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星屑の機巧技師(せいせつのきこうぎし)  作者: リンネ カエル/霖廻 蛙
第二章ー彷宵徨要塞〜あの日の覚悟と鳳凰の願い〜ー
169/259

欠片167.『破片ノ枯草群生』

欠片(ピース)167.『破片(グレ)枯草群生(ガリアス)』です!


(他の系統もそうですが、振り仮名はグレガリアスと続けて読みます)


※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明

・・=強調

" "=強調、効果音など

ー1本=漫画の場面転換、幕間

➖ー➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

ー2本=漫画で例えた時の流れ




磁界(ジカイ)鉄人工房(テツジンコウボウ)から南東15Km】

(進行50Km  残り488Km)


【残り11日】



草原を超えた2人は、とある要塞にたどり着いていた。



「な、なんだここー!?」

破片(クズ)の山だらけだーー!!」



「ここは、要塞であって、要塞ではない。」

「荒れ果て、彷徨(さまよ)い、行き場のない無法者が住む場所……」



「『破片(グレ)枯草群生(ガリアス)』。」



「サーチ。厳しい現実を見せることになるが、ヤツらに同情はしてやるな。」

(ほどこ)しも一切するな。」



「助けたくても、助けてはならん。」



「どういうことだ?」

「助けちゃダメって……?」



「見れば分かる。」


と、2人は集落に入っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



道とは呼べない、破片(クズ)が散乱している道の側にある家は、黒ずんで灰色や、苔が生え緑色になった破片(クズ)破片(はへん)が貼り付けられたドーム型の家がいくつも建てられてあった。



「なんていうか、ツギハギだらけの家だな。」

「接合部分もなんかヘンだし、植物……のツルか?」


「ボルトやネジがないのか?ん?なんか白い硬そうなモノが刺さってる……?」




サーチが家を眺めながら観察する中、アストラは依然として無言のままだった。


「……。」



スタッ、スタッ……



そして、2人は歩きながら、日陰に佇む人々を横目に歩いていた。



「な、なぁ、あそこに誰かいるけど、なんか変じゃないか?」

「なんか、動いてないっていうか、ボーッとしてる」


「こんなに天気が良いのに、みんな日陰でボーッとしてるっておかしいだろ!」




「………。気にするな。先に進むぞ。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「結構歩いたけど、かなり長い集落だなー!」

「この破片(クズ)の散らばりようと量はどうなってんだよーー!!」




「………やはり、抜けられなかったか。」



「ん?どうしたんだ、師匠」



「もうすぐ日没となる。」

「サーチ、少しだけ休憩するぞ。」



「早くない?」



「いや、今休まないと」

「朝方まで休めないだろうからな。」



「え!?」


そう呟くアストラの言葉に、サーチは驚いていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




日が落ち、周囲は月明かりに照らされていた。

星空の下、焚き火をしていた2人は立ち上がっていた。



「警戒しろ、サーチ」

「ヤツらが来るぞ」



「ほ、ホントに」



「ホントに……もうヒトじゃないのかよ……!?」




ザワザワ……



パキッ。パキパキッ……シュルルルル……


と、何かが近寄ってくる音が聞こえてきていた。



「ああ、一度寄生されたらもう助からん。」




「クソッ!!」



ガチャリ。カチャ。


と、武器を構える2人の前には、体がガリガリで肌の色は灰色、目は真っ黒に穴が空き、背中からツルのような植物が生えた人々が歩いてきていた。



『……ハ……ハラ…が……減った……』


『…タ……ス…ケ………テ……』


『…シリカ……シリカを……ど、どうしてぇぇ……』



「なっ……!!……アストラッ…」


と、動揺して振り返るも、アストラは冷静だった。



「背中に生えている根を切らねば、ヤツらは死なん」



「……クソッ……!!」


(無法者だったとはいえ、元々は普通の人間だったんだ……。でも、生きていくために、もがいて、足掻(あが)いて、必死に生きたんだよな。)


(なんで手が届くのに、オレは……救えないんだ!!)



「ダメなのかよォ……。」



「サーチ。現実は甘くないと言ったハズだ。」

「安らかにしてやることが、彼らの……本当の望みだろう。」


「種類にもよるが……植化型(しょっかがた)機屑物(ガーベマジル)に操られると、脳の神経を支配され、植物人間へと化すことが多い。厄介な機屑物だ。」


「ヤツらが言葉を喋っているのは、生前の望みを支配されるがままに喋らされているだけだ。」




ググッ……。


破片(ベネシ)銃剣(オッド)(セツ)を力強く握りしめて、悔しい表情をするサーチ。



「分かった。」

「オレ、やるよ。」


ガチャリ。と、サーチは銃剣を目の前の寄生人間(プラント)に向けた。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


[今回の一言♩]

現在見開きのイラストを描いております。

まだ、漫画では4ページ目。物語りの数文字という事実…。(まあ、見開きはなくてもよかったんだけど)


改めて漫画家ってヤバいな。

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