欠片177.「魔女を訪ねて」
欠片177.「魔女を訪ねて」です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
トテトテトテ。
と、一行が森へ向かい始めた時、聞き覚えのある足音が聞こえた。
そして、サーチは振り返るとそこにはバカパカがついて来ていた。
「え!?オマエなんで、オマエもついてくるのか?」
『ベボォ!オレっち、魔女さんとやらが気になるんで会いたいっす!』
《魔女……この世界に魔女なんて存在しないハズだ。王国で姫様も話していたしな。それなのに、魔女という言葉を使ってる。》
《十中八九、オレっちがいた世界の人間だ。》
「ふ〜ん。別にいいけど」
「そもそも、まじょってなんなんだ?」
「ワタシも聞いたことはないな。」
『ええ、私もです。』
『………。』
《あまりベラベラ喋るは避けた方がいいか。》
『ベボォ〜、オレっちも王国で小耳に挟んだ程度なんで、ホントかは分かんないっすけど〜』
『アストラさんの話を聞くに、この世界の魔力を使う技を『能力』と呼ぶんすよね?』
「ああ。魔力を持つものは、産まれた時に能力を持って産まれてくるが、ごく稀に固有の能力を発現させる者もいる。」
「しかし、後天的に魔力、能力を発現する者もいる。」
「あれ?オレも魔力あるし、後から出たよな?」
「ならオレって、後天的に能力が出たのか〜!!スゲェじゃん!」
「………。」
アストラは静かに聞きながら、何も言わなかった。
『サーチさんも能力があるんすね!』
『なら、戦いも強かったり?』
「へへっ!まぁ、そこそこだけどな!」
『サンさんは、魔術を聞いたことがあるんすよね?』
『ええ。私が部隊に所属していた頃に出会ったことがあります。なんでも、発動するまでになんらかの素材が必要なことと、発動まで時間もかかるみたいですね。』
『その代わり、使用されるとかなり強力な力でした。』
『みなさんは魔法って言葉は聞いたこと無いんですよね?』
「うん」
『ええ。』
「………。」
サーチとサンが答える中、アストラは黙ったままだった。
《なるほど。なら、あの魔法陣は魔術の可能性が高いな。》
《周りに何人も白いローブのヤツがいたし。》
『オレっちが聞いた魔法とは、己の内なるエネルギーを魔力にして、体外に放出することで技を出すって感じでした!』
「己の内なるエネルギーを魔力に変える?それって死んだりしないのかー?」
『どうでしょう?ホントかどうかも分かりませんし。オレっちも魔法のことはよく分からないんすよ〜』
「ふ〜ん。まあ、オレたちの力とは、また違ったもんなんだな〜」
「そうっす!で!その時に、魔女って言葉も出てたんすよ!」
「だから、元の姿に戻れるかもしれないんで……気になっちゃって!へへへ!」
「分かった!なら、はやく魔女に会いに行こうぜ!」
と、森の奥へ向かっていった。
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森の中は快晴でも薄暗かった。
それは、大きな針葉樹林が無数にも生えており、光を通さないからである。
「なんか……不気味な森だなぁ…」
「葉っぱもトゲトゲしてて痛そうだし。木は細長いのにスゲー高いし。」
「屍人とか出てきそう……。フロデューテがいたら、怖がりそうだな〜。」
『私の翼も、この森では役には立ちませんね。』
「安心しろ。ここには一つを除いて、生物の気配はない。」
(辺りに漂っているのは魔力か。それも──。)
「ん?なんか見えてきたぞ?家か?」
『あそこが魔女の住む家でしょうか。』
森の中の道を進んでいると、黒い鉄格子に囲まれた黒い大きな洋館が現れた。
全員が門の前まで着くと、姿は見えないのにどこからともなく少女のような声が聞こえ、周囲に反響しているように聞こえていた。
「迷える子羊達よ。」
「ぞろぞろと。大勢いるわね。」
「人に会うのは苦手なの。帰ってもらえるかしら。」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
書き溜めの執筆って、どうしてすぐに無くなっちゃうの。
読み返して内容が浅かったら加筆するかも。




