欠片174.『簡単には見えないモノ』
欠片174.『簡単には見えないモノ』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
・・
「……年寄りの昼寝を邪魔するでないぞ?小娘。えぇ?」
星鏡の湖の管理人[レイク・バーバ(86)]
[種族:ヒト族]
「な、なんだぁ!?このバァさんは!」
「フンッ。人様の眠りを妨げておいて、謝りもしないのかい。このガキは。」
「ご老人。それはすまないことをした。」
「フンッ。アンタもだが、あそこのガキはまだだよッ。年寄りを敬う心っちゅーもんがないのかねぇ〜。」
「これだから、最近のガキは嫌いだよッ!!カーッペ!!」
唾を地面に飛ばす様子を見て、サーチは前屈みに突っ込もうとする。
「なんだとこのババッ──」
『まぁまぁ、落ち着いてください。サーチ殿。』
『お年寄りの方は、"体力も落ちます"からね。"お昼寝が必要"なんですよ。』
しかし、サンがそれを止めに入った。
「そこのデカいだけのニワトリ。アンタ、年寄りをバカにしてんのかい?」
『──ニワッ……!!……私は……誇り高き……。』
「年寄りだからってねぇ。体力がないと何故決めつけれる?えぇ?」
「アンタらヒヨッコなんぞ、片手で払えるわい。」
ギロッ──。
(まあ、この小娘は……ちとキツイかのぉ。)
レイク・バーバはアストラを睨み、アストラは平然とした顔をしていた。
そして、間を空けた後。アストラはサーチに話しかけた。
「………。」
「ちょうどいい。」
「サーチ。オマエの修行相手として、このお婆さんと組み手でもしてみろ。」
「はぁ!?なんでこんなババアと!!」
「いいからやってみろ。オマエはこのお婆さんには勝てん。」
「なっ──!?師匠。それは流石にオレだって怒るぞ。」
「オレだって強くなったんだ!!」
「こんなババァに負けるかよッ!!」
「フンッ。口の悪いガキだねぇ。御託はいいからさっさとおいで……クソガキ。」
「ケガしても知んねぇーからな!!」
「悪りぃけど、手加減はしねぇ!!」
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ドサッ──!!
「なっ……もう一回!!まだだ!終わってねぇ!!」
サーチの服は泥だらけになっており、白い服が所々茶色に変わっていた。
「何べんやっても同じさね。諦めなッ小僧。」
「片手すらもいらなかったとはねぇ。アタシゃの頭も衰えちまったかねぇ……?」
腰に手を当てながら、余裕そうに立つレイク・バーバは話を続けた。
・・
「相手の動きを全く読めとらん。」
「なッ……!」
(クソッ、なんでだ!?観察で先読みはしてんのに……攻撃が当たらねぇ!)
「その目……どうせ相手の動きが分かるんだろうけど。ただの先だけを読んでも意味はないよ。」
「そんなんじゃあ、アタシゃあ……一生捕まらんよ。」
「小僧。脳ミソで考えれることは一つの事だけか?えぇ?小僧、アンタに足りな──」
「──ご老人。その辺りで。」
「ありがとうございました。」
アストラの言葉に遮られ、バーバは最後まで口にするのを辞めた。
「………。フンッ。かまゃしないよ。」
「時間までのほんの暇つぶしさ」
腰に両手を組みながら、小さな小屋に帰ろうとするバーバはピタリと足を止め振り返った。
「アンタら、この湖を越えたいのかい?」
「うん。どうしてもこの先に行きたいんだ!だから、舟を貸してくれよバァちゃん!」
「夜に出発する。そっちの小屋にまた来な。」
「それまでは寝ておくことをおすすめするよ。」
ギィィ──……バタンッ。
そう答えると、バーバは小屋の中に入って行った。
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夕暮れ時に、サーチたちは目を覚ました。
近場の木を影にして、3人と1匹は休んでいた。
「なぁ、なぁ〜、夕方まで寝てたけど、本当に夜に舟を出して大丈夫なのかな〜?」
「どうだろうな。考えなしに提案するとは思えん。」
「何より、彼女が案内すると言ってる以上……彼女自身にも危険を伴うからな。」
『もう一度見渡して来た時も、辺りには小舟が二隻しかありませんでした。』
『湖もかなり広く、おそらく二、三Kmはあるかと。』
『ベェボ〜〜、オレっちも乗れるんすかね?』
『ヒツジダ殿は、意外と大きいですからねぇ。』
『最悪の場合は、私は飛んで参りますのでご安心下さい。』
『ベェボ〜〜!!サンさん、マジイケメンっすぅぅ〜〜!!』
と、微笑むサンを見て、バカパカは泣いていた。
一方で、サーチは湖を眺め考え事をしていた。
「………。」
「どうした?」
「師匠……」
「昼間にバァちゃんが言ってたこと」
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「相手の動きを全く読めとらん───」
「───その目……どうせ相手の動きが分かるんだろうけど。ただの先だけを読んでも意味はないよ。」
「──小僧。脳ミソで考えれることは一つの事だけか?えぇ?……」
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「ただ先を見るだけじゃダメなのは分かってんだ。だから、頭の中でも相手がどんな動きをするのかも考えてた。」
「それでも、一撃も攻撃が当たらなかった。」
「"表面上に見えているモノ"は、人によって同じだ。」
「だが、"見ようとして見えるモノ"は違うぞ。」
「見ようとして見えるモノ……。」
「そのうち分かる時が来る。今はまだ、その悔しさを己の成長に繋げればいい。」
そうして、刻一刻と──出発の時は近づいていった。
最後まで読んでいただき、ありがとございます!
[今回の一言♩]
新規イラストを作成中です!
Xにて公開後、設定集にも載せていく予定です!




