欠片167.『破片ノ枯草群生』
欠片167.『破片ノ枯草群生』です!
(他の系統もそうですが、振り仮名はグレガリアスと続けて読みます)
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間
➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【磁界の鉄人工房から南東15Km】
(進行50Km 残り488Km)
【残り11日】
草原を超えた2人は、とある要塞にたどり着いていた。
「な、なんだここー!?」
「破片の山だらけだーー!!」
「ここは、要塞であって、要塞ではない。」
「荒れ果て、彷徨い、行き場のない無法者が住む場所……」
「『破片ノ枯草群生』。」
「サーチ。厳しい現実を見せることになるが、ヤツらに同情はしてやるな。」
「施しも一切するな。」
「助けたくても、助けてはならん。」
「どういうことだ?」
「助けちゃダメって……?」
「見れば分かる。」
と、2人は集落に入っていった。
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道とは呼べない、破片が散乱している道の側にある家は、黒ずんで灰色や、苔が生え緑色になった破片の破片が貼り付けられたドーム型の家がいくつも建てられてあった。
「なんていうか、ツギハギだらけの家だな。」
「接合部分もなんかヘンだし、植物……のツルか?」
「ボルトやネジがないのか?ん?なんか白い硬そうなモノが刺さってる……?」
サーチが家を眺めながら観察する中、アストラは依然として無言のままだった。
「……。」
スタッ、スタッ……
そして、2人は歩きながら、日陰に佇む人々を横目に歩いていた。
「な、なぁ、あそこに誰かいるけど、なんか変じゃないか?」
「なんか、動いてないっていうか、ボーッとしてる」
「こんなに天気が良いのに、みんな日陰でボーッとしてるっておかしいだろ!」
「………。気にするな。先に進むぞ。」
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「結構歩いたけど、かなり長い集落だなー!」
「この破片の散らばりようと量はどうなってんだよーー!!」
「………やはり、抜けられなかったか。」
「ん?どうしたんだ、師匠」
「もうすぐ日没となる。」
「サーチ、少しだけ休憩するぞ。」
「早くない?」
「いや、今休まないと」
「朝方まで休めないだろうからな。」
「え!?」
そう呟くアストラの言葉に、サーチは驚いていた。
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日が落ち、周囲は月明かりに照らされていた。
星空の下、焚き火をしていた2人は立ち上がっていた。
「警戒しろ、サーチ」
「ヤツらが来るぞ」
「ほ、ホントに」
「ホントに……もうヒトじゃないのかよ……!?」
ザワザワ……
パキッ。パキパキッ……シュルルルル……
と、何かが近寄ってくる音が聞こえてきていた。
「ああ、一度寄生されたらもう助からん。」
「クソッ!!」
ガチャリ。カチャ。
と、武器を構える2人の前には、体がガリガリで肌の色は灰色、目は真っ黒に穴が空き、背中からツルのような植物が生えた人々が歩いてきていた。
『……ハ……ハラ…が……減った……』
『…タ……ス…ケ………テ……』
『…シリカ……シリカを……ど、どうしてぇぇ……』
「なっ……!!……アストラッ…」
と、動揺して振り返るも、アストラは冷静だった。
「背中に生えている根を切らねば、ヤツらは死なん」
「……クソッ……!!」
(無法者だったとはいえ、元々は普通の人間だったんだ……。でも、生きていくために、もがいて、足掻いて、必死に生きたんだよな。)
(なんで手が届くのに、オレは……救えないんだ!!)
「ダメなのかよォ……。」
「サーチ。現実は甘くないと言ったハズだ。」
「安らかにしてやることが、彼らの……本当の望みだろう。」
「種類にもよるが……植化型の機屑物に操られると、脳の神経を支配され、植物人間へと化すことが多い。厄介な機屑物だ。」
「ヤツらが言葉を喋っているのは、生前の望みを支配されるがままに喋らされているだけだ。」
ググッ……。
破片ノ銃剣・屑を力強く握りしめて、悔しい表情をするサーチ。
「分かった。」
「オレ、やるよ。」
ガチャリ。と、サーチは銃剣を目の前の寄生人間に向けた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
現在見開きのイラストを描いております。
まだ、漫画では4ページ目。物語りの数文字という事実…。(まあ、見開きはなくてもよかったんだけど)
改めて漫画家ってヤバいな。




