欠片182.『彷宵徨要塞』
欠片182.『彷宵徨要塞』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【3日後】
森を馬車で走っていると、次第に木々の緑は失われ、枯れ木が多くなってきていた。
「な、なぁ。なんか、この辺の木が枯れてってないか?」
「そろそろだな。」
「え?」
「彷宵徨要塞まであと少しだ。」
「ほんとか!久しぶりにフロデューテとヴィーナスに会えるんだな──!!楽しみだぜ!」
「フフッ。そうだな。」
森を抜けた瞬間に、馬車は消えかかりグルーミーの声が聞こえてきた。
「期限よ。馬車は消えるから。」
その言葉を聞き、一同は馬車を降りた。
そして、目の前に広がる光景にサーチは驚いていた。
「うわぁ〜〜!!スッゲェ!!」
「どこ見ても茶色いぞ!」
「全部土なのか?」
「ここは砂漠といってな、土ではなく砂だ。」
「これ全部砂ぁ!?」
「世界には変な場所がまだまだあんだな〜!」
「もうしばらく進めば、彷宵徨要塞が見えてくるだろう。」
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ザリッ……ザッ……ザッ…。
「見えてきたぞ」
炎天下の中3人が砂漠を歩き続けていると、目の前に大きな長方形のような形をした建物が見えてきていた。
【大要塞 金星 彷宵徨要塞】
ルインルーナ王国跡地より南南東2330kmに位置する砂漠に存在する8つの大要塞の内の一角である。
四方の高さ100mの四角形の赤いレンガでできた柱があり、その柱は螺旋階段で上まで登り監視塔となっている。
その柱の下には、高さ50m、横幅300m、奥行き3000mの"棺型"の破片と酸化鉄で出来た赤色のレンガで覆われた要塞である。
ざっくりと上から見た構造は───
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通路 |監視塔
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兵 |栽 |市 |居 |公 |施 |加 |兵 |通 |
士 |培 |場 |住 |爵 |設 |工 |士 |路 | 入口
区 |場 | |区 |室 |場 |場 |区 |へ |
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通路 |監視塔
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このようになっており、反対側にも入り口が付いている。
その入り口に入ると何もない部屋があり、そこから両サイドの通路を通って、それぞれの区画へと行くことが可能である。
そして、四方には4つ監視塔がついている。
中には、『兵士区』『栽培場』『市場』『居住区』『公爵室』『施設場』『加工場』があり、各入り口近くにはそれぞれ『兵士区』となる"兵士だけが住む居住区"が存在している。
「デッケェ〜〜〜!!!」
「なぁ見ろよ!赤くてデッケェ箱みたいな建物があるぞ!!」
「通称──『鬼人の棺』」
「鬼人一族の赤い肌の象徴ともいえる。」
「赤いレンガが太陽に照らされ、流砂にたなびかれ、煌めくことで金色のレンガのように見える。」
「その色彩はまるで、かつて存在した金色に光りし誇り高い『鬼神』の姿を讃えるための要塞と言い伝えられている。」
「あまりにも鉄壁な要塞は、大きな機屑物による被害はないが……並大抵の機屑物は寄せ付けない。」
「ドワーフの技術によるのが大きいだろうな。」
「ドワーフもいるのか?」
「ああ、確か。人口の六割は鬼人族だが、残りの四割はヒトや獣人、ドワーフ族だったハズだ。」
「へぇ〜!!面白いヤツとかいんのかなぁ〜!」
「要塞の中も気になるし、楽しみだ!」
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入り口に着いた一同は閉まった扉にアストラがノックをした。
コンコンッ──。
すると、しばらくして扉の内側から声が聞こえてきた。
『何者だ?』
野太い男の声に、アストラが返答をする。
「ヴィーナスから頼まれていた磁塊集器を持ってきた。アストラと名を伝えてもらえれば分かるハズだ。」
『アストラ様でしたか!お待ちしておりましたッ!!』
『ヴィーナス様からはお話を聞いております。どうぞ、中へお入りください!』
何者かがそう答えると、扉が開き三人は中へと入っていった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
ここから、二章の問題解決編となって行きますので、お楽しみに!
ラストは驚きと興奮が待っているとだけ、お伝えしておきます。




