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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
174/255

欠片172.『モフモフ』

欠片(ピース)172.『モフモフです!


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ




バカパカを仲間にした3人は、湖まで進んだ後に野宿をして一夜を明かしていた。


そして、次の要塞までバカパカを送り届けるため、早朝から出発の準備中にサーチがアストラに話しかけていた。



「あの〜?アストラさんー?昨日からどうしたんでしょうか……?」

「ずっと喋ってないですけど……」



「………。」


「サーチ。この世には……素晴らしいモノだってある。ワタシは今、それを噛み締めているんだ。」

「邪魔をするな。」



「ええっ?」と、動揺するサーチをよそに、アストラはブツブツと1人で呟いていた。



「要塞までしかないのは致し方ないが……くっ…。それまで、ワタシは見届けるぞ。」




「えっと……?よく分かんねぇけど、もう分かったよっ!」


と、サーチはよく分からないまま納得したフリで誤魔化した。



───────────────────────

──


サーチが宿泊道具を片付け終わると、サンが話しかけてきた。

その間、アストラは、バカパカの毛を触ろうとしていた。



『出発ですか?』



「うん!なかなか進めてないから、今日で五十Kmくらいは進みたいな!」



『では、私が先行して、先の状況を見てきましょう。』



「え?どうやって?」



『ケガで飛べませんでしたが、もう治りましたので。空から!見渡して参ります。』



「おおぉぉぉ〜〜!!!マジかー!」

「頼んだー!何かあったら知らせてくれっー!」



『御意。』



"バサッ"!"バサバサッ"ー!!


と、サンは大きな翼で羽ばたき、上空へと駆け上がっていった。

太陽に照らされる光の影に、大きな黒いシルエットで下から眺めるサーチは見えていた。



「うっはぁ〜〜!!スッゲェ──!!」

「あんな高さまで飛べるのか──!!」


「飛べるっていいなぁ〜〜!!」




"キキィィィ"─────!!!


と、高らかに鳴き声を発して青空の下を飛んでいた。



─────────────────────────



『………。』


《五十Kmくらいとなると、まだしばらく高原を歩きそうですねぇ。》

《要塞は……ここから見渡しても見えませんか。》



『キキィィィ────』



ビュンッ───



─────────────────────────



サンは急降下し、サーチたちの元へと戻ってきた。



バサッ……バサッ……



「サンッー!!どうだったー?ナニか見えたかー?」



『いえ、しばらくは高原が続きそうです。』

『要塞も見当たりませんでした。』


『数十Kmほど進んだ(のち)、大きな湖と古屋(こや)が見えました。そして、湖の奥にある大きな山を超えなければ……先の景色は見えなさそうです。』




「マジかよ〜〜……」



『まあまあ、のんびりと行きましょう。ふふふ。』

『アストラ殿も……』



「フフッ。モフモフ。」


アストラは、バカパカの毛をもふりながら顔を背中に押し当てていた。




『………。』

《見なかったことにしましょう。》



「ところでさ、バカパカは元々なにしてたんだー?」



『ベェボ…?あ、すいやせん。この体になってからつい鳴き声が反射的に……』

『そうっすね〜、前は王都にいたんすけど、この姿にされた後、気付いたらこの辺りにいて……』


『直前に魔法陣が出てたんで、もしかしたら…飛ばされちゃった感じっすかね〜?あはは〜』



「ふ〜〜ん。何でいきなりそんな姿にされるんだよー?悪いことでもしたのかー?」



『いやいやっ!そんなことしてないっすよ〜〜!!ほんっとに心当たりがなくて、そもそも……』



ボソッ…


『この世界のことさえ……知らないのに。』



「ん?よく聞こえなかったけど、かわいそうだな〜」

「メシも草しか食べれてないんだっけ?」



『そうっすね〜、何もないまま飛ばされちゃったので、最終手段として草を食べましたよ。そして、途方に暮れてる時にサーチさんたちに出会ったって感じっすね!』


『いや〜ほんと神っす!サーチさんたちが来なかったら、自分、絶対今日も草食べてたっすもん〜!!』



「はははっ!今日は魚かキノコでも獲れたらいいな!」

「サン、この近くに川は流れてた?」



『ええ、もうしばらく進むとありましたよ。』



「なら、そこで釣りでもするか!」


『やった〜〜!!魚が食べれる〜〜!!ベェボォ〜!!』



─────────────────────────

─────────────────────────



3人と1匹は、小さめの川に辿り着いていた。



「キレイな水だな〜!」

「魚もいっぱい泳いでるぞ──!」



『ベボォ〜〜!!さっかな♩さっかな〜♩』

『もうどれくらいタンパク質を取れてないことか〜!!』



「たんぱく、しつ?なんだそれ?」

「そんな魚がいんのか?」



『あっ、そっか……』

『アハハハハッ……えっとっすね〜!魚を食べると元気が出るじゃないっすかー!その元気の元となる名前のことっす!』


『まあ、覚えなくて大丈夫っすよ〜〜』



「へぇ〜〜!意外と物知りなんだなオマエ!」



サーチに褒められたバカパカは、内心焦っていた。



『ま、まぁまぁっすよ〜!』


《あっぶねぇ〜、そこまで詳しくないけど、何とか誤魔化せたっすね。この世界の人に、オレっちの世界のことを言ってもちんぷんかんぷんっすからね〜!》


《にしても、太陽(たいよう)くんと真子(まこ)ちゃんは無事っすかね〜?オレっちだけ飛ばされたのも謎っすけど。あの二人は無事かな〜》

《てか、絶対あの王様と姫様ゆるさねぇ……。》


《まっ!今は魚が食べれる喜びを満喫しますかね!!》



その後、各々が罠を作ったり、石で囲って逃げ場を無くして手掴みしたり、釣りをしたりして魚を獲っていた。



─────────────────────────



パチパチ……ポタッ。ジュウゥゥ……。


と、串に刺した魚の在屑物(アニマ)から脂が滴り落ちながら、焼き魚を3人と1匹は食べていた。



『う、うんベェェェェェ〜〜!!』

『最高っす!肉厚でホクホクの白身にこの脂!!尻尾は白くて硬いから食べれないけど……うますぎる〜〜!!』


と、バカパカが興奮していた。



「ホントに何も食べてなかったんだな……ハハハ…」



『そういえば、サーチさん達はなんで旅をしてるんすか?』

『何か目的があったり?』



「ああ!オレたちの今の目標は、彷宵徨要塞(イブニングフォートレス)に用があるんだ!」

「詳しいことは分かってないけど、バッタを倒すらしいぞ!」



『は、はぁ……バッタっすか?』


「そうだ!まあ、バッタって言ってもさ!」

「歴史生物図鑑に載ってる、あの「バッタ」だろー?」


「なら全然大したことねぇじゃーん!大きさもちっこいし!」




「いや。違うぞ。」


と、バカパカの毛を、モフモフ触りながらアストラが答えた。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

この話を書いてる途中に、新作の『ムレスズメ』を執筆し始めたけど、そっちばかりで一気に20話くらい執筆してしまった。笑

星屑も頑張るぜ!

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