欠片173.『昼寝』
欠片173.『昼寝』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
「いや、違うぞ。 ふふっ。モフモフ。」
「違うって何が?」
アストラの言葉にサーチは質問した。
「砂屑飛蝗は大型のバッタだ。」
「体長は一メートルを超える」
「えっ?」
「えぇぇぇぇ〜〜!?そんなデッカいのか!?」
「それが……一万匹以上……。……ゴクッ。」
「本当に何とかなるのかよ!!」
バカパカの胴体に頭を預けながら、アストラは目を瞑り答える。
「ああ。心配ない。」
「ほとんどの砂屑飛蝗は、ヴィーナスが何とかする。」
「……まあ、ヴィーナスの姉ちゃんのことを心配してるわけじゃねぇけどさ。師匠がそう言うなら信じるよ。」
「フンッ。心配しすぎだ」
「"あの場"では、ヴィーナスは本気になれなかっただけで、本来なら一人で人造人間を倒せていたハズだ」
「仮にも八天星の一人。一国を堕とすほどの力を持っている者たちだ」
「その一人が、バッタの群勢にやられるわけないだろう」
「そうだよな!あの王国の聖騎士だったんだもんな!」
「よーしっ!オレも、もっと強くなるために鍛錬するぞー!!」
と、サーチは立ち上がって両手を空に突き上げた。
そして、アストラに向かって質問した。
「距離的には、まだ時間の余裕はありそうかな?」
「どうだろうな。ペースを早めれば何とかなるが、どのみち次の要塞で、モフモフを送り届けなければならん」
「時間は……取られるだろう。」
「ん〜……なら、しばらくは無理そうだなぁ。」
「朝の鍛錬はやれるだろう?」
「いや、組み手の練習をしたかったんだ。せっかくサンも加わったしさ。」
『お時間がある時でしたら、私はいつでも構いませんよ。ふふっ。』
「ほんとかー!!ありがとうー!サンっ──!」
「ワタシもいるんだが。」
「べぇっ!?」
と、サーチは汗をたくさんかきながら、変な顔をしていた。
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【バカパカの合流地点から南東26km】
(進行139km 残り399km)
【残り8日】
サーチ達は、大きな湖に辿り着いていた。
その広さは、全長3Km。
青々と空の色を反射する大きな湖の岸辺には、小さな小屋が建てられてあった。
「うっわぁ────!!スッゲェきれいな湖だな──!!」
『ベボォ〜!!ホントっすね〜!』
『でも、コレ。どうやって渡るんですか?』
『遠回りっすかね?』
『いえ。先ほど空から見た時に、岸辺に何隻かの小さな木造船がありました。』
「勝手に乗ってって良いのかー?」
「そんなわけないだろう。バカ弟子が。」
「だよな……へへへ」
「でも、このままじゃ回り道するしかないよな?どうするの?」
「小屋に誰かいるだろう。聞いてみよう。」
コンコンッ──。
大きな小屋の隣にある、所々破れているボロい木の小さな小屋をノックするアストラ。
「すまないが、どなたかいるか?」
「…………」
「返事ねーじゃん」
「誰もいなさそうだな〜」
「やっぱり、使って良いんじゃ──」
「いや、気配はある。」
「返答がないようなら、力尽くで開けることになるが。」
「………全く。じゃかしい小娘どもじゃわい。」
ガラガラッ─。
アストラの前に現れたのは、背の小さなヒト族のおばあちゃんだった。
・・
「……年寄りの昼寝を邪魔するでないぞ?小娘。えぇ?」
星鏡の湖の管理人[レイク・バーバ(86)]
[種族:ヒト族]
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
新キャラ祭りなのは……べ、別に…話のネタが……。
(毎回思うけど、距離遠くしすぎて困ってます。かといって、便利アイテムに頼りすぎるのも嫌だ。)




