかも……サーチが居ない時にタイミングよく故郷を壊している。」



『……だが、メリウスの野郎はどこいっちまったか分かんねェんだろ?』



「ああ、ヤツが持っている可能性が高いと思っていたからな。だが、実際には見当たらなかった。」


「事が起きなければ良いんだがな。」



『そうだな。あの力は強大すぎる。』

『特に、悪意のあるヤツの手に渡っちまったらな。』



「ここで影響は起きたりしてないか?」


『なぁ………いや…。今回の件と関係してるかも知れねェが……時期がな。』



「何だ?」


アストラがヴィーナスの顔を覗く。



『まだアタイも産まれてもねェ……六十二年前の事だ。王国側から、彷宵徨要塞(イブニングフォートレス)に向けて四神(ししん)更地平野ノ(こうちへいやの)鳳凰屑神鳥(ホウオウセツシンチョウ)』がやって来たんだ。』


『いまだに棲みついてやがる……。今回は、少しばかり骨が折れるかもな。』



「……四神か。決行日は月初めか終わりになりそうか?」



『おそらくな。』


(満月や新月ではないか……。)



『ハッ!!安心しろよ!』

『元々、オマエの力を借りる気はなかったしな。アタイが何とかするから心配すんな。』


『あの技は体に負担がかかるんだろ?』


「それはオマエもだろう?それに、バッタの始末でもかなり消費するハズだろう。」



『フンッ。今更ど〜ってことねェよ……あの日から守るって決めたんだからな。』


「フロデューテは知ってるのか?」


『いや、知らせてねェし、オールドのジィさんにも黙っといてくれって頼んである。』



「そうか。」

「無茶だけはするなよ。オマエに何かあれば、今度はあのおてんば娘が悲しむからな。」


『フハッ!!そうだな。アイツは幸せなまま生きててくれりゃあソレでいい。』



「ワタシに出来ることであれば、全力で力になる。」


ヴィーナスの背中に手をあてるアストラ。



『ありがとうよ。アストラ。』


(うつむ)いていたヴィーナスはアストラを見て答えた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

そういえば、ユリニト(マモン)とフロデューテのキャラデザを少し変更してます。

ユリニトはもう少し変わるかも。イマイチ感が抜けない。

フロデューテは新しいイラストがそろそろ出来るので、近いうちに設定集の方も変更します。


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